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狂変乙女
この街には、シンディ・アフィルヴィンのように《噂の伝説人間》が“もう一人”、居る。
《狂変乙女》だ。
《狂変乙女》の詳しい情報は、流石の探偵屋の俺でも知らない。
存在自体は知っては居るが、未だにお目にかかったことが無い。
聞くからにして“非日常”に相応しい人物だよね~。
俺も早く会ってみたいなぁ…♪
だって、《狂変乙女》だよ?
名前を聞いただけで、ゾクゾクするよ。
探偵屋のこの俺が知らないことがあるなんてね…
ま、知らなくて当然さ。
この世の中には、ありとあらゆる情報で溢れかえっている。
まだまだだなぁ、俺も。
でも確か、《狂変乙女》って深夜にしか現れないらしい。
なんでも、漆黒の黒暗が好きなんだとか。
もしかしたら、知らないうちに《狂変乙女》とすれ違っていたりして♪
噂でしか聞いたことが無いから、実物を見たことが無いんだよ。
さて、出会えることを願ながら《狂変乙女》について調べるとしよう。
“日常”から《非日常》になった瞬間、
キミは一体、“何を想ウ?”──




