表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
UDNMO!   作者: 桜川 京華
16/44

両親トノ約束



 平穏田蓮利。俺にも、いろんな過去があった。



 俺は中学からずっと喧嘩ばっかしてた。


 稔夜に止められる時もあったが、ふっかけて来るのはいつも稔夜や相手からで。



 何故、俺が今でも稔夜とつるむのか……



 それは……稔夜の両親との“約束”だからだ──




 稔夜の両親が事件に遭う前に一度だけ、稔夜の居ない時に稔夜の両親に呼ばれたことがある。



 「喧嘩すんなよ」とか「仲良くしてあげて」なら、適当に聞き流そうとしたが、違った。



 稔夜は寂しがり屋で、素直じゃない所もある。


 酷いことを言って傷付けてしまう場合がある。


 でもそれは、構って欲しいから。


 甘えたいからなんだという。



 他にも色々と、稔夜のことについて色々聞かされた。


 その時は、なんでそんな話を俺にするのかサッパリ分からなかった。


 俺の知ったこっちゃねぇとまで思ったが、稔夜の両親の表情や言い方が真剣だった。



 稔夜と俺は家族ぐるみの付き合いをよくしていたから、何だか1つの大きな家族みたいになんでも話せる間柄だった。



 そして、稔夜の居ない時に呼ばれたのに違和感があった。



 「どうして俺がそんなこと……」



 「頼む、頼れるのは蓮利くんしか居ないんだ」



 どうか、稔夜を……と土下座までされた俺は、稔夜の両親の約束を受け入れた。



 その後に事件が起きた。



 そして、稔夜アイツは少し壊れた。



 次に母親が自殺した時に、完全に壊れた。



 “人間が大嫌いだ”──


 そう言い放って、アイツは俺に



 「今日からキミは俺の敵だ、俺は誰も信じない。どいつもこいつもみんな、簡単に裏切りやがって!!俺は孤独を愛するとするよ。人を信じて愛した所で、相手がどう思うかなんて分からないもんねぇ?」


 と、嫌みたらしく言って去って行った。



 あんなに人懐っこくて、優しくて人柄も良いアイツが、あんな風に変わってしまうなんて……



 分からなくもないが、そこまでして人間が大嫌いなのか──



 アイツの言葉には、心が無いように思えた……



 どんなに稔夜が俺を嫌おうと、俺だけはアイツを信じてやらないといけない。



 稔夜の両親と約束したんだ……


 稔夜には、この話は言わないように口止めされてるから、言わないけど……



 戻ってくれよ、あの頃のお前に──









評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ