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消エナイ記憶
俺は、“人間が大嫌いだ”──
なんでって……
人間ほど、簡単に裏切る生き物なんて居ないだろう……?
俺は身内にも、友人にも……
いろんな人間に“裏切られた”──
だから、もう人は信じないし、信じたくもない。
もう、かれこれ5年程、孤独で生きている。
でも、別にちっとも寂しくない。
慣れって怖いよね~。
あっという間に5年も経ってしまった。
でも、“裏切られた傷”は一生消えないし、無くならない。
“消エナイ傷”に“消エナイ記憶”──
俺は、あの日の記憶を忘れない──
というか、忘れたくても忘れられない。
アイツに裏切られた記憶も、コイツに裏切られた記憶も。
そして、鮮明に覚えているよ……母さん。
“あなたの最期”を──
俺はあなたに裏切られたことを一生忘れない。
ああ。
俺は、あの日から生まれ変わったのさ。
もう、誰も頼らないし信用もしない。
自分自身だけを信じ、孤独を愛す……
そう決めたんだ、俺は。
あの頃の、あの日の俺は“もうイナイ”──