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殲滅の魔法少女  作者: A12i3e
2章 新しい生活
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2-2.腹が 減った

 さて、これ以上うだうだしているとまたきぃちゃんに怒られてしまうので、あきらめて外へ出ようか。

 とは言っても外へ出て何をしようか。

 レベル上げをするにはこの辺りの魔物じゃ弱すぎるし、かと言って遠出したとしても竜くらいしかレベル上げにもならないし。

 ついでに言うと、魔大陸は今のレベルじゃまだちょっと怖い。

 うーん、やっぱりレベル上げは保留かな。今そんな気分じゃないしね。

 もうちょっと効率のいい狩場があればやる気も出るんだけどなぁ。


 じゃあ、散歩でもしようか?

 でもなぁ、王都じゃ散歩なんてしても面白味がないしなぁ。

 来たばかりならともかく、今更だし。

 だからと言って、わざわざ散歩するために遠くへ行くのも面倒。……実際は転移魔法で一瞬で遠くまでいけるんだけど、気持ち的に面倒なので却下。

 それなら露店でも冷やかそうか?

 しかし、別に欲しいものがあるわけでもないし。

 目的のない買い物ってあまり好きじゃないんだよね。


 だったら、冒険者ギルドへ行こうか?

 でも、冒険者ギルドへ行ったとしても仕事をする気はないしなぁ。

 そもそも、冒険者ギルドへ登録したのは仕事をするためではなく、魔物の素材を買い取ってもらうためだ。

 まあ、最初はお金を手に入れる手段として仕事をすることも考えなくもなかったのだけれど、魔物の素材を買い取ってもらうだけで生活費がまかなえる事がわかってからは、仕事をする必要性を感じなくなった。

 レベル上げをするついでに倒した魔物の素材でお金をもらえるなんて最高じゃん?

 更に、今は使い切れないほどのお金を持っているわけで、なおさら仕事をする必要性を感じない。

 うん、やっぱり冒険者ギルドへ行ってもしょうがないよね。


 じゃあどうするか。

 やっぱりレベル上げ?

 いや、これ無限ループじゃね?

 というか私の外へ出てすることの選択肢が「レベル上げ、散歩、冒険者ギルド」の三択しかないというのが泣けてくる……。

 しかし、この三択ならやはりレベル上げしかないのか?

 でも、レベル上がらないしなぁ……。

 え?今のレベルはいくつなのかって?




 名前:ユノ・ナハブ

 種族:人族

 年齢:14

 レベル:78

 体力:43,348

 魔力:701,246

 筋力:219

 耐久:209

 精神:304

 抵抗:291

 敏捷:224

 器用:260

 幸運:33


 称号:魔法少女、異世界人、断罪者


 スキル:全武器適正、全魔法適正、精神耐性、苦痛耐性、探索術




 これが今の私のステータス。

 どうよこの私の1年間の努力の結晶。

 ここまで来るとちょっとやそっとじゃレベル上がらないんですよ。


 相変わらず魔力が異常なことになっているけど、正直言ってこんなに必要ないんだよね。

 だってさ、使ったそばからきぃちゃんの機能であっという間に回復しちゃうんだよ?

 大量の魔力を一気に消費しても数秒後には全回復しているとか。

 ハッキリ言って、魔力切れ?なにそれ美味しいの?ってな状態ですよ。

 まあ、多い分には問題ないからいいんですけどね。


 それよりも、気づいちゃいました?

 え?何がって?

 称号が一つ増えているんです。

 気に入らない貴族だの何だのを駆除していたら、いつの間にか手に入れていた『断罪者』の称号。

 いやあ、王都だからなのかどうかはわからないんですけれど、クズっていっぱいいるんですね。

 本当に、いっぱいいすぎて王城だとか貴族街だとかを綺麗サッパリ消してしまったほうが世のためなんじゃないのかと思ってしまうくらいに。

 まあ、ちゃんとした人もいるわけですし、さすがにそんなことをするわけにもいかないので、変身してプチプチと駆除していたわけですよ。身バレはしたくなかったので、ちゃんと毎回変身していました。当時はまだそれほどレベルが高くなかったので、権力者を敵に回したくなかったのです。今ならもうどうとでも出来ますけどね。

 そうしたら、市井では私の変身した姿が『仮面の断罪者』なんて呼ばれていたりするらしいです。仮面つけてますしね。

 しかも英雄扱いですよ。仮面つけた怪しい人なのに。

 どんだけ不満が溜まっていたんだと。

 後ろ暗いことのある権力者なんかは躍起になって仮面の断罪者を探しているようですが、まあ見つかるような間抜けなことはしていませんし、仮に見つかったとしてもどうすることも出来ませんし。

 だって、今の私は国の一つや二つくらいなら余裕で落とせますしね。魔大陸の魔物を相手するよりも簡単ですよ。


 それにしても、この国の貴族って馬鹿ですよね。

 躍起になって探しているということは、私は後ろ暗いことをしていますよと喧伝しているようなものなのに。

 私としてはクズがわかりやすくて大助かりなんですけどね。いや、積極的に駆除したりはしませんよ?そんなことしていたら体がいくつあっても足りません。面倒ですし。私が被害にあった時に遠慮無く駆除できるというだけの話です。


 ああ、話がそれまくりました。

 この称号なんですが、実はただステータスに表示されているというだけではなく、ちゃんと意味があったようなのです。

 断罪者という称号、断罪した人数に応じて能力値に補正、という効果があるようです。

 つまり、クズを処分すればするほど強くなるらしいです。

 まあ、普通に有用なスキルだとは思うんですけど……きぃちゃんの能力育成の補助機能がすごすぎていまいち地味に感じてしまう……。

 いや、だってさ、20人程を断罪したとしても、今の私のレベルだとレベルアップ1回分の能力値の上昇に満たないわけなのですよ。

 低レベルで能力値が低かった時ならありがたかったのかもしれませんが、レベルが高くなってくると能力値の上昇率も大きくなってくるため、ほぼ死にスキルに。まぁそれでも確実に上昇はしているので、無いよりはマシといったところでしょうか。

 ……ありがたみがなさすぎる。


 ちなみに、魔法少女の称号は、魔力、精神、抵抗の成長に補正大、という効果でした。

 やたらと精神、抵抗の能力値の上昇が大きいなと思っていたらこれのせいだったようです。魔力については言わずもがな。

 きぃちゃんが言うには、もともと私はその能力値の上昇幅が大きかったらしいのですが、称号のおかげで更に顕著になっているらしい。

 まあ、私のメインウェポンは魔法なわけなので、それに関する能力が高いのは歓迎することだよね。


 そして、異世界人の称号には、環境適応補正、という効果が。

 環境適応補正とはなんぞや?ということできぃちゃんに聞いてみたら、酸素がある程度薄くても息苦しくならなかったり、酸素がない場合は類するものがあれば代用して呼吸が出来たり、大気に汚染物質が含まれていてもある程度は中和してくれたり、等々。要するに、自分の生まれた星から別の星へと移った場合、生存するために必要な環境が元の星と違っている可能性があるわけで、そんな環境へ適応するための補助をしてくれるというらしい。

 難しいことはよくわからなかったけど、別々の星の人類が生存するための環境が全く同じとは限らないということだそうだ。

 うん、やっぱりよくわからないや。




 さて、そんなことを考えつつも外へと出たわけなのですが……結局何しよう?

 ちょっと時間が早いけど、ご飯でも食べに行こうか?

 うん、外食、まともな食事。いいかも。

 ここ3ヶ月は外へも出ずに収納魔法に詰め込んでいた食料を適当に食べるだけだったので、ちゃんとした食事を取るのは久しぶりだ。

 いいじゃないか、4つ目の選択肢が見つかったぞ。

 やっぱりまともな食事を取っていなかったから、食事という選択肢が私の頭から抜けていたのだろうか。

 これからは引きこもるとしてもちゃんと食事は取るようにしようか。

 え?引きこもるなって?さすがにそれは約束できないな。


 それにしても美味しいご飯か……。

 ああ、なんかお腹が空いてきたぞ。

 何を食べよう。

 私の腹は今何腹だ?

 久しぶりのちゃんとした食事だから奮発しちゃおう。

 お金ならたくさんあるしね。


 昼食を何にしようかと悩みつつ歩いていると、ふとおかしなことに気付く。

 どうも3人程、私から隠れるように付かず離れずついてくる気配が。

 私に何かようかな?

 でもそれなら距離をおいている意味がわからないしなぁ。

 うーん……。

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