平穏田蓮利ニ
僕は思い切って今日、平穏田蓮利さんに聞く。
祓賢蓮利が何故、“人間嫌い”になったのか──
気になって気になって、仕方がない。
僕は学校が終わると、蓮利さんが働いているBarへ向かった。
あ、そっか。
この時間帯はお店、まだ開いてないんだっけ……?
どうしようかと考えていると……
「善遇……」
「あ、平穏田さん!良かった~」
僕は平穏田さんに声を掛けられて、ホッとした。
でも、平穏田さん……
僕の名前、覚えてるのかな……?
「平穏田さん」
「あ?なんだ」
僕は、平穏田さんに僕の名前を覚えているか尋ねてみた。
「えと…その、あれだろ?ああ~……」
と、平穏田さんは悩んでいる。
案の定、善遇までは覚えているが善遇神までは覚えていないらしい。
「善遇神です、善遇神颯斗」
「おお!そうだ!それそれ!颯斗だ、颯斗」
平穏田さんに僕の名前を覚えてもらったところで、僕は本題に入る。
「平穏田さん、今日来たのは他でも無いんです」
「……あれか」
僕の顔を見て、悟った平穏田さんは静かに口を開いた。
「アイツは……」
僕はその事実を知り、愕然とした。