第77話:爵位?
皇帝に連れられ、謁見の間にやって来ると、見知らぬ女性と少女が立っていた。
皇帝「おお、お前達無事だったんだな。」
女性「あなた、ご無事でなによりです。」
少女「お父様!」
全員「!?」
皇帝「私の妻のデリアと娘のミリスだ。」
デリア女王「夫を救っていただきありがとうございます。」
ミリス皇女「お父様をありがとうございます。」
皇帝「キースはどうした?」
デリア女王「わかりませんわ、私はミリスと部屋に閉じ込められていたので…。」
皇帝「そうか…。」
聖矢「キースさんとは?」
皇帝「息子だ。この国の第1皇子だ。」
聖矢「どこかに囚われているのでしょうか?」
皇帝「わからんだ、あり得るかもしれん…。」
ミリス皇女「お兄様…。」
ナターシャ「大臣に白状してもらえば?」
皇帝「大臣を連れてまいれ!」
兵士「はい!」
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
数分後、兵士が縄を引き、大臣を連れて来る。
大臣「…。」
皇帝「キース皇子はどこに隠した?」
大臣「…。」
皇帝「早く答えよ!」
大臣「…。」
デリア女王「息子をどこにやったのです?」
大臣「…。」
皇帝「ムチを持ってこい!」
聖矢「陛下、ミリス皇女の前でそれは…。」
皇帝「う、うむ、すまぬ、やり過ぎる所だった…。」
聖矢は、胸を撫で下ろす。
皇帝「牢屋で白状させるのだ!」
兵士「はい!」
兵士は再び大臣を連れて行った。
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
皇帝「聖矢さん、お礼がしたい、何か欲しい物はあるか?」
聖矢「特に欲しい物はありませんが、スノーム王国への渡航を自由にさせていただきたいです。」
皇帝「うむ、それぐらいなら許可しよう。」
デリア女王「他にはありませんか?」
聖矢「いえ…。」
ミリス皇女「他の方達はどうですか?」
ナターシャ「私達は、聖矢から沢山いただいているので。」
聖矢「ガイアス王国では、領主をしているので、これ以上は…。」
皇帝「では、爵位だけでも…?」
聖矢「えっ!?」
デリア女王「そうね、爵位があれば、他国への移動も楽になるわね。」
ナターシャ「別々の国で爵位を持っても良いのですか?」
皇帝「本来なら駄目だろうか。」
聖矢「では、爵位を頂くわけには…。」
皇帝「特別に我が許す。」
ミリス皇女「受け取っていただけませんか?」
ミリス皇女が聖矢の手を取る。
皇帝「ガイアス王には、我から手紙を出しておく。」
聖矢「では、ガイアス王の返事次第で…。」
皇帝「わかった。」
デリア女王「聖矢さん達は、スノーム王国へ、何をされに行くのですか?」
聖矢「スノーム王国では、星の塔に行くつもりです。」
皇帝「スノーム王国は、エルフを差別しておるから、フィオナさんは…。」
聖矢「はい、なので『変化の指輪』を持っているので一応安心しています。」
皇帝「そうか、だが、効果は短かったはずだ、気を付けるのだぞ。」
聖矢「はい。」
ミリス皇女「暫くは、この国に居られるのですか?」
聖矢「領主の仕事もあるので、ガイアス王国へ行ったりもしますが、冬が終わる頃までは居ますかね。」
ミリス皇女「では、お城に居ますよね?」
聖矢「いえ、ロンダの村に滞在しようかと考えてますが…。」
ミリス皇女「そ、そうですか…。」
ミリス皇女は、少し肩を落とす。
聖矢「え、えっと…。」
ナターシャ「皇子が見つかるまで城で良いんじゃない?」
皇帝「ガイアス王の返事が来てからでもな。」
聖矢「わ、わかりました。」
ミリス皇女「では、冒険のお話を聞かせてください。」
ミリス皇女は、シルフィーの手を取る。
シルフィー「私ですか?」
ミリス皇女「女同士ですから、沢山お話が聞きたいですわ。」
ミリス皇女は、シルフィーを連れて行った。
皇帝「娘がすまない。」
聖矢「いえ、気を紛らわせるには。」
皇帝「では、部屋を用意させよう。」
デリア女王「シルフィーさんは、後で案内しますね。」
聖矢「ありがとうございます。」
聖矢達は、兵士に連れられ、部屋に案内された。
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
1週間が過ぎた頃、皇帝に呼ばれ、聖矢は謁見の間に来ていた。
皇帝「聖矢さん、お願いがあるのだが。」
聖矢「はい、何でしょう?」
皇帝「ガイアス城へ、転移で連れてってもらえんか?」
聖矢「ええ、連れて行くのは構いませんよ。」
皇帝「ガイアス王と話したくてな。」
聖矢「爵位の事ですか?」
皇帝「それもある。」
デリア女王「私がガイアスに行ってみたいとお願いしたのです。」
聖矢「女王陛下がですか?」
デリア女王「街を見てみたいのです。」
聖矢「城下に出るのですか!?」
デリア女王「駄目ですか?」
聖矢「皇帝陛下は良いのですか?」
皇帝「聖矢さんが護衛なら大丈夫かと。」
聖矢「皆と話してきます。」
皇帝「わかった。」
聖矢は部屋へ戻って行った。
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
兵士と部屋に戻ると、シルフィーが戻っていた。
聖矢「皆、話があるんだけど。」
ナターシャ「どうしたの?」
シルフィー「聖矢さん、どうしたんですか?」
聖矢「皇帝と女王から、ガイアス王国へ行きたいとお願いされたんだけど。」
ナターシャ「さっき話してた爵位の事?」
聖矢「皇帝はそうみたい。」
シルフィー「女王様は?」
聖矢「城下を見たいらしい。」
ナターシャ「それ、危険じゃない!」
シンシア「陛下は何と?」
聖矢「僕達が護衛なら大丈夫だろうって。」
ナターシャ「王女様も来るんでしょ?」
聖矢「たぶん…。」
ナターシャ「聖矢はどうしたいの?」
聖矢「ガイアス王国を見てもらいたい気持ちはあるんだけど、不安はあるかな。」
シンシア「私は、聖矢さんにお任せします。」
ナターシャ「聖矢が良いなら、力を貸すよ。」
聖矢「わかった。」
聖矢は、部屋を出て、謁見の間に向かった。
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
聖矢が謁見の間に来ると、ミリス皇女も待っていた。
皇帝「話はまとまったかな?」
聖矢「はい、不安はありますが、護衛を引き受けさせてもらいます。」
デリア女王「まあ良かったわ。」
ミリス皇女「私も良いのですか?」
聖矢「ええ、2つに分かれての護衛になりますが、力を尽くします。」
皇帝「よろしく頼む。」
こうして、マナード皇帝、デリア女王、ミリス皇女の護衛をする事になった。
***************
今回の報酬
特になし。
***************
∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴
名前:光野聖矢
Lv:48
(経験値:1126745 )
体力:3220
攻撃:450
防御:400
魔力:420
速度:390
幸運:350
―――――――――――――――
体攻防魔速運
◯✕○✕✕○✕
火水風光闇補回
○○◯○✕✕✕
特殊
調剤・検査・召喚・変身
∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵
/\/\/パーティー\/\/\
聖矢:lv.48
シルフィー:lv.48
ナターシャlv.50
フィオナ:lv.48
シンシア:lv.50
カロン:lv.45
スーラ:lv.48
ゴス王女:lv.45
コス王子:lv.43
マリア:lv.40
\/\/\/\_/\/\/\/
読んでいただきありがとうございます。
皇帝から、マナードでの爵位の話は、ガイアス王との話でとなった。
デリア女王とミリス皇女のお出かけはいかに。
感想や評価を頂けると幸いです。