アプリ祓賢
僕は家に帰り、再びパソコンとスマホで情報収集を始めた。
祓賢稔夜のアプリを開き、早速メッセージを送った。
〖稔夜さん、早速メッセを送らせていただきました!あの…平穏田さんとは、どんな関係なのか聞いても良いですか…?〗
すると、暫くして祓賢稔夜から返信が来た。
【やぁ、颯斗くん。メッセありがとう。蓮たんのことかい?蓮たんとは……小さい頃からの幼馴染みで、《腐れ縁》なんだ。】
“幼馴染み”で“腐れ縁”──
〖普段から、ああやって喧嘩してるんですか?〗
【ああ、何時ものことさ。】
〖昔から、仲悪かったんですか?〗
返信が、来ない。
何か気に障ったことを言ってしまったのだろうか。
それとも、急用な仕事が入ったのだろうか。
ようやく、祓賢稔夜から返信が来たのは深夜を過ぎた辺りだった。
【“昔”は仲良かったのかも知れないねぇ……】
〖一体、過去に何があったんですか……?〗
【無いよ、何も無い。】
〖え……?〗
【ただ、お互いに嫌いになっただけ。】
何も無いのに、急に敵対するほど嫌いになる筈が無い……
〖そう…ですか。〗
【ああ、そうさ。】
夜も遅いから寝るということで祓賢稔夜との会話は終わった。
僕は色々と考えていた。
《祓賢稔夜》と《平穏田蓮利》との関係……
2人は小さい頃からの幼馴染みで、腐れ縁……
だが、祓賢稔夜が“人間嫌い”になった理由が分からない。
そして、祓賢稔夜自身も明かそうとしない。
何故なのだろう。
知られたくない過去があるのだろうか……
あるとしたら、それは一体──




