表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
UDNMO!   作者: 桜川 京華
7/44

アプリノ中身

 “人間が嫌い”という訳じゃないけど……たまに人を信用出来なくなるというか……つい、疑ってしまう時かある。



 いくら仲が良い“親友”でも……ね──



 しかし、祓賢稔夜はらさかじんやは何故“人間が大嫌い”なのだろうか……?


 何か嫌いになる、出来事でもあったのだろうか……?



 翌日の放課後も、僕は一人で下校した。


 嗣良ひでまさは、用事があるとかで先に帰ってしまった。


 そして僕が、学校を出て帰り道を歩いていたら……


 「やぁ、奇遇だね~颯斗はやとくん♪」


 あの、神出鬼没の探偵屋・祓賢稔夜──


 「稔夜さん……こんにちは」


 「あっれ~?どうしたの?そんな顔して」


 神出鬼没らしく、いきなり現れて偶然を装うから、ビックリしたんです、とは言えない。


 「いや、あの~……」


 「何、何だい?颯斗くん」


 「僕のこと……待ち伏せしてませんでした……?」


 すると、祓賢稔夜は僕の予想とは全く違う反応を見せた。


 「ぇえ!?俺、そんなことしてないよぉ!颯斗くん、酷いよぉ!!」


 「……!?」


 ぇえ!?稔夜さんって、そんなキャラだったの!?


 「あっははは!」


 僕の驚きを隠せなかった顔を見て、祓賢稔夜は爆笑した。


 「いやいやいや、俺そんなタイプじゃないから(笑)」


 「あ、はい……(笑)」


 一瞬でも、祓賢稔夜をそんなキャラだと思ってしまったのは内緒だ。


 「ああ、颯斗くん……」


 「はい…?」


 そして、祓賢稔夜は僕の思っていることを見透かしたようにこう言った。



 「俺がキミを待ち伏せしていて、偶然を装いながらキミの前に現れた、とでも言いたげだね?」



 ……図星だ。


 といっても、普通は人間皆、そう怪しむだろう。


 「はい……そう思ってました…」


 「俺は、キミに用があるんだ」


 「僕に、ですか?」


 「ああ、そうさ」



 そして、これこそ自分の耳を疑う予想外の発言が起きた。



 「颯斗くん、キミ。俺が作ったアプリのお試し版に登録か何かした?」



 キミのことなら、なんでも知っているよ。とでも言うような顔で、僕の反応を楽しんでいる。



 「な、なんで……稔夜さんが、そんなこと……」



 「だって、俺の作ったアプリだもん。知らない、分からない方が可笑しいデショ?」


 これは、マズい……


 嘘は言えないし、誤魔化しも出来ない……



 「………」


 「やっぱりね」


 「すみません……」


 「いや?謝られることしてないよ?」


 「いや……でも、興味本位とは言え、お試し版でも登録したのはちょっと……」


 「ああ、お試し版は良いの、良いの♪」


 「……へ?」


 「あれは、俺の暇つぶし専用だから♪」


 僕は今まで緊張していた力が、一気に抜けてしまった。


 「なんだ……ビックリした……」


 お試し版は、祓賢稔夜の暇つぶしの為に作られたらしく、いろんな人の情報を仕入れるのに便利なのだとか。


 「颯斗くんも、気軽にメッセ送ってね~♪」


 「あ、はい……」


 僕が今まで、悩んで緊張していた時間と体力、返せ!──



 「ああ……やな空気だな~」


 「?」







評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ