後奏
城では多くの人々が待っていました。男は国の人達に謝罪し、王様に処刑してもらおうと自分から罪を告白しました。王様は死者が熊の害で亡くなった男の妻だけだった事と春の女王とセキレイの嘆願を受け、男に四季の女王の命を守り続けることを命じました。男は死ぬその時まで、搭を守る番人になりました。
冬の女王は、春の女王に鍵を渡し、搭を出ました。春の女王が搭に入ると、雪が解け、春の温かい日差しが国を照らしました。
夏の女王も、秋の女王もこのことを喜びました。
「スザク、ビャッコ、ありがとう。そして、セキレイも、ありがとう」
「おかげで、あたしたちは、交代することができました」
4人の女王たちは、セキレイの白い頬に順番にお礼のキスをしました。セキレイは嬉しく反面照れくさくて、赤くなってしまいました。
こうして、季節は再びめぐるようになりました。セキレイは再び女王たちの手紙を配達する仕事に戻りました。けれども、時々番人となった男とお茶をして、いろんな話をするようになりました。子供のいなかった男にとって、セキレイは息子のような存在になり、とても仲良くなりました。
そうそう、夏の女王とセキレイが倒した熊はどうしたって?
熊は毛皮をはいで王様の机の下に敷かれましたよ。
(終)
ここまで読んでいただき、まことにありがとうございます。
これにてセキレイの冒険はおしまいです。