第二十三話 身体測定
身体測定。前世でも進級の度に行ってきたそれは、今生でも対して変化がなかった。
主に身長に体重、座高などだ。あとは胸囲なんかの測定もあった。
前世では胸囲なんか計ったことなかったけど、女の子は胸囲の測定もあるって普通なのかな?
さて気になる測定結果ですが……。
「身長121センチかぁ……」
見事なまでの幼女体型でしたよ。あの駄女神曰く、私はボンキュッボンの美少女になる予定なのに……。
えっ?体重?乙女に体重を聞くなんてありえませんよ。
胸囲?腰から胸までどこで計ってもほとんど変化ありませんけど、何か?
私が身体測定の結果が書かれた紙をみながら若干凹んでいると、同じく計測が終了したセセリナがやってきた。
「ミーシャどうした?」
「うぅ……。セリナ、私このまま小さいままだったらどうしよう……。」
「あぁ、まぁ心配しなくてもそのうち大きくなるよ」
「そうだといいんだけど……。セリナはどうだったの?」
「うん?私の見る?」
私はセリナから手渡された紙を見て愕然とした。
こ、これは……。
身長が高いのはまぁいい、体重もそれ相応といった感じか?いや普段の暴食ともいえる量を食す姿を見るとこの体重はファンタジーかもしれない。だが、それを考えてもなお納得がいかなかった。
それは胸囲の部分に書かれているアルファベットのEの文字だ。
ファンタジー世界のくせに長さの単位とかアルファベットがこの世界には普通に使われている。
これは私の想像でしかないが、おそらくこの世界に転生してきた人間が色々中途半端に前世の技術を伝えてしまったのだろう。
そのためこの世界の技術は色々と歪なのだろう。
と、そんなことよりもだ。Eってなんですか!
私はダブル——ゴホンゴホン。私は幼女体型なのに……大きいとは思っていたが、着痩せするってレベルじゃないぞ。
私はセリナの胸にキリっと睨み付けぺしっと叩いた。
「きゃっ、ミーシャいきなり何するの!」
「おっぱい星人に制裁を下しただけ」
「お、おっぱいってミーシャのエッチ」
セリナはそう言うと恥ずかしがるように胸元の私から隠すように手で抱きしめた。
だが、私は見逃さなかったぞ。
手で隠そうとしながら胸を寄せて大きさをアピールしている姿、うっすらと上がる口角を!
いいでしょう。受けて立つ戦争だ!
私は手に魔力を集めて魔法を発動させようとした。
そして魔法を放とうとしたとき、私の後頭部に軽い衝撃が襲った。
「イタッ」
私は衝撃がきた方向、後ろを見ると丸めて紙を玩ぶチグリス先生の姿があった。
「こら、魔法を勝手に使うな。まったく、お前たち身体測定が終わったら、早く次に行け」
「うぅ……わかりました」
「はい」
チグリス先生に怒られた後、私達はその後も色々な検査?を受けた。
パルネーシ先生の診察とか、ステータスを鑑定することができる先生がステータスを記録したりなんかもした。
セリナ曰く、このステータスの鑑定から武闘大会の出場者を絞っていくらしい。
武闘大会というのは、何も武を競うだけの大会ではない。
ステータスにある敏捷や筋力のみを競ったりする徒競走や重量挙げのような種目、魔力を競う魔法、魔術の種目など多くの種目を行う学園対抗の大会なのだ。
学園対抗の武闘大会は、各学園の評判にも直結する大会でもある。
そのため選手は、学園の代表として教師達から選ばれるのだ。
その選手の選考にステータスの鑑定結果は大きく影響するのだ。
まぁ、だからなのだろうか次の日、私やセリナを含む数名のクラスメイトがチグリス先生に呼び出されたのだ。
もちろん呼び出された件は、武闘大会の代表者の選考に選ばれたことだった。
「と、まぁ君達は武闘大会の一年生代表者候補となった。よって後日に行われる。代表者会議に出席して欲しい」
チグリス先生の言葉にクラスメイト達はそれぞれ喜んでいたり、緊張している様子だった。
私はと言うと、まぁセリナがステータスが代表の選考に関わると言われた時点で薄々選ばれるだろうなと予期していた。
ステータスの上昇に必要なのは日ごろの鍛錬など色々あるが、一番手っ取り早いのはレベルを上げることだ。
だが、レベルを上げるには、多少なりとも魔物達を倒さなければならない。
そして、いくら成長の早い魔族でも10歳の少年少女が魔物を倒す機会は、それこそ限られている。
さらに言えば、私は偶然にも莫大な経験値を得る機会があり、レベルを大幅に上がっていた。
だから、まぁ選ばれるだろうなとは思っていた。
この場にいるのは私とセリナの他に女子3人に男子5人の合計10人だ。
もちろんこの場にはいないが、他のクラスから代表者の候補がいるらしい。
「さて、お前たちはこれを渡しておく」
チグリス先生は私達に数枚のプリントを配った。
「これは武闘大会で行われる種目と簡単な説明が書かれたものだ。今からお前たちが出る可能性のある種目を言っていくからメモしろよ」
私たちはメモをとりながらチグリス先生の話を聞いた。
「次はセリナだな。お前の種目は、障害物競走、戦闘試合、武闘戦だ」
「はい」
「最後にミーシャは、魔術演舞、魔法演舞、魔戦闘、疾走戦、障害物競走、回避走、武闘戦だな」
「多いんですけど……」
「それだけ期待されているんだよ。安心しろ、流石に全部に出場はさせられないからな。それじゃみな、詳しくは後日の会議で、解散」




