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沈黙の将軍と返り花  作者: 青嵐
第二章
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幕間 まどろみ ―ミオside―

「はぁぁ……終わったあ……」


薬草園の奥、ひときわ背の高いスフィアの花の下。

ミオはふらりと腰を下ろすと、地面に仰向けに寝転がった。

視界には、薄紫の可憐な花々が青空の下、風に揺れている。


──研究発表会は、何とかこなせた。

人生で初めての経験

あまりの人の多さに、緊張で言葉が何回も詰まってしまったけど…

研究内容に関しては、高く評価してもらえた。

連日の睡眠不足も 少しは報われた、と思う。


「……あ~、寝ちゃ駄目よ…寝たら……」


(これから報告書もまとめなきゃいけないのに…)

緊張から解き放たれた反動で、頭がボーっとする。

まぶたがふさがって、身体から力が抜けて──


どの位たっただろうか

木陰に現れた大きな影が、ミオの側で足を止めた。


ライは少し眉をひそめ、

倒れているのかと、足早に駆け寄る。

その拍子に、――


「…カルネリの葉が……足りない……」

「……キピナの花で……ためしましょ……ムニャ……」

ライは一瞬、目を見開いた後、小さく吹き出した。


「……寝言でも、実験か……」


苦笑まじりに、呟いた


風が吹く――自分達を避けるように、薄紫の花びらが絨毯のように静かに広がる


「……たまには、悪くない…」


ぽつりとそう呟いて、

ライはミオの柔らかな寝顔を静かに見つめた。


しばらくして──


ミオはまどろみの中、耳元でささやく あの低い声を聞いた気がした。


「――起きろ。身体が冷える――」


目を開けたミオの視界に、薄紫がぼんやりとにじむ。

ゆっくりと起き上がると、右手が何かを握っている。


「……ハッカ飴……?」


ぽつんと手のひらに残された飴玉を見つめて、

ミオは小さく微笑んだ。


薄紫の花びらが、ふわりと、また風に舞っていた

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