冷汗三斗
五月が、今日で終わる。
日常という名の休日を過ごしていた僕に、《非日常》への招待状が届いた。
そう……祓賢稔夜からだ。
【今日の深夜23時に、《狂変乙女》が来るかも知れない】
そして僕はまた、危険と知りながらも《非日常》の世界へと、歩いて行く──
深夜23時──
祓賢稔夜が言っていた待ち合わせ場所へ着いたが、既に祓賢稔夜が待って居た。
「あ、すみません。もっと早く行けば良かったですね…」
「え、別にそんなことないよ(笑)蓮たんも居るから、大丈夫だって♪」
「平穏田さんも居るんですか?」
「非常勤でも?一応は教師だし?何かあった時の為の警備みたいなもんだよ(笑)」
「大丈夫…ですかね、平穏田さん…」
「ん?なんで?」
「いや、だって……下手したら教師……」
「あ、塾の講師もしてるからね~、馬鹿に見えてそこそこ出来るんだよ、蓮たんは」
「そうなんですか……」
そうこうしているうちに、狂変乙女が現れそうな場所に到着した。
「さぁて、出て来るかなぁ~♪」
祓賢稔夜は、楽しみだとでも言うような表情で、狂変乙女の登場を、今か今かと待っている。
何故、物陰から隠れて居るのだろうか……?
次の瞬間、僕は自分の目を疑った──




