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150話:消えた歌声(?視点)
〜♪
少女は歌っていた。
どうして歌っているのかわからないままに歌っていた。
歩いた道は変わらず草木が枯れ、襲いかかってきた獣は少女のそばで眠っていた。
その光景はあまりにも異様で、でもどこか美しかった。
少女は歌い続ける。
当てもなく、足が止まるまで歩き続けながら。
その時、少女の足元が紫色に光った。
流石の少女もその瞬間は足を止め、足元に展開された魔法陣を黙って見つめていた。
じっと見つめ、でも口元はわずかに右岸でおり、どこか喜びを抱いているようだった。
しばらくすれば少女はその場から消え、魔法陣も同時に消えていた。
森の中に響いていた疑いは消え、再び魔獣たちの声間森の中に響き渡っていた。