あれから・・・
すみません短い上に中途半端です。
今日から少しだけサウリュス視線での話を書いていきますのでお付き合い下さい
ただまだ完全にまとまらなくて出来た部分だけ先に投稿しました。
ちょっとしたサウリュスの背景なんかを出してみたいと思っております。
短くても楽しんでほしいのです。
「ティル・・・」
消えたティルの姿を探すように辺りを見渡しティルの姿がない事に落胆しているとひらりと何かが舞い落ちてきた。ティルと一緒に居た人喰い鷹の羽だった。ティルは人喰いではないし名前までつけて可愛がっていたが・・・。
「ふふふ・・・これでやっと・・・やっと邪魔者は消えた・・・」
「おい!ティルをどこにやったのだ!!」
「サウリュス様、落ち着いて下さい」
気が狂ったように笑い続ける女にサウリュスが詰め寄るが冷静さをなくしている様子にヘントタイトが慌てて止めに入った。
「だがこの者が何かをしていたのは間違いないのだぞ」
「分かっています。しかし今は冷静な判断が出来ていない貴方ではティル様の手がかりを見つけられるのですか!?」
その言葉に躊躇いそして大きく息を吐き出した。
「すまない。確かにそうだな・・・この者を取り押さえて警ら隊に連れて行ってくれ。そこで調査とティルの捜索を依頼する」
「はい」
笑っていた女を連れ重厚な石が積み上げられた建物に連行し責任者である警ら隊の隊長が対応し、事情を説明した。その歳に隠すことは出来ずに身分を明かすとブルブルと震え出して顔を真っ青にしていたのは見ている方が可哀想になった。ただサウリュスだけが全く気にしてはいなかったが・・・
「サウリュス様・・・手続きは終わりましたので後は任せるしかありません・・・あの女は何を聞いてもただ笑って邪魔者が居なくなったとしか言わないそうです」
「・・・・・・そうか」
サウリュスはなぜこうなったのかと考えていたが答えは見つからなかった。ただ、なぜか頭を過ったのはさっきまで楽しそうに笑っていたティルの姿だった・・・疲れた体のまま宿に戻り部屋に入ると椅子に座ったまま深い眠りについていた・・・
「今日は大事な話がある・・・先日神殿に聖なる声が届いた・・・」
「なっ!!聖なる声が!?」
「そうだ・・・そこで私はこの国の王としてお前達には聖なる声に従ってあるものを探して来て欲しい」
「あるものですか?」
「そうだ・・・聖なる声は邪悪なる者が解き放たれたと告げられた。さらに聖なる者、愛し子がどこかに居るだろうと・・・その愛し子を見つけ出し心を射止めた者が次代の王となる!と告げられた」
「そんな・・・次代の王は私ではないのですか!?」
「聖なる声が届く前はそうだったが・・・聖なる声が告げた事実は変わらない・・・何者も逆らう事は出来ない。次代の王になりたければ愛し子を見つけ出しお告げに従うのだな」
「・・・分かりました。必ず見つけ出してみせます」
「うむ。他の者達もいいな?」
「はい」
「では旅の支度が出来次第愛し子を探し出してきてくれ。くれぐれも無事に帰って来ることを祈っている」
「はい」
ーーーーーーコンコン
「サウリュス様・・・お食事の時間です」
ノックの音でサウリュスは夢から覚めた。この旅の始まりでありもう何ヵ月も前の事なのについ先程の事のように思い出せる。
「サウリュス様?」
「あぁ・・・すまない・・・今行く」
ヘントタイトに促されて部屋の外に出ると軽装に剣を装着したヘントタイトが立っていた。帰って来たままのサウリュスの姿に一瞬だけ訝しげに見たが、サウリュスの顔色が優れないので体調が悪いのではと声をかけると苦笑いで居眠りをしてしまっただけだ、と言われたが普段のサウリュスからあり得ないことで驚きを隠せなかった。
「・・・ティルの料理を食べるようになってからは他の料理を食べていなかったがなぜか違和感があるな・・・」
「そうですね・・・慣れって怖いですね・・・」
完全にティルに毒されたせいで慣らされた舌には物足りない味になってしまい食べた気がしないのだった・・・
「はぁ・・・参ったな・・・このままだと飢えで死にそうになるな」
サウリュスがボソッと言った台詞は結構洒落にならない気がするヘントタイトがティルの手がかりを早く見つけないとサウリュスだけでなく自分もヤバイと焦ったのはここだけの話・・・
来週の更新がまた少し遅くなるかもしれませんが頑張りますのでよろしく御願いします