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はじまり

※この作品は執筆途中です。

途中で非公開にしたり、更新が遅くなったりする場合があります。

あらかじめご了承ください。

 あーあ、眠いなぁ...


 5月に入って、もうゴールデンウィークかぁ。

 早いものだ。


 彼はそう思いながら、交差点で信号待ちをしていた。


 時刻は朝5時前。

 通勤にはまだ早い時間とあって、人気(ひとけ)はあまりなかった。


 眠い。眠すぎる。

 昨日は興奮であまり眠れなかった...

 それに加えていつもより早起きで。

 くっそ、こんなに眠いなら、もう少し早く、友人とのL〇NEを終わらせていれば...

 まあ仕方あるまい。

 なんてったって、数年ぶりだからな。


 どのみち、友人の家まで1時間半。

 少しは眠れるだろう。


 信号が変わり、彼は歩き出す。


 重いまぶたをこすりながら、交差点を渡ろうとして...





 彼は、迫りくるトラックに気づかない。





「んにゃぴ?」



 バゴォン!!



 は...え?


 なんだ?何が起きた!?


 俺、浮いてる...?


 あっ、これ地面にぶつk


 オブフォアッッ!!

 変な声が出た。


 うおっ、痛いっ!!


 とにかく全身が痛いっ!!


 今までに経験したことのない痛みだ...!


 いやいや、冷静になってる場合じゃねえ!


 痛い!!痛い超えて熱い!!


 痛い...痛い?


 あれ、そんなに痛くない...?


 いや、そんなはずないんだよなぁ、

 だって、宙に浮いて、

 コンクリに叩きつけられてるんだよ?


 なんだったんだ?

 一体どうなってる?

 自分の状態を確認しようとして。


 あら?


 ん?あれ?首が動かない...動かせない...!?


 手も動かせない...!

 足も動かせない...!!


 あ、もしかして、ヤバい...?


 なんにも動かせないよ、俺。


 えー...

 とりあえず、重症っぽいな。


 でもどうしよう。

 動かせないから、助けも呼べないし...


 そう色々考えていると、かすかに足音が聞こえてきた。

 誰かが駆け寄ってきているのだろうか?


 あれ、だんだん聞こえなくなってきた...


 ん?誰だ、この女性...

 知らない女性が、顔を覗き込むようにして...


 え?なんて?聞こえないよ。


 口パク...じゃないようだ。


 だって、今にも泣きそうな顔しているもの。

 というか、少し泣いている。


 あ、本格的にヤバそう。


 えー、答えようにも何も聞こえないし、


 口も動かせないんだよなぁ。


 手足も感覚がなくなってきたし。


 ...あー、もうだめだ...




 ...




 ...どのくらいたっただろうか。

 彼は目を覚ます。

 ここはどこだ?

 なんかこう、ふわふわした感触だ。

 それに、痛みはない。

 手足は動かせるし、体調はいたって普通だ。


 あれれ?おかしいぞ??


「おや、目を覚ましましたか」


 その声に振り向くと、神々(こうごう)しいなにかが立っていた。

 女性っぽい?とにかく神々しい。うん。


「えっ、誰ですか!?」


「見ればわかるでしょう、女神(めがみ)ですよ」


 あっ、自分で言っちゃうんだ...


「えっ、女神!?」


「はい。」


「えっ!?まじで!?すっげぇ!」


「だからそう言ってるじゃないですか、しつこい人ですね」


「あっ、すんません」


 彼は苦笑で受け流した。




「ここはどこなんですか?」


「ここはセカイのハザマ...簡単に言えば、生と〇の境目みたいな場所です。」


「ええっ、なんで俺がそんなところに...」


「覚えてらっしゃらないんですか?あなたは駅に向かう途中、トラックに()かれて...」


 そういえば...

 新学期になり、高校も順調で。

 久しぶりに中学時代の友人に会う約束をして...

 友人が住んでいるところからは、かなり離れているから、電車を使うことにして。

 駅前の交差点を渡ろうとして...


 そこから記憶がないな。


 あー、つまり...


「...〇んじゃった、と。」


「はい。そのとおりです。」


 うっわあ、まぁじかよぉ。

 え、信号青だったよね?

 青になったのを確認して渡ったよね?

 眠かったけど、覚えてるよ?

 え、青だったよ?うん。

 そんなね、誰も見ていないだろう...とか言って信号無視するような(やから)ではないですから!


「えぇー、〇んじゃったかぁ」


「はい。それで、もう1つお伝えしたいことが...」


 おっ、なんだ?

 まさか、夢の転s


「あなたは転生に失敗しました」



 へ?



「えっ?」


「いや、だから転生に失敗したんですよ」


「えっ!?失敗したんですか!?」


「はい。だからそう言ってるでしょう?」


「いやいや、わかってます!失敗したのはわかりました!...え、失敗したんですよね!?」


「はい。失敗です。」


「いやいやいや、この状況なら転生するべきでしょ!?」


「はぁ...仕方ないですね」


 まったく、しつこい人ですね、とつぶやきが聞こえた気がするが、スルーする。


「いいでしょう。私の慈悲(じひ)であなたにもう一度、転生するチャンスをあげましょう」


 うおおお、超展開キタコレ!?


「え、そんな簡単にできるんですか...?」


「え、まあ、はい...一応慈悲で...」


「え、本当ですか!?」


「なんですか?文句あるならやめますけど」


「いえいえいえ、文句なんて微塵(みじん)も!!」


「はぁ...これだから前世では、"再確認妖怪(レビューモンスター)"なんてあだ名が付くんですよ?」


 ムッ、余計なお世話である。

 なんなら、ちょっとかっこよくて(ほこ)に思うくらいである。



 このあだ名を誇りに思ってしまったことによって、周りから少しウザがられているのを、彼は気づかないのであった。




「それじゃあ、そろそろいきますけど...」


「あ、本当にできるんですか?」


「...あなたねぇ...」


「...あ、すんません」


 苦笑する彼とは裏腹に、女神は少し疲れた表情でため息をついた。


「...では、いきます」


「はいっ」


 女神はなにやら呪文?のようなものを唱え始めた。

 内容は、彼にはとても理解できなかったが。


 すると、徐々に彼の体が輝き始める。


「うおっ!?なんだ!?」


 女神はまだ呪文を唱えている。


 と、そのとき。


「んなああああああああっっっ!!!」


 女神が叫んだ。


「うわっ、まぶしっ...」


 体が発光し、力が入らなくなる。


 やがて視界が真っ白になって...

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