表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/31

町の中を探索していたのに・・・あらら?

ブックマークが60件になっていて読んでもらえる幸せを噛み締めつつ感謝でいっぱいです。


本当に有り難う御座います。


拙い作品ではありますがこれからもよろしく御願いします


今回はかなりの急展開ですがお付き合い下さい。


あれ?いつもかも?展開がコロコロ変わるのは・・・え~と・・・皆様の広い心で受け止めてください!!





 結局調理の指導はするという結果になったが今日はもう時間や食材がないという事で終わったが明日には必要なものを用意しておくから新人の子達に伝えておいてくれと料理長から言われたがどんな食材がこの町にあるのか分からないから今日の朝市で見てから決めたいのでその時に一緒に買ってくると料理長に伝え了承を得た。


「ティルおはよう。部屋に居ないから探したぞ。そろそろ朝食を食べて朝市に行かないか?」


「サウリュスさん!すみません黙って部屋から出ていって。あっえっとお早うございます。朝食は用意できてます」


調理場にサウリュスさんが迎えに来てくれたのでそのままレストランの宿泊者用の場所でサウリュスさんとヘントタイトさんの3人で朝食を食べた。今日は商団のメンバーは別行動だというので久しぶりの3人だけとなった。ワクワクしながら朝市に向かった。


「ふわぁ~!!すご~い!!」


宿から出るとレンガを積み上げたような町並みに煙筒や教会が遠くに見える。大きな鐘がリンゴーン、リンゴーンと軽快な音が響いている。あんなに大きいのにゴーンという低い音ではなく高い音なんだよね。


「ティルはぐれるといけないから」


さっと手を取り優しく包む様に握って微笑んでくれるサウリュスさんに子供扱いしないでって言えずに真っ赤な顔して頷くしか選択肢はなかった。テクテクと私の歩みに合わせてくるサウリュスさんと1歩下がった位置で私とサウリュスさんを見守るヘントタイトさんで辿り着いた朝市は凄かった。


「・・・いっぱい・・・お店がいっぱい~」


テンションが上がってピョンピョンと跳ねながら喜んでいるとサウリュスさんとヘントタイトさんの2人からクスクスと笑われてしまった。


「うぅ~・・・ごめんなさい」


「いや、謝ることないよ?可愛かったしね」


「あぅ、うぅ~」


さらっと誉められて極上の笑顔をされたら撃沈するしかない。私は真っ赤な顔でキッとサウリュスさんを見上げるしか出来ない。前世も含めて恋愛経験ほぼゼロの私には最初から太刀打ちが出来る訳がない。


「ティル?何か買うのか?早くしないと全部見れないぞ?」


「もうぅ~サウリュスさんのせいなのに~」


ぶっす~と頬を膨らませて反論するがサウリュスさんは首を傾げて不思議そうにしてるしヘントタイトさんは分かってるみたいだけど口を出す気はないみたいでただ面白そうに笑ってるだけだった。




朝市はとても大きな広場のような場所でやっているようで広場に行くまでの大通りから出店が出ていて大きいのから小さいのまで様々な物が並んでいる。奥に行くと敷物の上に置くだけのお店や組立式なのか台座やテントなどでお店を出しているお店もある。ちょこちょこと行ったり来たりを繰り返しているといつの間にかサウリュスさん達と逸れていた。子供扱いとか思っていたのに本当になってしまった・・・残念な私。



「・・・まぁ~宿に戻れば会えるし?買い物続行だよね!だって私買い物するために来たんだしね・・・うんうん」



 ・・・マイペースで自分勝手で自由を溺愛し欲望を優先する自由人のティルだった。



「色々あるなぁ~」


彩り豊かな野菜や魚があって目移りしてしまう。キョロキョロしてると端の方で小さくひっそりと品物を並べているお店があった。よく見ると小さな男の子と女の子の2人でやってる。だが誰も買う人はいないようでしょぼんと下を向いている。


「何を売ってるの?」


「え?」


声をかけると女の子はキョトンとして私を見ている。男の子は顔を上げると私を見てガッカリし、また下を向いてしまった。


「で?何を売ってるの?」


「あの・・・えっと・・・」


「客じゃないのに言う必要はない」


「なんで客じゃないの?」


「はぁ~?お前みたいな子供が金持ってるわけないだろ!!」


「あるよ?お金」


「嘘つくな!!お前みたいな子供が持ってるわけ「ほいっ!」・・・ないって・・・お金・・・」


男の子の目の前にお金を出して見せると言葉を遮りながら出すと男の子は目が落ちるんじゃってくらいに見開き驚きで言葉も詰まっていた。


「で?何を売ってるの??」


「・・・乾物と野菜と木の実」


「ふむふむ。乾物?並んでないね見せて?」


「あっ、あぁ」


並んでいたのは野菜と木の実だけだったが後ろから乾物を出してきた。乾物はなんと鰹節とスルメとキノコだった。キノコは干し椎茸みたいに使えるかしら?


「いくら?」


「え?買うの?」


「買うよ?だってまさかここで鰹節とかあるなんて思わなかったしねぇこれで出汁が存分に作れるしね」


「カツオ?ダシ?」


正解っ!使えば確かに鰹出汁だよね。まぁ~この世界で鰹って言わないんだろうけどね。


「気にしないで?それでいくら?」


「魚の乾物は棒は1個300セルンで足のあるのは100セルンでキノコは10個で200セルンだ」


「ふむふむ。全部で何個あるの?」


「魚の棒は3個で足がついてる方のは5個。キノコは全部で30個」


「成る程。全部で2000セルンだね。じゃあこっちのお野菜とかは?」


「えっ?」


今度は女の子が驚いて私を見ているが何がそんなに気になるのか最早私には理解不能なので気にしないことにした。スルーが一番!!


「イモッポは5個で50セルン、マニネオは3個で60セルン、キュロニンは3本で90セルン、ノイチベリーは10個で100セルンだ」


「なるなる。じゃあこれは並んでるだけで全部?」


「いいや、あとこっちに少しだけあるけど・・・」


「じゃあ全部で何個あるの?」


「イモッポは30個、マニネオは18個、キュロニンは21本、イチベリーは50個」


「全部で1740セルンね、さっきのを足して3740セルン・・・まぁ妥当なのか?高いのかな?でもあんまり見かけないし野菜は安いんだし。よし!という訳で全額を払うから全部私にくださいなっ」


「はっ?」

「嘘っ」


ここでのお金の単位はセルンで種類は金貨(10万)銀貨(1万)半銀貨(1000)銅貨(100)半銅貨(10)が主流らしい。私もこの世界での買い物はあまりしたことないけれど。森の中で生活してたからね、全部ミーシャさんがやってくれていたので必要がなかったので現物を見ながらの講義だけだったし。でも最近分かったことはミーシャさんもサウリュスさんもお金持ちだということ。発覚したのはサウリュスさんが使っていたお金だったんだけどね。


金貨の上があるんですよ。大金貨(百万)白金貨(1000万)王金貨(1億)という価値があるそうですが商人でも大金貨までで白金貨は滅多にお目にかかることはないらしい。なので白金貨を扱えるのは大商人とか王家御用達とからしいです。



王金貨なんてどこで使うのかというほどで王様からの報酬で貰えることもあるかもしれないという伝説的な金貨だったりする。で、話を戻すとミーシャさんはどこで手に入れたのか王金貨を1枚持っていた。白金貨も数枚見たことがありサウリュスさんも白金貨を何枚か持っていた。普通の旅で使うことがまず無さそうな白金貨を数枚・・・出所はどこ?どこなの?聞きたいのに怖くて聞けなかった小心者です。



「ほいっ!じゃあこれで会計をお願いします」


「はっ、はい」


女の子に半銀貨4枚を渡したが戸惑っていた。


「どしたの?」


「すいません・・・今確認するので待ってもらえませんか??」


「確認??」


「は・・・い」


何の確認だろうと見ていると何やら変な物が出てきた。算盤そろばんのような形だけど所々が違う。算盤は上段と下の段が分かれている

が出してきたのは分かれておらず、算盤のように珠が入っているが1列がバラバラの数が入っていて色が入ってるものもある。何が始まるのかと見ていると珠の数を数えだした。嫌な予感がするんだけど・・・


「・・・ねぇ・・・あの子は何をしているの?」


「何って金額が幾つか数えてるに決まってるだろ」


女の子の邪魔にならないようにコソッと男の子に聞くと嫌な予感は当たった。詳細を聞いて私は頭痛がしてきた。商品の数の珠を用意して1個10セルンで10個で100セルンだからと商品の数ごとに数えるというので日が暮れないか?と呆れるばかりだった。この世界は足すか引くしかなくてそれでもこの計算が出来るのは凄い事らしい。普通のお店で数を数えるの普通だという。ただお店には数える専用の道具があるがちょっと高いので自分達で数える人が多いという事だった。


因みにどうでもいいことだけど色が着いた珠は1個で100セルンだからその数を指折り足していくという。・・・根性&根気。根っこ生えそうだなぁ~



「これってかなり時間がかかるよね?」


「う~ん・・・もう少しで終わる」


「1000、1010・・・・」


「いやいや。終わらないでしょっ!?あと2000以上の数が残ってるのにかなりかかるよ!!」


「なぁ・・・さっきも思ったけどお前はスウケイが出来るのか?」


「スウケイ?スウケイって何?」


「スウケイを知らないのか?」


男の子に物凄く驚かれたがよく聞いたら算数の事だった。漢字で表すなら〈数計〉数えて計算する足し算と引き算だった。この世界ではひたすら足すか引くかしかないらしい。


「終わりました・・・お客さんの言っていた通りの値段でした。お金は半銀貨4枚貰ったので・・・えっ~と・・・」


指折り数えておりますよ?指折り返して分からなくなってもう1度やり直してるけど・・・何を計算したいの??


「240セルンのお返しです」


「・・・260セルンだよね?お釣り間違ってます」


「えっ?あれ?」


「お釣りを多く貰う気か!?」


「いやいや・・・だって10から4引いたら6でしょ!?なのに何で残りが4なの!?2はどこいったの?」


「・・・すみません。私の計算違いです。本当にすみませんでしたお釣りは260セルンです」


「分かってもらえて良かったです。じゃあ品物も下さい」


女の子は何度も謝りながら品物を渡してくれたので次々にバックに入れてお釣りを貰ってさっさと離れた。その後も他のお店を回り色々と手に入れた。野菜や魚に調味料。そして小麦粉や薬草などもあったので自分の買える範囲でかなり買った。ホクホクで宿への帰り道に細い路地の方で怪しいお店を見つけた。明らかに怪しいお店・・・普通なら行かないだろうけど好奇心がうずうずして近づいてしまった。



「ふぇふぇふぇ。お嬢さんはお買い物かい?だが迷子だねぇ・・・そしてお嬢さんには凄く欲しい物があるんだねぇ?占ってあげようねぇ、ふぇふぇ」


「い、いえ・・・お金がないので大丈夫です」


「ふぇふぇふぇ、お金は要らないよ。お嬢さんはこれから災厄がくるねぇ~それに運命の歯車が見えるねぇ~ふぇふぇふぇお嬢さんは大きなものを失った代わりに様々ものを引き寄せるねぇふぇふぇふぇ。災厄は防げないがお守りはあった方がいいねぇ~ふぇふぇふぇこれを持っていきなさい」


不吉な占いをした怪しいフードを深く被って顔が言えないお婆さんは綺麗な透き通った石のネックレスと赤、青、紫、橙の4色のハートの形の石がクローバーのように配置されていて蔦や葉っぱも緑の石で立体的に作られてるブレスレットをくれた。


「2つも?」


「ふぇふぇふぇまずは着けてみなさいお嬢さん」


勧められるままに着けたネックレスとブレスレットは一瞬だけ強い光を放った後は淡い光が灯り光が点滅して消えた。その様子を見ていたお婆さんはふぇふぇふぇと笑って帰り道に気を付けなさいと忠告をして私を大通りへ誘導し、路地から出された。お礼を言おうと振り返ったらそこには路地すらなかった。・・・確かにあったはずなのに道そのものがなくなることがあるのだろうか?不思議体験をした私はそのまま宿に向かって歩き出したが何度も後ろを振り返ってしまった。あのお婆さんは幻だったのかと・・・・・・




「見つけた・・・」



私の前に見慣れた人が立ち小さく囁くように言った台詞はとても冷え冷えとした声で突き放す声だった。


「あなたはとっても邪魔なの・・・私達にとって・・・」


「ふぇ?」


「だから・・・消えて・・・私達の前から・・・」


「何を言って・・・」


そう言って私の肩を掴み爪が食い込むくらいに力を入れられ痛みで顔が歪み小さく悲鳴をあげた時に遠くから親しい人の声が聞こえる。私の名前を呼んで走ってきているのが見え、その足元には銀がいた。ピィ~という声と共に空から旋回しながら私の肩を掴んでいる人物に向かって爪を降り下ろしながら疾風が降りてきた。


「チッ」


舌打ちと共に私から離れた人物から疾風と走ってきた銀が私の体にピタッと自分達の体をつける。サウリュスさん達が私の名前を呼びながらこちらに走ってきているの見た人物は私を睨み付ける。


「本当に邪魔でしかない子!!あんたは要らないのよ!!」


怒鳴りながら私に向かって投げつけた丸いものが私に当たって弾けた瞬間に、光が空に向かって一直線に上がり光の柱が出来上がると上に光が強くなると下から段々と弱くなり下から徐々に消えていき雲を突き抜けるとす~っと消えた・・・




「ティル~~~~~!!」




最後に聞いたサウリュスさんの声は遠くなり次第に聞こえなくなった・・・寂しそうな、悲しそうな、そんな声に聞こえた気がした・・・



そして・・・町の中からティルと銀と疾風の姿は消えたーーー




「ふふ・・・あははは・・・これで邪魔者はいない・・・いい気味。私の邪魔をするからこうなるのよ・・・ふふふ・・・」


ティル達が居た場所は高々と笑い声をあげる女が残っているだけでサウリュスがやっと辿り着いた場所にはティルの姿はなく、散らばったアイテムの破片を見て愕然とし、消えた光を追うように空を見上げ立ち尽くしたのだったーーー











評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ