意志と使命、そして・・・自覚? 2
更新が遅くなりましたすみませんm(_ _)m
サウリュスの視線は取り合えずここまでになります次回は主人公に話が戻りますので宜しくお願いします(^-^)
では今回のサウリュスのお話をどうぞ~
「サウリュス・・・ティルという人物について詳しく聞かせてもらおうかな?」
「父上・・・詳しくと言われましても・・・」
「そうだな。まずは性別と年齢だな」
「・・・先程から気になっていましたが・・・何故性別をそれほどお気になさるのですか?」
「当たり前ではないか!息子に春が訪れるかもしれないのだぞ!しかもだ・・・一番来なさそうだったサウリュスに来るかもしれないと思えば親としては気になるのが親だろう?」
いえ、それはただ単に興味本意やお節介・・・ただ面白がってるだけかと思う。とは分かっているが余計な事は言わない方が良いだろうと言いそうになった言葉を飲み込む。
「それで?どっちなの?私も気になるわ」
「母上・・・」
ニコニコとサウリュスに聞いているが副音で
『答えるよね?分かってるでしょ?』 と聞こえる。
「サウリュス。勿体ぶらないで早く教えんかっ!」
結局は焦れて待てが出来なかった父上が苛々としながら促してくるが何故だか答えたくない。ただそんな心情に何故なったのかは自分でも分からないのだが・・・・・・
「もうっ!リュー?聞いているの?」
「母上聞いていますよ。父上もそんなに怒らないで下さい。ティルは女の子ですよ。とてもしっかりした10才の女の子です」
「女の子・・・しかも10才・・・」
「10才・・・10才か・・・」
母上と父上がティルの年齢を聞いて呟いて絶句していたが何を期待していたのだろうか?私の心情を感じ取ってヘントタイトが苦笑している。
「その娘とはどこで出会ったのだ?」
「そうね。出会ったきっかけは何かしら?私も気になるから聞きたいわ」
「それは・・・」
「うん?どうした?サウリュス。何かあったのか?」
「・・・・・はい。ですが、今ここでそれを話すのは・・・」
「なるほど・・・分かった。では報告はまた聞くとしよう。では・・・その娘のティルという名前だったかな?その娘を連れて来てくれサウリュス」
「・・・・・・申し訳御座いません、それは出来ません」
「なんとっ!」
「まぁ!」
私がティルを連れて来るのを拒むと父上は驚きを隠せず、母上は微笑ましそうな生暖かい目で私を見てくる。正直居心地が悪いし両親のこの反応にどうしたらいいのか分からずに戸惑いしかない。
「ではいつなら会えるのだ?」
だが父上は諦めなかった。というかこれくらいで引くような父上ではないしへこたれる程優しい心もない。
「ティルは・・・今、行方不明で・・・捜索中です」
その話をした瞬間に父上と母上が私を見る時にとても悲しそうな辛そうな目で見ていることに気がついた。何故?と思ったが私はそれで気がついた・・・頬を伝う一筋の雫に・・・・・・
「そうか・・・ではその捜索に全面的に協力しよう!!」
「そうね・・・私の力も使って全力で探しましょう!!」
何故か父上の宣言の後に母上が立ち上がってやる気を示したが・・・どうしてこうなったのか私は頭が痛くなってきた。
「では今分かってる事などを聞こう!」
こうしてこの日は報告などをして結局夜遅くまで続き、寝れたのは日付が変わる時間だった・・・父上達は生き生きとしていたのが物凄く印象的だった・・・・・・
「お疲れ様でした、サウリュス様。明日はデューリュウス様が参加しての捜索会議をやるとのことです・・・シエルーア様も参加されるそうです。それまではゆっくりとお休みください。心身共に・・・」
ヘントタイトがそう言って退出すると疲れがドッと押し寄せベットに座り込んだ。
「・・・ティル・・・」
小さな女の子で予想外の事をやっては周囲を驚かせて平然としている生きるビックリ箱の女の子。たった数ヵ月一緒に居ただけの見ているのが飽きない子供くらいの認識だったはずの女の子が、突然目の前から居なくなって初めて感じた喪失感を気づかないフリをしてきたのに、先程の父上達との会話で思い知らされた。自分の中でどれ程ティルの存在が大きかったのかという事を・・・・・・
今回のこの旅では父上である国王からの王命で行われた王家にまつわる伝統の儀式【継承の儀】によって始まった旅だった。
【継承の儀】
王家に生まれし直系の男児は精霊の住まう森に訪れ、精霊・妖精の認められし証と共に、強き心と優しき心を学び、心・魂の半身を探し、聖なる湖にその身を浄め、聖地にて答えを示せ
というものだ。つまり聖なる森といわれる場所で精霊や妖精に認められて証を貰い、伴侶を見つけ、聖なる湖で身を浄めて聖地で報告をして結婚しろという事だが・・・正直この旅は気が進まなかった。
この旅は王位継承を左右する旅でもあるし、私は女性に対しても心を動かされることもなく結婚もすることはないと思っていた。そうティルに出会うまでは食事も、人も、物に対してだって深く考えることも、執着することも、深く関わろうともしなかった。自分自身の心の変化がゆっくりとだが変わっているのに気がつかなかった。
私は自分の身分で出来ることはやってはいるが他の事は兄上達がやるし私の下には弟もいるのだからと面倒にならないようにしてきた。私は国に対しても、王座に対しても何も感じない。だから自分でも国王というものに向いていないしなろうとも思わなかったので適当に旅をして2年くらいしたら帰って伴侶が見つけられなかったと報告するつもりだったのだ・・・そう・・・先程までは・・・
だが先程の会話で自覚した・・・いやせざる終えなかった・・・自分の心が認めてしまった感情に・・・多分今回限りだろう心に・・・
私の第三王子という立場、そして王家としての使命、そしてティルへの想い・・・
「ティル・・・絶対に見つけ出す!例え何年かかろうとも・・・」
目を閉じて思い浮かべるティルの姿、笑いかけるティルの姿にチクリと痛む胸をギュッと押さえーーーーーー
そのままゆっくりと忍び寄る睡魔に促されるまま眠りについた。その日の夢はティルが美味しそうにご飯を頬張っている姿だった・・・
ただそれはみんなと違う料理を美味しそうに頬張っている時の姿だったのがなんとも言えなかったが・・・・・・
結局ティルのイメージってサウリュスにとっても食い気なのでしょうか?でも夢に出てきても自分だけ違うのを食べていた時のものっていうのがティルが聞いたら
まだ根に持ってたのっ!
それとも怒ってるのっ?
と聞いたでしょうね・・・きっと。
食べ物の恨みって怖いですね・・・皆様もお気をつけください・・・そんな場面に遭遇することがあったなら・・・ですが。
ではまたお会いしましょう~!次回・・・お楽しみに・・・??