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12話:幼いキャラ達1

最初に言よう。やはり予想は的中した。


「素敵なお庭ですね。あ、シルビア嬢と名前で呼んでもよろしいですか?僕のことも、名前で読んでいただいて大丈夫なので」

「は、はい!ハ、ハーヴェンク様……」


将来婚約予定のルヴィーとシルビアの顔合わせのお茶会。シルビアはもちろん、ルヴィーにも今回私が同席することと、その理由を提示してお茶会を《3人》で行うと伝えている。しかし、今ここにいるのは《4人》だ。


「なぜお前もここにいるのだ!」


耐えきれず、ルヴィーがテーブルを叩いてハーヴェを指差す。

気持ちはわかるが、一応は王子なのだからもう少し冷静になって欲しい。後、シルビアがびっくりしてるからやめて。


「……ルヴィーの言う通り。ハーヴェを誘った覚えはないのだけど」

「勝手に来たのは申し訳ない。でも、僕だけ除け者というのは寂しいじゃないか」

「今回のこのお茶会は、シルビアとルヴィーの顔合わせ」

「その席にどうして君が?」

「シルビアとは先日お茶会をして仲良くなったの。ルヴィーとの顔合わせは緊張するし、その……シルビアの噂もあって、ルヴィーも彼女を警戒しているから」


あぁ1から10説明するのめんどくさい。というか、絶対分かってるよねこの子!さっきからニコニコ笑いながら私に質問してるし!もうこの時から腹黒なのか!私はそんな子に設定した覚えはないよ!


「あぁもういいよ。来ちゃったものはしょうがないし。それに、ハーヴェも知ってたほうが都合がいい」

「まぁこれはどうでもいいが、レーフよ。それでシルビア嬢の誤解は解けるという認識であっているな」


ルヴィーがシルビアに視線を向ければ、彼女は体をびくりと反応させて俯いた。

ルヴィーさんや。彼女は繊細な生き物。そう睨まんでくださいよ。


「えぇ。それじゃあ説明するね」


私は、二人に彼女が精霊を見ることができること。精霊師であることを話した。

私はともかく、将来を背負う王族、貴族とはいえ幼い子供だ。なるべく難しい言葉、考え方にならないように説明をした。


「つまり、話し相手も、笑みを浮かべた相手も精霊ということか」

「そういうこと」

「すごいねシルビア嬢。精霊なんて、おとぎ話の登場人物かと思っていたよ」

「いえ、そんな……」

「……シルビア・ガーデンハルク」


名前を呼ばれ、シルビアは体を大きく跳ね上げながら、返事をした。

あたふたとしているが、彼女を見つめるルヴィーは真剣で、数秒間見つめた後に頭を下げた。


「何も知らず、噂を信じてお前をよく思っていなかった。申し訳ない」

「か、顔をあげてください!!仕方ないことです……私が、普通ではないことはその通りですし」

「いや、レーフも言っていたが、それは特別なものだ。胸を張っていい!」


あぁ嬉しい。あのルヴィーが随分成長した……このままキャラ通りの俺様にならずに、優しいいい子になって欲しい限りだ……。


「シルビア嬢……いや、シルビア。俺はお前のことを誤解していた。まだ慣れぬとは思うが、仲良くしてもらえるとありがたい」

「そんな、勿体無いお言葉です!じ、実は私も殿下を怖い方だと思っていたので」

「大丈夫シルビア。その認識は間違っていない」

「お前は私とシルビアを仲良くさせたいのではないのか!」


何はともあれ、ここから二人が仲良くなってくれるのを期待しよう。まぁ今の問題としては向かい側に座っている将来的に婚約予定の男が、のけ者にされて随分ご立腹のようで……笑ってるのに後ろに黒いものが!


「ハ、ハーヴェもシルビアと仲良くしてね」

「そうだね。シルビア嬢が殿下と婚約すれば、将来的に王妃になる。つまり、僕が守らないといけない相手だからね」


変わらない笑み。だけど黒いものは出ていない。よかったぁ……

とりあえず、このお茶会の本来の目的。シルビアとルヴィーの中を深めよう大作戦を進めよう。


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