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似て非なる海人くんたちの話4(まだまだいくぜよ)

今回はショッピング!!何と映画の撮影や違う世界の世界の歌姫(仮)が登場!

 「海美ちゃんやっと来た!!」

可愛らしい水色のリボン、赤い髪のツインテール。額縁眼鏡から翡翠のような深緑の瞳がこちらを見ている。流行の服を着てほんのり化粧をして、今時の中学生ライフを楽しんでいた。それに比べて海美はゴシック系で揃えてある。似合ってはいるのだが、どこか浮いていた。

「アナタも来てたのね…?」

海美が見つめているのは赤髪の少女の腕に抱かれた謎の白い生物だった。耳と前髪のように生えている毛と尻尾が黒く、ガーネットのような色のつぶらな瞳。非現実の存在。

『ミソラが来てほしいって頼んできたからさ。』

脳に直接くる声が答える。

「アミって人間になれるんだよ!」

ミソラが笑顔で言う。海美はその笑顔に弱いのだ。彼女にも勿論アミの声が聞こえる。

『魔法少女にするためにこの姿のわけだし、もとの姿が良いとかミソラは変わってるよ』

生意気な言動だが何一つ感情がない。

「ミソラをいじめないでくれる?」

『ウミはどうしてそんなにミソラを守るんだい?』

「大切だからよ」

ハッキリと答えた。

「アミの服を買おうと思って…」

ミソラが本題を言う。

「アミの人間の姿ねぇ…」

海美は何となく彼の姿に予想がついていた。あの邸の訪問者に似ているのだろう。自分が海人たちと同じ生物であるのだから。黒い髪に赤い目の彼女と同じ姿になると 思っている。ミソラはアミに変身を急かすように言い、仕方なくアミは人間態になる。変身方法は各自にお任せしておく。

「これでいいかい?」

脳に直接こない彼の声。人間態はやはり想像した通りの姿だった。自分より背が高いのと服の趣味がにているのが少しムカついた。

「海美ちゃんの服と似てる!!ほら、一緒にショッピングモール行こう!」

ミソラは二人の手を取り軽やかな足取りで、近くにあるショッピングモールへ向かった。 ショッピングモールに美少女二人を連れて両手に花状態のアミを見て悲しくなる人が出てくるのは普通だろう。アミは久しぶりに人間態になったのに知らない人にジロジロ見られて彼はイライラしていた。

「はぁ…」

何回目の溜め息だろうか。彼らは現在、服屋にいる。自分の容姿など気にしていないうえに興味もないところに連れていかれたということでかなりキツいようだ。最初は興味なかった海美もミソラとはしゃぎながらアミの服を選んでいるところを見ると、まだまだ未熟な少女なんだと思った。

「これとこれは?」

「あの服もいいね!」キャッキャッと二人。彼女たちの本当の正体は魔法少女である。世界を救うため命と引き換えに変身して戦っているのだ。仲間があと3人いる。しかしアミが意味わからないのは海美である。彼女は会ったときにはすでに魔法少女になっており、戦いにも慣れていた。アミが来るまでこの街には魔法少女が存在しないはずだ。しかし彼女がいた。そして全てを見透したように自分の邪魔をしてくるのだ。

「一体何者なんだ…」

誰にもわからないようにアミは呟いた。

「こんなのどうかな?」

いつの間にか横に来ていたミソラが話しかける。これまた…ゴシック要素の強い服装だ。

「別に良いんじゃない?」

良いとか悪いとかはわからないので適当に返事を返す。すると彼女は自分の手を引いて試着室へ急いだ。

「ちょっと着てみてよ!」

奇抜すぎて余計に目立ちそうな服を着せて何が楽しいのだろうか。そう思いながら彼は試着室で黙々と着替えた。

「これでいい?」

アミが試着室から出たとき海美も増えていた。

「格好いい…」

二人が感嘆の声をあげたのは普通のことだ。アミは端整な顔立ちをしていた。美少年という言葉がしっくりくる。加工した黒曜石のような黒い髪を俗に尻尾と呼ばれるように一つにまとめていて、動物の時と同じガーネットのような瞳。雪のように白い肌。人間のものではないミステリアスな雰囲気が服と彼を引き合わせてより一層彼の魅力を引き立てていた。

「このまま買っちゃお!」

ミソラが店員に話しかける。よくそんな金が出せるなと思ったが、彼女は有名の中の有名な貿易商の娘。ここの服屋ぐらいなら簡単に買えてしまうだろう。買い物が済んだらしく、店員がアミの着ていた服を袋に入れ、着ている服のタグをとってくれた。

「……」

彼の魅力もあり、かなり他の人間が自分に注目しているのがわかって彼はまたいい気分ではなかった。

「~~♪」

中央の広場で何をしているのだろうか。美しい歌声が聴こえてきた。3人が見に行くと、ピアノを弾いている男だった。世界の歌姫と上に書いてある。出てくるのかと思いきや、彼が歌い始めた。美しいソプラノが響く。老若男女関係無く魅了される声だ。マーメイド…いや、セイレーンの歌声とはこういう事なんだと思うほど甘い歌声。そんな彼の姿はミソラに似ていた。赤い髪は長くストレートに伸ばしてあり、翡翠のような深緑の目をしていた。歌が終わり彼が立ち上がる。背が平均より高い。見た目も素敵な人だった。男性だとわかるのは服装だ。白のTシャツに、黒のジャケット、スラリと長い足にあう黒のパンツというシンプルな服装だ。こちらを向いてお辞儀をする。三秒後海美にとって聞き覚えのある声が聞こえる。

「はい、OKです!」

振り向くと神とオリジナルがいた。映画の撮影だろうか。

「茨!!良かったよ!」

オリジナルは赤い髪の彼の元へ行く。茨というのが彼の名前らしい。

「アナタたち何をしているの?」

海美が神に言った。

「勿論撮影さ。君はあれかな?三人で買い物?良いね!」

ミソラが海美に彼のことを訊く。海美は知り合いとだけ言っておいた。

「ここであったのも何かの縁だし、クレープでも食べない?」

茨が笑顔で言う。まるで聖女を思わせる。きっと彼はオリジナルの世界に住む……。

「おいしい」

アミが初めて感情を出したように思えた。

「だろ?ここのは本当に美味しいんだよね」

気さくに話しかけてくる茨。人が良いのだろう。彼の両脇に神とオリジナルが座っている。オリジナルは身長が二人より低く、子供のような性格のせいか彼と同じ年齢とは思えなかった。目の前にはミソラを真ん中にして座っている海美とアミ。アミの感情がこもった顔など見たことがなく、二人ともそっちに集中してしまった。

「ほら、クリームついてるよ」

アミの口元にチョコレートクリームがついていた。茨はなにも気にすることなくそれを指でとって舐める。自然すぎてなんとも思わなかった。

「こんど双子にも食べさせてあげよっと」

神が言った。オリジナルも対抗したのか

亜妄あみだ薔薇しょうびも連れてくるか」

と言った。

「薔薇はよく来ると思うよ?」

茨の弟のことだ。彼の家族について話すのはまたのことにしよう。

「そういえば、今日は聖女さんが邸に来ていたよ?あと王子」

「死体求めて来ちゃったか…メールと白雪が怒ってるに十票」

「俺もー」

談笑している三人。

「じゃあ海人は今日邸に行くの?」

茨が口を開く。

「いや、行かない」

オリジナルは真面目に返した。彼は茨の作るご飯を食べるのが好き。味は貴族である彼も絶品する味なのだ。有名なコックが作るより、愛があって好きだった。

「海美はウチに泊まりに来ない?」

ミソラが言う。何なら二人でお泊まり会をしないかという誘いだ。

「ミソラが良いなら…」

海美にとって初めてのことだった。

これにて海美の話が終わりである。

彼女はちゃんとお茶菓子を買っていた。

家のと、友達の家のだ。

やはり逃げ出した哀音が何処へ行ったのかはわからない。

他の海人は何をしていたのだろうか。

次回は誰の話だろうか。

長い!!長い!!魔法少女らしいことしてない!!次は誰が出てくるかなぁ…これ書くの楽しい!!

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