表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【怪盗ドレッドノートの秘宝と天にとどく魔法の姫】  作者: 蒼空 秋


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

41/63

不幸になる部屋の秘密

「不幸になる部屋の七不思議の正体はこれだ」


 俺は青白い宝石を手にとり、レイナたちに見せた。


「これはトルル石といってね、魔法の効果を有する魔法石の一種だ」


「どんな効果がある魔法石なの? ノートン君」


「トルル石は若い女性が嫌がる振動をだすもので、女人禁制の神殿等で使われてきたものだ。おそらく女子生徒がこの部屋に近づかないように、設置したものだろう」


「わたしたちの気分が悪くなってるのは、この石が原因ってこと?」


「実際、俺は何も感じないしな」


「じゃあノートン君、不幸になる部屋の正体って言うのは……」


「それは気分が悪くなることから派生した噂にすぎないんだろう」


「な~んだ、びっくりした」


「お化けじゃなかった」


 レイナとカレンは安心したのか、ホッと息をついている。


「ところでカレン、記憶を失う前の君はここまで来たと思うか?」


「う~ん、どうだろ……魔法石の効果はかなり嫌だから、帰ったかもしれないけど、せっかく忍び込んだなら無理して入ったかもしれないし……」


「ふむ。では道具箱の中身も確認していくか」


 俺は道具箱を開け、次々とその中身を確認していく。


「む? これは珍しい魔法具だ」


 道具箱から一つの手鏡を取り出すと、俺は目を細めた。


「それは何なの? ノートン君」


「これは〝フェイクミラー〟といって、写したものとそっくりのフェイク品を作ることができる魔法具だ」


「え~、便利だね。ところでノートン君、フェイク品って、贋作やコピーとどう違うの?」


「アイテム商達は偽物のことを総じて贋作と呼ぶが、形を似せただけで、能力はコピーできないものをフェイクとよんでいる」


 食品だったら食べられないし、魔法具だったら使えない。人間だったら人形がそうだ。対してより上位の、形だけでなく能力も似せたものをコピーとして区別していた。


「ふ~ん、フェイクはあくまで形だけってことね」


「この鏡は呪いがかかっていないようだが、鏡の魔法具は厄介な呪いがついていることが多い。そのため、ここに保管されているのだろう」


「じゃあこれが〝不幸になる鏡〟の正体だね」


「おそらく、学生が不用意に写らないようにここに安置されていたんだろう。残る女子生徒の幽霊の噂も根拠がありそうだ。探してみよう」


 俺は倉庫の中の探索を続行する。道具箱の群れの奥には、布がかけられた大型の荷物が安置されていた。俺はその布を取り、中身を確認した。


「……やはりあったか。これが〝夜中に徘徊する髪の長い女子生徒の幽霊〟の正体だ」


 布の下には長い黒髪に東洋の衣装を着た、十歳くらいの女の子を模した人形があった。


「ノートン君、これは、東洋の人形?」


「ああ、人間の女性の髪の毛で作ったとされる人形だ。髪だけなく体も服も、人間の髪を染めたものを編み込んで作っている。人形の顔をよく見てみるといい」


 レイナは人形の顔をのぞき込み、


「きゃあ、目が動いた!」


 悲鳴と共に、腰を抜かしていた。


「こいつも魔法具の一種で、目だけでなく、体も動く。もちろん歩くことも可能だ」


「だったら先にそう言ってよ、ひど~い!」


「やはり生徒たちの髪が入っているな」


 俺は人形の中を覗き込む。中には女性のものと思われる髪の毛の束が入っていた。


「ノートン君、どういうこと?」


「この人形は人間の髪を集める機能がある。おそらく夜中に校舎中の髪を集め、回収しているのだろう」


「お掃除魔法具ってことか。これもお化けじゃなくてよかった」


 レイナはホッとした顔をしている。


「じゃあこの子が〝夜中に徘徊する髪の長い女子生徒の幽霊〟の噂の正体ということだね、ノートン君」


「問題は、なぜコレが人目を避ける部屋に安置されていたかだ。別に隠す必要はないはずだ」


「それはそうだね、どうして隠してたんだろう?」


「それは奥の部屋を調べればわかるかもしれない」


 教室のさらに奥にある部屋。地図上では、教室の備品を保管するための部屋で、この教室からしか侵入することができない。


 俺は部屋のドアノブに手をかけた。


 直後、耳を刺すようなけたたましい音が学園中に鳴り響いた。


「これは、エレガンスベル! 学舎内に品性に欠ける者が侵入した時に鳴るベルだよ」


 血相をかえたカレンが叫ぶ。つまりは、学園の警報装置か。


「わたしたちの侵入のせいかな?」


「いや、鳴っているのは新校舎の方だ。向こうで何かあったようだ。行ってみよう」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ