祓賢稔夜
僕は、とある田舎の中学を卒業して都心にある青嵐学園に入学した。
同じ県内に住んでいるのに、都会から少し離れただけで、こうも景色や人が違うものかと、ただ、ただ驚くだけだった。
“祓賢 稔夜”──
あの男は、一体何者なんだ……?
“もうすぐしたら、キミの日常は……非日常になるよ”──
「僕の日常が……“非日常”になる……?」
僕は、祓賢稔夜との出会いを思い出した。
先に声を掛けて来たのは、祓賢 稔夜だ。
しかし、僕を知っているが敢えて知らないフリをしているかのようだった。
嗣良から聞いた話だと……
祓賢稔夜は、要注意人物。
祓賢稔夜は、神出鬼没でどこに居るのか分からない。
そして、祓賢稔夜と関わったら、出会ったらが“最後”──
聞くからにして、実際に見るからして……
危険人物……
祓賢稔夜のことを調べようと、スマホやらパソコンやらで調べた。
祓賢稔夜は、奇しくも“探偵”らしい。
通りで、怪しげな印象だと思った訳だ。
“探偵”って、一体どんなことをやっているんだろう……?
ん?
僕は、見つけてしまった。
“探偵”である、祓賢稔夜と会話が出来るアプリを──
「あ、インスト出来た!」
興味本位で、僕はそのアプリをインストールした。
まさに、これが“非日常”への入り口だったのかも知れない。