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UDNMO!   作者: 桜川 京華
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祓賢稔夜ノ過去



 祓賢稔夜が何故、“人間嫌い”なのか──


 平穏田蓮利は“祓賢稔夜の過去”をゆっくり語り始めた。



 祓賢稔夜と平穏田蓮利は小さい頃からの幼馴染みでよく一緒に遊んだり、ふざけ合ったりして過ごしていた。



 祓賢稔夜の家族は何処にでも居る、ごく普通の一般家庭だった。



 祓賢稔夜と平穏田蓮利の母親同士の仲が良く、家族ぐるみの付き合いもあった。



 そんな、平凡で日常生活が一変して


 “非日常”になったのは、祓賢が中学3年の頃。




 祓賢稔夜の父親が、何者かに殺された。



 幸せだった“日常”が、一瞬にして“非日常”化とした──



 祓賢や母親は悲しみに暮れ、昔のような明るさは消えて、犯人への憎しみと悔しさと悲しさの毎日を過ごしていた。



 犯人は未だに見つかっていないらしい。



 そして、再び悲劇が襲い掛かったのは



 祓賢稔夜が高校2年の頃──





 祓賢の母親が……自殺した。


 部屋には、遺書があった。




 そして、祓賢稔夜は父親がしていた探偵事務所を引き継ぎ、始めた──



 多分、父親が殺されたのは何者かの恨みだったのではないかと思う。


 祓賢の父親の職業は「探偵」だったから、狙われやすかったんだろう。


 祓賢は父親の背中を見て、憧れて“探偵屋”を受け継ぐ意志を決めた。



 母親の死は、遺書によれば


 「大好きなお父さんのところに私も行きたい…」



 本当に、本当にごめんなさい。と何度も書かれてあったらしい。



 祓賢稔夜が人間嫌いになったのは、母親が亡くなってからだ。



 “身内に裏切られた”──



 父を失い、母も失い、祓賢稔夜は孤独になった。



 「それからだ。俺らに対しても冷たい態度を取るようになったのは……」



 「そうだったんですか……」



 僕は、平穏田蓮利から祓賢稔夜の過去を聞き、何も言えなくなってしまった。


 祓賢稔夜は、それでも今を生きているんだと思うと、心が苦しくなった。









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