宴(えん)は胃なもの味なもの?
腹が減っては戦はできぬという格言?いやあれって諺かな。でも事実だよね・・・だってお腹は寝てるだけでも減るのにお腹減った状態で寝ると限界がくると起きちゃうもんね。・・・朝に早起きなお腹をもつと大変ですよ・・・減りすぎるとお腹って減ってないかな?とか錯覚するのに限界越えると収まらない。なんて自分勝手なやつ!え?自己責任っていうか自己管理だって?ご尤もです。
気を取り直してレッツクッキン・・・グゥ~(腹の虫)。お腹に促されました・・・そうですか、そんなに待ち遠しいですか・・・。やりますよ?君を黙らせるためには食べることしかないですから!!
「ど~うしてお腹がへ~るのかな~?ゴ~ロ寝~をし~ててもへ~るもんね~・・・ど~うしてお腹がへ~るのかな~?食~べなきゃいけないお年~頃~」
訳の分からない歌を口ずさみながら料理の準備をしていると・・・。
「ブッ」
後ろから何やら吹き出す声が多数・・・。な~ぜ~?
「お腹が減るお年頃」
「ティルは歌も歌えるのか、しかも面白くて聞き慣れない旋律だな」
「ヘントタイトさん、サウリュスさんおはようございます。もう起きたんですか?」
「もともと朝には強いから自然とこの時間に目が覚めるんだ。普段は基礎体力をつけるために走り込みをして剣の鍛錬をするんだが、ティルが起きてきたのが見えたから気になってな」
サウリュスさん達は私が早く起きてきたから心配で側に来てくれたということらしいが銀や疾風達が居るのに滅多なことはないと思うけどまぁ銀達も今は省エネ形態ですしねぇ。ずっごく可愛いから私はこっちの方が好きなんだよね~。
そしてさっきから気になってるのはサウリュスさん達の後ろで肩を震わせて必死に笑いを堪えてる方達なんですけど・・・どちら様で?
「あの・・・そちらの方は?」
さっきから肩を震わせていた人は昨日は居なかったと思うのですが?一応私の記憶違いだと困るので聞いてみました。知らぬは恥、聞かぬも恥って言いますしね。え?言わない?言わないっけ?あれれ?
「初めまして。私は【チューリツ・ジャッジ】実は護衛の責任者で昨日はもう1つの馬車を連れて遅れて到着したんだ。他の護衛達と一緒に魔物に見つからないように遠回りをしてきたんだ」
中立なのに判断するの?って言いたくなるお名前のチューリツさんは気になることを言っていた。
「遠回り?こんな草原で?簡単に見つかるんじゃない?」
「ここは草原でもここから少しそれると岩場になっていて滅多に魔物も出ないから別れて逃げたんだけど主様の方が防壁とかも頑丈に施してるから滅多なことはないと思ていたのにまさかこんな事になるとは思っていなかった。君が主様達を助けてくれたんだってな。本当にありがとう」
チューリツさんが頭を下げると後ろに居た人達も頭を下げました。全員で7人ですが中年のチューリツさんと青年の男性が2人と女性が2人と少女と少年が1人ずつですが多くねぇ?青年1人を除くと皆さん普通に剣とか鎧とか装備していてまぁ形状や素材などは様々だがよく小説とかで出てくる冒険者って感じの人達だった。昨日の人達が全部で8人で今回が7人って全部で15人?うわ~男の人が多いけど食事って全員分かしらん?かしら~かしら~ご存じかしら~?この世界の人って結構皆さん食べるのよ~ん?男性も女性も!
「あの食事って全員で私とサウリュスさん達を入れて18人なのかな?他にも人って居るの?まだ増える?」
「いや・・・食事は護衛は別に食べるから食べるとしたらこちらの方とゼファーさんとか主様達だけじゃないかな?」
「それは何人なんですか?」
「いや正確な人数は分からないな・・・でもどうしてそんな事を聞くんだい?」
「えっ?私がご飯を作るのに困るからですけど?」
「君がご飯を作るのかい!?」
「はい・・・許可はもらってますよ?でも人数は分からないのか・・・仕方ないのでスープとかは多目に作れるけど・・・主食どうしょうかな?米は量ないし・・・小麦粉あったな・・・お好み焼きにしてみるか・・・小麦粉で出来るし簡単だ・・・玉子焼きとお好み焼きとスープと鶏肉の照り焼きっぽいもの・・・バランスおかしくね?まぁ気にしたら負けだね!なんとかなるなる」
私がごちゃごちゃ言っていると何を喋ってるのか理解できていなかったがサウリュスさんとヘントタイトさんの2人は意味が分からなくてもまったく気にした様子はなかったが他の人達は凄く困惑していた。まぁもう気にしてらんないし?面倒だし?放置ですけどね。
「おはようございますティル様。すみません、起きるのが遅くなってしまいました」
私達の話し声で起きてきたのかファムアさんが起きてきた私に頭を下げて謝罪した。
「や、止めてください!私なんかに頭を下げないでください。それに起きる時間ではないので遅くもないです!」
「ですが・・・」
「頭を下げられる立場ではありませんしね」
笑顔で押しきりファムアさんには納得してもらった。そして確認したところ全員の人数は私達を含めて18人であっていて食べる人数は7人でファムアさんとゼファーさんは主様の配給などのお世話で一緒に食べないらしい。何ということでしょう!ファムアさんには食べてもらいたいのに!!私の使命(?)が!!(←とか言ってるけどただの願望?というかありがた迷惑?押し付け押し売り親切?うわっ傍迷惑!!)
「・・・よし!皆が食べられるように簡単な物ばかりだから配膳の必要もないので皆で食べよう!!」
勝手に決めてジャンジャン用意していく。まずはスープを作ろうと寸胴をグツグツと具材を煮込む。そこで登場!!銀と疾風の狩猟の成果!!疾風が捕ってきたお魚さん三枚におろしてから骨と頭を網目の巾着に入れてドッボーンと投入したら悲鳴が後ろから大合唱って失礼なっ!
「あっあの・・・骨も食べるんですか?」
「ふぇ?骨は出汁の為だけで食べないですよ?」
「出汁?」
はい!出汁の概念とか言わないけど料理の初歩よりも前の踏み出してすらいなかったよっ!もしかして・・・嫌な予感が・・・
「あの・・・普段のスープには麦以外には何を入れてるんですか?」
「スープは麦だけですよね?」
「・・・・・・ソウデスネ・・・」
私は目線を彷徨わせて返答に困ってしまった。取り合えず人参と玉ねぎと茸数種類を入れて出汁を取りつつ灰汁も取りつつグツグツコトコト味を出させて具は何にしましょうかね?お肉も良いけど病み上がりの人の事も考えてあっさりさっぱりといきますかねぇ~・・・生姜あったし・・・つみれ汁~。
「生姜、ネギ、魚の切り身、小麦粉、出汁と塩と胡椒を少々っとそしてすり鉢でゴリゴリっと」
すり鉢や胡椒なんかはミーシャさんにねだってやっと買ってもらったり特注で態々作ってもらったりと凄く大変でしたよ・・・すり鉢を作ってもらうよりミキサーとかで良かったのはあとで気がついたんだよね~まぁそんなこともあるよね~。
「あの・・・何を作ってるんですか?」
「つみれだよ?これがスープの具だよ~」
「グってなんですか?」
「・・・改めて聞かれると具ってなんだろうね・・・具材からとってるだろうから・・・主役?スープの主役・・・言わば主人公?」
「??」
うん、ごめんなさい。私も意味不明でした。灰汁も出なくなったし袋を回収してつみれをスプーンで投入してたらファムアさんが目をキラキラさせてたから頼みました。子供みたいなキラキラした目には逆らえないですよ。
さてさて煮込んでる間に醤油と砂糖と入れて味付けしたら次いってみよう~!うん?なんですか?あぁ~醤油ありますよ?遠い東の国に味噌と醤油と日本酒っぽいものありますよ~まぁ・・・今更なんですが私が勝手に言ってるだけで人参とか野菜の名前はほぼ同じなのに魚とか調味料とかはちょいちょい名前が違ったりします。私は無視だけどね~こっちの名前なんて知らないしね。でも1つだけ知って笑ったので覚えたのは<ハートップル>という名のハートの形のピンクのリンゴ。ハート型のアップル合わせてハートップル!覚えやすいけど安直っ!味は普通に甘くて美味しいよ~。
「銀達はお肉だよね~先に焼いておこうね~ついでに鶏肉とキャベツと人参のスープ(塩味)・・・とさつま芋団子にしようねぇ」
さつま芋団子はさつま芋の甘さのみで作るシンプルイズベストの優れもの~電子レンジでチンして皮剥いて塩ちょっと入れて丸めるだけ~人が食べるときはバター入れたりカボチャに変えたりとカボチャは皮も入れたりすると美味しいねぇ~。砂糖はお好みで足すとなお美味しい!!
「あとはお好み焼きと玉子焼きだね~塩と砂糖と具材入りだね」
さっさか作っていくとゼファーさんが商人の男性を連れてきた。良いタイミングですね配膳を終えたところですよ。お好み焼きは女性や少年少女は2枚、男性は3枚、子供は1枚で分配しておかわりを用意してあとは各自ちょっとしたおかずに鶏肉の照り焼きをつけて食べましたよ。
宴のような大騒ぎでしたが・・・まさかの身分とかをかなぐり捨ててのおかわり争奪戦・・・そして・・・ニコニコしながら
「私が食べますよ?良いですよね?」
『私が食べるのに文句あるか?うん?』(副音)
って言って周囲を黙らせて自分の主であるはずの商人の男性含めて全員を黙らせたゼファーさんに私はガクブルでした。因みにサウリュスさんとヘントタイトさんの2人は我関せずに何気に違う料理を要求してきましたよ。それも多目に作ってお裾分けしたら更に戦いに火が点いたけどね・・・私は何も見ていない・・・
余談ではあるんだけど・・・
私が食べる分もあげちゃったからこっそり作り置きしてあったチャーハンを食べていたら見つかってほぼ全員に恨めしそうに睨まれた。いつも優しいサウリュスさんにも悲しそうに見られた。
えっ?私が悪いの!?納得できん!!