表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
129/486

129話: 作戦会議2

参加すると手を挙げたのは、アンジュだった。

彼女には事前に、前世のことも踏まえて事情を説明をしていた。恐らく、自分も参加するべきだとそう思ったのだろう。もちろんイヤイヤとか仕方ないとかではなく、彼女の目には決意のようなものを感じていた。


「アンジュ!ダメだ、あまりにも危険すぎる」


やっぱり、キリクは反対するよね。

私も、きっと止めていただろう。自分も関係するから。だから仕方なく。本当は嫌だけど。そう思うならやらなくてもいいと。だけど、彼女は何かを決意した顔をしている。


「いえ、そういうわけにはいきません。これは私にも関係することなんです」

「……確かに、君も彼が作った魔道具に反応したと言われていましたが、それだけの理由であれば、別に参加しなくても!」

「キリク様。私、キリク様に話さないといけないことがあるんです」


あぁそうか。アンジュは、もちろん自分が関わってるからという気持ちもあるが、同時に、この問題を解決したら前世のことを話すと、そう決意したのだろう。

すごいな。私は、初めて前世を思い出したから今まで、話すタイミングなんて何度もあったのに、いまだに誰にも話せずにいるのに。


「これは、私にとって大事なことなんです!」

「しかし」

「キリク。それ以上アンジュを止めようとすると嫌われるよ」

「トレーフル様!」

「安心して。絶対にアンジュを危険に晒さない。こんかことをお願いしてるんだから、その分参加してくれる人を全力で守るつもりでいるよ」

「……はぁ……日に日にアンジュが、トレーフル様に似てきて心臓が持ちませんね」


失礼な。まるで私が悪いみたいじゃないか。とはいえ、キリクはアンジュの参加を認めてくれた。これで後二人、一人は勇者ということで男性陣の誰かに参加してほしんだけど……


「なら、勇者役は僕が引き受けるよ」


次の参加者、意外にもハーヴェだった。

確かに、ハーヴェの見た目は毛先が青色ではあるが黒髪だし、目の色は私の魔法を使えば変えればいけると思う。剣の腕もあるから、勇者役にはうってつけだ。


「勇者と聖女が一緒にいる間は僕がアンジュを守れるし、離れている間はレーフが彼女を守れるだろう」

「いいの?」

「もちろんだよ。でも、当然だけど何かあれば僕は君を優先する。これは絶対に譲れないよ」

「……わかった。そうならないように気をつけるよ」


これで3人。さて、最後の一人はどうしようか。

シルビア?いや、流石に危険すぎる。キリクも辺境伯家の息子とはいえ、彼は体より頭を使う方だからダメだ。となると……


「なら、残りは俺だな」


ですよね。ルヴィーになるよね。

剣の腕はもちろん、魔法の腕もある。陛下の代役として、東の国の王様と交渉もできるかもしれない。でも、次期国王になるルヴィーを連れて行っていいものか……


「何悩んでるんだよ。どうせ、次期国王である俺を連れて行くべきじゃないと思ってるんだろ」

「え、なんでわかった」

「そんぐらいわかるっての。何年一緒にいると思ってんだ」


わしゃわしゃと髪をもみくちゃにした後、片手で両頬を潰され、顔を上げさせられた。

やめろ、なんて顔をさせてるんだ。


「お前は俺に主従契約を求めるほど忠誠を誓っているんだろ?なら、俺が行くって言ってんだから、お前はそれに対して首を縦に振ればいいんだよ」


なんて大暴な。と思うけど、まさかそんな昔の話を持ち出されるとは思わなかった。

というか、今目の前に広がる姿がイベントスチルすぎてムカつく!くっ!どう足掻いてもやっぱり主人公かこの野郎!


「わかった。ありがとうルヴィー」

「おう。どういたしまして」


とりあえず、出発メンバーは決まった。

しかし、ここからがまず難関。陛下がこの作戦に同意してくれるかだ。

ルヴィーが手紙で陛下に伝えてくれるそうだけど、どうなることやら。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ