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2話 ミカエル3歳


ミカエル・デストラーデ

それが私の転生してからの名前だ。


私は3歳になった。精神的には21歳だけどね!


行動範囲が広がり、家の中は色々歩ける様になった。


驚くべく事に家がめっちゃ広い。高さは21階建ての庭付き一戸建てだ。

いや、城だ。

居住区とは別に謁見の間、宴会場、訓練所等、まだ解らない場所も多数存在する。

かなりの巨城である事が最近解った。


外観は漆黒の石を積み上げた悪魔城的なデザインで

堀には毒の沼地。

各通路には罠が仕掛けられているが、使う機会がさっぱり無いらしく、撤去案が出てるらしい。

たまに誤作動起こして怪我する兵士が居るとか。

労災は無いらしく、ブラック企業な魔族国だ。



この世界について解った事。


この世界には人族、亜人族、魔族、エルフ等のいわゆるファンタジー的な人種?がいるらしい。


そして残念な事に私のいる国は魔族国のようだ。


しかも父親は魔王。母親は四天王の一人。

私は魔王の娘で、皆からは姫様と言われている。

これが人族の姫だったらどんなに嬉しかった事か。


あと問題なのは、父親が吸血鬼(バンパイア)母親が淫魔(サキュバス)だった。

容姿は母親似で将来有望な美しい顔立ちだった。瞳は父親譲りの紅い瞳。


何より期待したいのは母親の遺伝。

母サクヤは巨乳だ。

私の前世は貧乳で、ギリBカップかな?くらいだった。

肩こり無縁の人生ですが、何か?

やはり、女らしさの象徴とも言うべき、双丘を手に入れて、壁パイと馬鹿にした奴らを見返したい!

もう会うことはないだろうけど。


そんな淡い期待しながら毎日牛乳飲んでます!


私は毎日、書庫に通い、世界の歴史や魔法について調べていた。

理由は君を探すための情報収集だ。

君は魔法陣で異世界に飛んだ。

召喚だったと仮定すると、この世界だと勇者召喚があるらしい。


仮に君が勇者召喚されているとしたら、私の今の立場は

不味くない?

魔王の娘と勇者って!

殺り合うしかないだろうが!

最悪!マジ最悪!


だが、調べたら勇者召喚は300年前にされてから、今はまだされていないらしい。

はて?

君は確かに召喚されて行ったよね?

謎過ぎる。



書庫から数冊の本を持ち出し、廊下を歩いていると、正面から、テテテテっと走りよって来る少女がいた。


「姫様ー!」

幼なじみのジスだ。

桃色の髪で可愛らしい顔立ち。悪魔族だ。

父親は四天王のベリアル・バレンティン。悪魔公だ。

いつも父親の登城に付いて来ては、私と遊ぶのが日課になっている。


「ジスおはよー!」

子どもらしい挨拶をして、手を繋ぎ歩く。仲良しさんですよ。


後ろから身長2メートル50センチはある巨体が近づく。

「ミカエル様!おはようございます!いつもジスと遊んで頂きありがとうございます!」


城中に響き渡る様な大きな声で挨拶をしたのは、ジスの父ベリアルだ。

四天王の中でも最強らしい。

威圧感ハンパなく、ちびりそうになる。


「あっ、ベリアル様おはようございます」


お城の中には、四天王やら幹部やら、人外の方々が多数存在するので、落ち着かない。

アンデッドの兵隊とか夜に会いたくない。

怖くて一人で夜トイレ行けないのだ。

そういう時だけ、子供らしく母に泣きついたりする。

嘘泣きだが。

子供ぶるのは結構難しいのだ。


「ジスちゃん!今日はお外で遊ぼっか?」

「はい!姫様!」


テテテテと2人手を繋いで駆け出す。


「毒の沼地に落ちない様に気を付けて下さいね!」

ベリアルのでかい声が廊下に響くと、置いてあった壺にヒビが入った。


毒の沼地には気を付けよう。子どもの環境に良くない家だ。





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