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殲滅の魔法少女  作者: A12i3e
5章 きぃちゃん無双
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5-3.架空(存在しないとは言っていない)

 そんなわけでミーナや勇者たちと一緒に行動することとなり、紆余曲折(うよきょくせつ)あって現在にいたるというわけなのです。

 え?その紆余曲折の部分の説明はどうしたって?いや、紆余曲折と言っても、特筆すべきことは特にはなかったんですよね。まあ、()いて言うのであれば、冒険者ギルドでからまれたとか、みんなそろって訓練できぃちゃんにボコボコにされたとか、魔王城に乗り込んでいったとか、勇者たちが旅の合間に大学に通っていたとか、アニエが相変わらず可愛かったとか、お兄ちゃんたちもミーナのいた世界に行ってみたがったりしたとか、ミーナがうっかり魔法の加減を間違えて自然破壊してみたりとか、野盗だとかに襲われて返り討ちにしたとか、ゾミーが思いつきで行動して自爆したとか、(たち)の悪い貴族に目をつけられてこっそりと存在を消滅させたりとか、魔物に襲われてる人や馬車を助けたりとか、みんなでゲームで遊んだりとか、わざと誘拐されてみて人さらいの組織を壊滅させたりとか、人の住んでいない地域に行って思う存分暴れてみたりとか、ドラゴンと遭遇してビビっているミーナを一人で戦わせてみたりとか、勇者たち(主にゾミー)がレベル上げを頑張ったりとか、ミーナが急に中二病(邪気眼的なヤツ)を発症したりとか、そんな、ほんのささいな出来事ばかりなのですよ。うん?結構あるじゃないかって?いや、そう言われましても、どれもこれも日常的に起こるような出来事ばかりなので、特別なイベントだとは思えないんですよね。


 あー……ああ、そう言えばありました。特筆すべき出来事が。いたんですよ、アレが。ミーナのいた世界にいたんです、ゴブリン。そしてオークやコボルト、オーガなんていった、ファンタジーお約束の魔物たちが。こっちの世界(ミスレティア)では全く見かけなかったため、しょせんは架空の生物なのかと思っていたんですけど、まさかよその世界に生息しているとは……。しかも、多少の違いはあれど、大体がゲームや小説等で見知っている姿形なんですよ。そう言えばミスレティアには竜がいたけど、アレも私の知っている姿形とほぼ同じだったなぁ……。

 よくよく考えてみれば、これってかなり不思議な事ですよね?だって、地球では架空として扱われている生物が、実際によその世界では存在しているんですから。普通に考えて、架空の生物は架空の生物です、どこにもそんなものはいません。とか、仮に同じ名前の生物がいたのだとして、地球で広まっている姿形であるとは限りません。名前は同じだけど、別物の存在でした。なんてことになるのが自然ですよね?どうして実際に存在する生物が、地球で架空の生物として知られているのでしょうか。


 そんな疑問はきぃちゃんが解消してくれました。

 曰く、地球から異世界に転移、転生している者がいるように、異世界から地球に転移、転生している者もいるのです。とのこと。

 うん、その言葉だけで大体察しました。つまり、異世界から地球に転移、転生した人たちが、誰かに話した、もしくは本にして残した、等の理由により、現代まで伝わっているということですね。地球での架空の生物と、異世界にいる実在の生物に多少の違いがある点は若干気になるところではありますが、それはおそらく、伝聞や本を書く際に(ゆが)められて伝わってしまったのだと考えられます。

 と思いきや、きぃちゃんから補足説明が。私の考察も間違いではないけれど、他にも理由はあるのだそうな。その理由とは、同じ名前の魔物だとしても、どの世界でも同じ姿形であるとは限らないとのこと。大体は多少の違いがある程度だけど、魔物によってはかなり見た目が違う場合もあるのだそうです。地球の架空生物の中にも、様々な姿形が伝えられている者がいるのは、別々の世界から来た者たちが『この生物は本当はこういう姿なんだ』とそれぞれの思い浮かべる正しい姿を伝えたがために、様々な姿をもっていたり、伝聞が融合した姿をもっていたりという状態になったのだそうです。確かに、各々(おのおの)が「自分が正しい」と言ってそれぞれ違う姿形を伝えていたのだとしたら、様々な説があるとされるのにも納得です。


 さて、話を戻してミーナのことなのですが、今ではめでたく私の家族となりました。年齢的にはミーナの方が妹のはずなのに、どうしても私の方が妹に見えてしまうという不具合(バグ)はありますが、アニエ、ラエルちゃんに続いて三人目の妹ゲットです。しかし、三人も妹がいて、私よりも年下に見えるのがアニエ一人のみというのは悲しい事実ではありますが……。しかも、そのアニエですら『かろうじて』という言葉がつく始末。せめてものなぐさめは、アニエも急激にレベルを上げまくっているため、身長を抜かれることはまだまだ先になるであろうということか。本当は永遠に抜かれないほうがいいんだけど、いつかそのうち、抜かれそうな気がしてならないんですよね……。そんなアニエの現在のレベルは150オーバー。もともとは私と一緒に冒険をするためにレベルを上げ始めたアニエなんだけど、今ではすっかりレベル上げにハマってしまって、黙々とレベルを上げ続けています。目標だった私と一緒に冒険をすることについては、今では一緒に訓練することも多くなり、アニエと一緒にいる時間も大分増えたため、さほど気にしていないようです。まあ、私と一緒にいる時間を増やしたいがために、私と一緒に冒険をすると言っていたわけなので、ある意味目的は達成されたというわけなのかな。

 ちなみに、ミーナはレベル180を超えたらしいです。どうやらミーナの世界の人間は、こっちの世界の人間よりもちょっとだけレベルが上がりやすいようですね。まあ、地球人ほどではありませんが。とは言え、どちらもものすごい勢いで成長してますよね。さすがはきぃちゃん式の(死なない程度に)安全な(痛めつける)訓練といったところでしょうか。実はお兄ちゃんたちや勇者たちも、この訓練のおかげ(せい)でかなりのレベルになってるんですよね。かくいう私も、今やレベル500オーバー。きぃちゃんの訓練がマジでパネェのです。絶妙な難易度で(ギリギリ死なないよう)訓練をつけてくれるので、魔物を倒すよりも遥かに効率よく経験が積めてしまうという事実。そのかわり、内容は無茶苦茶ハード、という言葉では生ぬるいほどにハードではありますけれど。

 とは言え、やっぱりきぃちゃんはチートだと思う。戦闘経験もない普通の少女が、ほんの一年程度訓練をつけてもらうだけで、その世界の人類最強を遥かに超えたステータスを手に入れられてしまうというのは、本当にチートとしか言いようがないよね。まあ、それをきぃちゃんに言うと絶対に怒られるから口には出さないけどさ。

 ……え?口に出さなくても伝わってる?あ、いや、これは言葉の綾と言うかなんというかですね。……あ、はい、お説教ですかそうですか。…………(やっぱりチートだよ)

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