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ちゃっ、ちゃっかちゃかちゃか、ちゃっちゃっちゃ~、ちゃかちゃかちゃんちゃんちゃん!!

   


はい。皆さんお早うございます。今日から始まりました料理教室。

 では本日の料理は [目玉焼き] です。卵料理の初級編ですが基本からいってみましょう~!!では材料の用意です!!


今日使うのは卵料理なので、材料は卵!!当たり前ですね~。


「では卵の調理を始めましょう・・・というか気になってたんですが皆さんは卵ってどういう風に調理してるんですか??」


「卵ですか??使いませんけど・・・」


「そうですか~使わないんですか~・・・えっ??使わない??」


普通に相槌をしてたら衝撃の事実が浮上しました。卵って使わないんだぁ~じゃあ何で普通に売ってたの??


「でもお肉屋さんで普通に売ってましたけど??」


「あぁ~売ってはいますけど買ってる人って見た事ないですよ~だから卵料理って聞いたことないですねぇ~」


「はぁ~だからいつも買う時に不思議そうにされたり何に使うのか聞かれるのかぁ~」


「まぁ~たまに興味で買っていく人が居るらしいですが普通にダメにしてしまいますね。料理目的で1個買ったら驚かれるよね」


「・・・そうですね」


本当はバックに入れれば割れたりしないし腐らないから見かけたら殆ど店頭にあるの全部買ってるんだけどね・・・いつも不思議がられてるんだよね。たまにぎょっとしてから本当に買うのか??って3回くらい確認されて鬱陶しくなった経験もある。


「じゃあ卵料理を教えるって卵あるですか??」


「さっき料理長の指示で買いに走ったからもうすぐ戻るんじゃないかな?」


「・・・さようですか」


「戻りました」


まだ少年って感じの子が肩で息をしながら戻ってきた。おいおい走ってきたのはいいが割れてないだろうな!?そして本当に買いに行かせたんだね・・・ごめんよ?気がついてなくて・・・


「早かったな。では卵を調理場に持っていってくれ」


「はい!!」


とっても良い返事が聞こえたよ。うんうん素晴らしいね!!言われたことが理解できたらまず返事だよね!!理解してなくて返事されるとイラッとするけどね。ちゃんと返せるのは好印象ですなぁ~


「卵は用意できたぞ」


料理長が近づきながら声をかけてきたので追加で材料と調味料と調理器具を用意してもらった。


「ではまずは卵料理の基本というか入門編をやります!これは卵と油と水で基本出来ます。調理器具はフライパンです」


「フライパン?」


「あ~すみません私の国ではフライパンというのは焼くための取手のついた鉄板です」


「焼き鍋ですね」


「焼き鍋・・・普通に料理名ですね」


「え?料理名??」


「あぁ~ないんですね・・・そうですか。焼きうどんやすき焼き鍋ってないんですね・・・あ~でもあれは家庭料理か」


「家庭料理・・・ってなんですか??」


・・・・・・家庭料理は家庭料理でしょ??なんで疑問が出るの??私が君達に聞きたいよ・・・私の常識が変なのはこの際良いけどさ・・・いや良くないけどもそれは端っこに置いといて、お袋の味とか家庭料理ってあるでしょ??普段何食べているのこの人達はっ!?


「家庭料理は普段家で食べる家族が作った食事の事ですよ??例えば家では味付けが人によって変わりますし同じ料理でも味は違いますよね?その違いが家庭というか人の家では変わるということで家の味ということで私の国では家庭の味や母親が作ってくれたり奥さんが作ってくれる料理を家庭料理やお袋の味って呼んでました」


「おふくろの味・・・へぇ~でも家によって味ってそんなに変わるかな??あんまり聞いたことないけど・・・」


「・・・これからやる料理で特色が分かるかもしれませんね」


良い笑顔で話を終わらせたが側で聞いていた料理長や他の料理人さんも不思議そうでした。でも実際卵料理って好みが出ますしね~


「では時間もないのでさっさと調理の説明をします!!まずは卵は1人分で1個か2個使います。そして焼き方ですが私が見本で焼いていきますこの時に味付けをするしないはお任せしますが私は普段通りに味付けして焼きます」


説明だけして自分の専用のフライパンをを出して弱火で薄く油を引き温まったら卵を割ってフライパンになるべく低く静かに落とす。軽くじゅわ~と音を立てる。透明な白身とぷっくりと浮き上がった黄身に塩コショウをパラパラっとかけて白身が白く固まってきたらサッとフライ返しでひっくり返す。そしてそのまま黄身と白身が焼けるのを待つ。


「ひっくり返して焼くのはパンなどに挟めたりするときにやりますがこの焼き方は両面焼き(ターンオーバー)といいます。今焼き上がったのでパンに野菜と一緒に挟みましょう。あとは何種類か焼きますね」


そして焼いたのは片面焼き(サニーサイドアップ)で半熟と途中で水を入れて蒸し焼きにした黄身の固い目玉焼きを作った。もちろん両面焼きも半熟と固焼きを作りました。


味付けあり無しなども作りケチャップやソースなどの調味料で試食タイムをして・・・何故か見慣れた奪い合いが起こりました・・・目玉焼きで??って思うでしょ??違いますよ~さすがに目玉焼きではないです。目玉焼きを挟んだハンバーガーのご親戚のパンバーガーですよ。なんだそれって?ハンバーグがないので具材が野菜と目玉焼きとパンなんですよ。まぁ~ハンバーガーを知ってるとちょっと物足りなくなりますが・・・食べるのはボリューミーです!!





「美味しかったぁ~って何してるんですか?」


「あぁ~卵料理で朝食ならスクランブルエッグかなってこれも作っておこうかなって」


「スク・・・何?」


「スクランブルエッグ~これもアレンジできて美味しいの~」


「見てても良いですか?」


「いいよ~」


簡単な卵料理はまだまだあるけど時間は今は取れないし使える間に作れる物は作っておかないとね


「卵を割って~牛乳ちょびっと粉チーズ入れたら~ハーブをちょびっと入れてお待たせしました~・・・おいでませませ、バタ子さん~熱したフライパンでレッツダンスのバタ子さん~お相手はトロトロ卵の王子(おうじ)さま~固まらないように~リラックス、リラックス、クルクル回って、はい、完成!おしゃれに赤いリボンで可愛くできたら、はい、完璧!!」


「・・・完成したのか」


いつの間にいた料理長!?足音とか気配とかないのか!?しかも突然来たくせにしっかりとフォークを持っていつでも食べれる臨戦態勢!?うなぁ~いつの間にか料理人さんもワラワラと増えてるしっ!!


「完成はしました・・・が」


「そうか」


「「うおー」」


「皆で食べる量は・・・ないんだけど・・・ってもう手遅れ!?」


あっという間に私の試食分すらも残らなかったしやっぱり量が少なすぎて食べれなかった人もいたみたいで半数以上が号泣してました。


「旨いね。卵ってこんなに美味しかったんだね」


「まだ簡単なものだし食べ方はこれだけじゃないしね」


「まだあるんだね」


「そりゃ~卵って変幻自在だしね。美味しいものもたくさんあるし卵がないと出来ないものだってたくさんあるよ」


「うわ~凄いなぁ~で?それはいつ教えてくれるの?」


「えっ?私が教えるの?今日で終わりじゃないの?」


       ーーーザワッーーー


「何?なに?ナニ?」


急に調理場に空気が下がったような感覚がして絶望したような空気が漂い重苦しい雰囲気になって何が起こったのか周囲を見渡し原因を探る。

私を見て固まる周囲の人とキョロキョロと周囲を見渡すティルの温度差が半端ない空間が出来上がっていた。


「今日しかダメなのか?」


「ふぇ?」


料理長の小さい呟きが聞き取れず間抜けな返答をした私に料理長は怖い顔で私を見下ろしながら絞り出すように声を震わせている。


「今日しか教えてもらえないのか??」


「教えるって・・・さっきの卵料理だけじゃないの?」


「だが昨日の料理やさっきの卵料理といったか?それだってまだ色々あるのだろう??」


「あるけど・・・でも私より皆さんの方が料理だって出来るんですよね?なら別に私じゃなくても・・・」


「頼む!!いやお願いします!!貴女の料理を教えてください」


急に料理長が頭を下げるとそれを見ていた他の料理人もお願いしますと頭を下げていき結局調理場全員に頭を下げられていた。


「ちょ、ちょっと待ってください!頭を上げてください!!」


「教えていただけますか??」


頭を下げたままの料理長に問われ、結局根負けして了承してしまい料理人からの大歓声が調理場に響き渡り外まで聞こえて他の従業員達が何事かと駆けつける事態となったのだった・・・・・・






「・・・いい気になって・・・邪魔な子・・・」



 料理長達に囲まれて苦笑いをしながらどうしてこうなった??と悔やんでいるティルの姿を、サウリュス達だけでなく調理場の男達にも手を出し、ちやほやされていい気になっている最低の子だ、と遠くからジッと恨みや妬みなど様々な負の感情を織り混ぜた視線にティルは気がついていなかった・・・もし気がついていたら・・・あんな事にはならなかったのだが・・・ティルは知ることになる・・・自分という存在と影響に・・・・・・











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