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日常少年
春──
青嵐学園高等学校の入学式。
僕は紺色のブレザーに袖を通し、ネクタイを締めて
入学式の準備をしている。
今日から僕は、高校生だ!
新しく始まる学校生活に、期待と不安が入り混じり、胸の鼓動が高鳴る。
僕の名前は、善遇神 颯斗
目立つことが苦手な大人しい性格。
人見知りもするから、友達が出来るか不安……
ああ……緊張しちゃうよ。
「よっ!颯斗、おはよ~!!」
と、勢い良く走って来て僕の背中を軽く叩いたのは、幼稚園からの親友・公家 嗣良。
進路で、迷っていた時に嗣良に声を掛けられて
僕は高校を決めた。
「ビックリしたじゃん、嗣良~!」
「あはは!ごめん、颯斗!」
一緒のクラスになれると良いな~とか、どんな学校生活なのかな~とか……
他愛のないことを話ながら、学校に着いた。
まさかこの後、僕に思いもよらない出来事が起ころうとは、
とある人物に出会うまで、知る由も無かった──