表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
136/486

136話:甲板の上で愛を囁く

後ろから強く強く抱きしめられた。

というよりも、いきなりすぎてすっごくドキドキした。

こんな強引に抱きしめられたのは初めてだし。


「レーフ」

「え、な、なに!?」


あぁやめてください。耳元で名前呼ばないでください。

絶賛今パニック状態なんだから。

と、とにかく落ち着こう。頑張っていつも通りに戻らないと!


「愛してる」


震えることで紡がれた愛の言葉。

まるで自分の中の不安を打ち消すように、また強く抱きしめ、そして自身の感情を確認するかのように、何度も何度も彼は愛の言葉を口にした。


「ハーヴェ」


優しく名を呼び、抱きしめる手に自身の手を重ねる。

そんなに不安に感じないで欲しい。私は大丈夫だから。


「私も愛してる」

「……ごめん」

「どうして謝るの?何か悪いことした?」


その後、ハーヴェは何も言わなかった。

体の体制を変え、向かい合うようになり、私から彼を抱きしめた。

ずるずると二人で崩れ落ち、まるで彼が私に甘えているように抱きしめた。

子供をあやすように何度も背中を摩ってあげ、彼が落ち着くまでそのままにしていた。

なんだかどっと疲れた。

さっきまで全然眠くなかったのに。急に眠気が私に襲いかかってきた。

こんなところで寝ちゃいけないとわかっているけど、今この眠気を無くしたら、もう今日は眠れないと思った。

だから私は、そのまま抗うことなく、ゆっくりと瞼を閉じた。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ