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3話 ミカエル5歳①



この世界に来て思った事。


食事が美味しくない。


魔族領だけの問題なのかもしれないが、とにかく味が足らない。

肉は生で食べるか焼く、煮る。そのあとになんか付けて食べるだけだっだりする。

付けるものも辛いか甘いしかなく、調理と言えるレベルでは無い。


化学調味料に舌が慣れた現代人には酷すぎる。

とは言え、転生してるので、舌は肥えてない。

だからといって食事に不満しかない数年を消化していた。


前世では料理が趣味だった私。

この世界の食事を改革してやろうではないか!

ひょっとしたら咲野の阿呆も食事が不味くて困ってるかもしれない。

食わせてやるよ!本物の料理ってやつを!


「ハーハッハッハ!」


ザパーン!


と言うわけで、私は幼なじみのジスと共に海岸に来ていた。


「ひ、姫様!まだ、海に来るには早い気が……寒っ!」


「ジス。別に泳ぎに来たわけじゃないのよ。塩を手に入れる為に来たの」


「しお?姫様!しお、とはなんですか?聞いた事ないのー!」


「塩とは……全ての料理において最大戦力の事よ!」


「さ、最大戦力……流石姫様!なんか良くわかんないけど、頑張ります!」


辺りを見渡して見たが、岩塩らしきものは無さそうだ。

やはり海水から塩を精製するしかない。

空間収納魔法はまだ使えないので、収納魔法付与された鞄から樽を出し海水を入れる。


デスパレスの厨房に運び、海水をろ過させてから大鍋に入れ煮詰める。

鍋の海水が十分の一位になったら再びろ過してまた鍋へ。

再び煮詰めながら、掻き回す。余分な水分が減り、徐々に塩が結晶化し始めたら再びろ過して塩の完成だ。

あとは暫くおいて冷ませて容器に容れた。


料理長に塩を使わせた料理をレクチャーして何品か試作品を作らせた。



「ぬぬぬ!なんだこれは!美味いぞ!」


「本当にミカエルがこれを?」


「うん!どうかな?塩を入れて蒸かしたり煮たり、焼いたりするだけで、食事は変わるんだよ!」

正確には料理長に作らせたのだが。

5歳の身では出来ない事も多いのだ。


「素晴らしい!その塩とやらを精製する部門を作らせよう」

生産体制が整えば、中立国を通して外貨を得る事が出来る。そして輸出入を確立して行けば、食糧事情にも変化があると見込む。


亜人の国セイコマルクとの交渉は上手く行ったみたいだ。

胡椒、大豆等が輸入出来る様になった。


ん?大豆?

大豆から出来るもの……

醤油だ!あと味噌?

ただ、正直作り方までわ知らない。

焼く?茹でる?蒸す?塩は必要ね。


とりあえず、書庫に籠り、関連する書物が無いか探してみた。


……無かった。



「うーん、困ったわね」


すると書庫の入り口から声をかけれた。


「ミカちゃんどうしたの?」


そこには妖艷な淫魔……母サクヤがいた。


「母様……ちょっと調べものをしてたのです。でも見当たらなくて困りました……」


「そう……ここの書庫で解らない事なら魔女に聞くといいわ。きっとミカちゃんの力になってくれるはず」


「魔女?母様、魔女と知り合いなの?」


「ええ、魔王様の姉様よ。つまりミカちゃんの叔母になるわね」


魔女……この世界で魔女の名を持つ者はただ一人。


魔女ノアだ。


かつての邪神戦争の英雄の一人。

魔族とは聞いていたけど、まさか叔母にあたるとは!


「母様!私、魔女ノア様に会いたい!何処に行けば会えるの?」




魔女の住処は魔族領内北部にあるらしい。

更に北に行くと、禁断の地と言われる場所があるとか無いとか。


私はジスを連れ二人で魔女の住む森へと出かけた。


五歳の女の子二人で大丈夫かって?

全然大丈夫なのだ。

ここ、魔族国デスニーランドは世界一治安が良い。


瘴気の森から領内の魔物は全て魔王が使役している。

つまり野生ではなく、立派な国民だ。


なので安全に歩けるわけだ。


そうしてジスと二人、お弁当持って向かった。


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