神とのお話 1
どうもはじめまして百合丸です。
何かをしたいと思い小説を書くことにしましあ
……あれ?
気づけば、俺は真っ白な空間にいた。
上下も前後もわからない。ただただ、どこまでも白い。しかも、やけに静かで、不気味なほど落ち着いている。何もない空間。俺は何か夢でも見ているのだろうか?
「……ここはどこだ?」
誰にともなくつぶやいたその瞬間、突然、声が響いた。
「ほっほっほっ。こんなところで何をしておるんじゃ、お主?」
!? 誰だ!?
慌てて振り返ると、そこには――
どう見ても時代劇に出てきそうな仙人みたいな老人が、ちゃっかり立っていた。
さっきまで絶対に誰もいなかったのに!? どこから湧いてきたんだコイツ!
「ふむ……それにしても、この魂……どこかで見覚えがあるのぅ」
俺の存在を無視して、老人は勝手に納得したように頷いている。
なんなんだこの展開。え、俺死んだ? これ、もしかして――
「ふぉっふぉっふぉ。まあまあ、落ち着くがよい、人の子よ。ここは魂の終着点じゃ。簡単に言うと、あの世みたいなものじゃよ。そして儂は、それを管理しておる……お主の世界で言えば、神様のようなものかの」
神様、来ちゃったよ。
いや、もっとちゃんとした威厳ある見た目で出てきてくれよ。仙人かよ。
てか、「神様のようなもの」って自己紹介、めちゃくちゃ曖昧なんだけど。
「本来なら、お主はここに長居することなく、輪廻の流れに沿ってすぐ転生するはずなんじゃがのう……」
……ほう。
では、なぜ俺は転生していないのか?
「ふむ、それについては……まあ、茶でも飲みながら説明するかの」
神様(仮)が指をひと振りすると、突如として和風の畳とちゃぶ台が現れた。
さらにそのちゃぶ台の上には、急須と湯呑、そして湯気立つ緑茶。
「どうぞどうぞ、遠慮せずにの」
そう言いながら、おっさん神様は音を立ててお茶をすすり始めた。
いやいやいや、状況が飲み込めないってのに、のんきだなこの神様!
(ていうか俺、今ちゃんと声に出して喋ってたか?)
「おお、気づいとらんかったか。お主、今は“魂の状態”じゃぞ? そして儂は神じゃ。人の思考くらい読むわい」
まじか……。心の声すら、まるっとバレてんのか。神、恐るべし。
それはともかく、言われた通りお茶でも飲もうと、手を伸ば――
(あれ、手が……ない……?)
「ああ、すまんすまん。ほれ、これでよかろう」
神様がまた指を振ると、身体の感覚が一気に戻ってきた。
……けど、なんかスースーする。やたらと風通しがいい。いや、これ、まさか――
「……おい神様。服も一緒にくれないか?」
「わがままじゃのう。ほれ、これでええじゃろ」
そう言って出されたのは、明らかに浴衣っぽい何か。裸よりはマシだが、違うそうじゃない感がすごい。
「やれやれ、最近の若い者は……。まあええわ。お主のことを説明するためにあの神を呼んでおる。少し待っとれ」
すると、そのときだった。空間の端から、女性の声がした。
「ふふっ……こんなところにいたのね、貴女」
横を向くと、そこには――
白くふわふわした髪、柔らかい微笑み、まるで彫刻のように整った顔立ちの美女が立っていた。
そのスタイルは完全に欧米系。例えるなら、ボンッ・キュッ・ボンッを具現化したような存在だった。
「……あなたは、誰ですか? 俺がここにいる理由を知ってるなら教えてください。それに、貴女って……俺、男なんですけど?」
「ふふ、失礼。あなたは男の子だったわね。私の名はブリュンヒルデ。北欧神話でいうところの戦女神よ。そして、あなたがここにいる理由も、ちゃんと知っているわ」
え……ブリュンヒルデ!? あの!? 超有名なワルキューレの長姉じゃん!
「まず言っておくけど、あなたの魂は普通の人間のものじゃないの」
「……え?」
何その爆弾発言。俺、人間じゃなかったの? ちょっとショックなんだけど。
「言い方が悪かったわね。“混ざってる”の。他の魂と、本来ならありえない形で――」
ブリュンヒルデは軽くため息をつくと、誰かに呼びかけるように言った。
「スルーズ、出てきなさい。隠れててもバレバレよ」
すると、俺の体の中から何かがスッ……と抜けるような感覚があった。次の瞬間、ブリュンヒルデの隣に、一人の少女が現れた。
「……あら、お姉様にはバレちゃいましたか。どうも初めまして、宿主さん。ワタシはスルーズ。約25年ほど、あなたの中で眠ってました」
スルーズは、ブリュンヒルデを少し幼くしたような容姿の少女だった。無邪気な笑顔で話す彼女は、どこか“人間離れ”している雰囲気をまとっている。
「……なんで君が俺の中に?」
「それについては、私から説明するわ」
俺の疑問に、またもや思考を読むようにスルーズが答えた。
「私たちはワルキューレ。死んだ英雄の魂を神々のもとへ運ぶ、いわば死神みたいなものなの」
なるほどね。それならこの神々しいビジュアルにも納得……って、おい。
「……でも、ワルキューレって、死んだ勇者の魂を連れて行くだけでしょ? なぜ俺の中にいたんだよ?」
「うーん、それは単純。あなたが英雄だから、よ」
自分で書くことで文章を作品を作る難しさを知る事ができますね。
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