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まさかの前世覚えてます

王道とは、お決まりのパターンと言われることがよくある。

昔からある、ライバルが仲間になったり、一番うるさい奴が最初に殺されたり・・・。

最近では、転生したらチートだったり、逆に能力が無かったり、聖女だったり、はたまた悪役令嬢だったり

その設定は多種多様になってる。


でも、流石にこれは王道過ぎるのでは?




チュンチュン


「もう、お兄ちゃん起きてよー!」



眩しい


被っていた布団を剥がされ、カーテンからは太陽の光。

眩しさにしょぼしょぼしながらも、目を開けてみれば

そこにはセーラー服を着た可愛い少女。


なにこれ、、、シスコンなら嬉しい設定の一つじゃん。



俺は速見奏真(はやみそうま)

今日から魔法の名門ルトワード学園に通う、普通の男子高校生。ではあるが、少しだけ変わっている。

それは、毎度お馴染み、俺には前世の記憶があるということ。

前世の世界では漫画やアニメ、映画などが大人気で、俺も少女漫画や少年漫画、BLに百合、エッチなムフフな作品から二次創作までありとあらゆる物を楽しんできた。

だが、それは所詮創造の話であって、リアルはそんなに甘く無い。

俺は前世で、普通に仕事をし、結婚をし、子供が産まれ、自分なりに幸せな人生を謳歌して、人生に別れを告げた。

漫画のようにアイドルと付き合ったり、デスゲームが始まったり、宇宙人の襲来も無かった。

もう少し刺激が欲しかったかも?と心の片隅で思ったとしても、基本的に不満も無く満足していたのに……


それなのに…それなのに!!


なんで、今回は赤ん坊の時から前世の記憶があるんだよ!!!





俺が温かい微睡から目が覚めた時は、一瞬なにがなんだかわからなかった。

目が開いた先には、綺麗な黒髪の絶世の美女と、ちょっと無精髭を生やした優しそうな男が居た。

美女と野獣と言うほどでは無いけど、少し違和感のある組み合わせだったが、それよりも2人が俺を見つめてることの方が気になった。


(こんな知り合い、居たか?)


とりあえず声を掛けてみようと、口を開くと


「あぁー」


!!!!!


どっからか赤ん坊の声が!?


目の前の2人は嬉しそうに目を見開きらきながら、そっとコッチに手を差し伸べてきて、触った先は…


俺の手、小さ過ぎるやないかーい!!


いやいや、待て待て

ということは、さっきの声も、まさか…



そのあとは大泣きをして、2人になだめられたのは俺にとって黒歴史だ。

だが、前世の記憶は持っていたものの、特に神様や女神からの天啓なんかも無ければ、チート能力に目覚めることも無かった。


この世界は魔法という概念があるから、普通に魔法自体は使えるが、別に特別すごい能力があるわけじゃ無い。

属性もよくある四属性「火」「水」「風」「土」の

「水」と「風」を使えるだけ。

2種類くらいは、少し才能があれば誰でも使える。

前世で言えば、ピアノが弾けてクラスでもてはやされるレベル。

3種類で生徒会や委員長レベル。4種類で特待生で高校入学できるレベルだ。

ただ、この四属性以外の特殊属性は1つ使えるだけで、プロ野球選手、オリンピック出場、コンクール優勝レベル。

だが、俺にはそんな才能も無いし、別段無くても困らない。

前世の記憶はあっても、これから平々凡々に今世も生きていくと思ってたんだが、人生は甘く無いようだ。



まず、俺の母親はすでに40歳近くだと言うのに、20代に見える、いわゆる美魔女。

正確は優しくて温厚で、怒ったところを見たことがない。いかにも、キレたら一番怖いタイプ。

しかも良いところのお嬢様だったらしいが、父親と出会って一目惚れし、駆け落ちして家を飛び出たという、少女漫画もびっくりな王道設定だ。

母方の祖父母には会ったことないが、まだ健在なので、王道ならいつかは仲直りするのだろう。


そして父親は、古の(いにしえ)魔法を調査する、魔法調査団の一員。

母親同様に温厚タイプだが、魔法に目がなく、ロマンを追い求めてしまう馬鹿な男だ。

3年ほど前に長期探索で出掛けたっきり、帰ってこず、たまに手紙や土産が届くという、少年漫画にありがちな父親設定だろう。

どうせ、いつかのほほんと帰ってくるだろうが、その時は王道らしくぶん殴ってやろうと思ってる。


最後に、今俺の目の前に居るのが


俺の妹・速見花音(はやみかのん)

2歳年下の中学2年生。茶髪のツインテールにリボン。

可愛いセーラー服。なによりも誰が見ても美少女。

性格はだらしない兄の面倒を見てくれる、真面目なしっかり者タイプ。


まさに理想の妹像にある1つ。


しかも、ビックリなのが花音は俺と血が繋がっていない。

花音の本当の両親が、俺の父親と同僚だったのだが魔法調査中にあった事故に巻き込まれ亡くなってしまった。

しかも、その事故も、もしかしたら何者かによって起こされた可能性があるとして、安全のためにも俺の家に養子にした。

もちろん、赤ん坊だった花音は知らないし、まだ幼かった俺も知らないはずだった。

ただ、悲しいことに前世の記憶がある俺は見た目が幼くても、中身は定年退職もとっくに迎えた大人だ。

花音の本当の両親が遊びに来た記憶も、花音が俺の妹になった時の記憶も全部残ってるし、俺の両親が話し合ってた時もコッソリ盗み聞きしてる。


もちろん、本当の妹で無いとはしても、俺にとって花音は大事な家族だし、何かあったら絶対に守ってやりたい。


しかし、可愛い妹が実は血が繋がってない。は

またまた王道設定過ぎて怖く無いか?






初めての投稿作品です。

温かい目で見守ってください

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