罰族詩
私には、唯一の“心の支え”がある──
それは……
父の竹刀や日本刀に母の風呂敷を結ぶと出てくる
“罰族詩”──
これは、私が小さい頃に出会った不思議な力。
両親や祖父母たちにも内緒にしている。
誰にも言ったことのない、私だけが知っている“秘密”──
この力が存在している限り、私は寂しくない。
両親や祖父母のことを強く想う程に、私は“罰族詩”で、寂しくないように心を落ち着かせている。
そして、もう一つは悪と戦う為──
と言っても、用心棒にというか……
あの事件が起きる前からもしもの為にと、父が私に稽古をつけてくれた。
しかし、あの事件は父と母は無防備で何も持っていなかったから、泥棒に反撃することも、抵抗することも出来なかった、無力だったのだ──
私はすごく、すごく悔しかった──
犯人を恨み、憎しみ続けて更に稽古に稽古を重ねて、何が起きても大丈夫な様に部屋に居る時は、傍にはいつも竹刀と日本刀と母の風呂敷を常備している。
お父さん、お母さん……私は強くなる。
お父さんとお母さんの敵は必ずや、この手で……
そう、いつも思いながら、今日も私は眠りにつく──