第75話:ヌレギヌと閉店
監獄からロンダの村へ転移した聖矢達。
皇帝「ここが、あのロンダの村なのか…?」
聖矢「はい、廃村だったのを、避難して来た者達で作り直しました。」
皇帝「まさか、こんな復興をしているとわ。」
聖矢「村の中に入りましょう。」
皇帝「うむ。」
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村の中に入ると、ライムとメリラが出迎えに来ていた。
メリラ「聖矢さん、戻ってきたんじゃな。」
聖矢「はい、皇帝陛下を救出して来ました。」
ライム「皇帝陛下、お久しぶりでございます。」
皇帝「お主は、ライムか久しいな。」
ライム「はい、陛下もご無事でなによりです。」
皇帝「お主も、帝都を追い出されたのか?」
ライム「私は、自らの意思で避難しました。」
皇帝「我が居ない間に、大変な事になっていると聞いておる。」
ライム「はい、大臣が鍛冶師を追い出したりとやりたい放題のようで。」
皇帝「大臣のやつめ。」
ナターシャ「早く復帰してもらった方が良いんじゃないの?」
聖矢「突然陛下が現れたら混乱しますよね?」
ライム「するじゃろうな。」
皇帝「その場で極刑もあり得るな。」
シルフィー「極刑ですか!?」
ライム「皇帝が本人かどうかより、大臣に不利になる者を生かしてはいかんじゃろうし。」
ナターシャ「ハイドで侵入すれば?」
皇帝「それは無理じゃな。」
聖矢「どうしてですか?」
皇帝「それは、虫の魔物を放っておるからのお。」
聖矢「それは確かに。」
ナターシャ「じゃあ、どうするの?」
聖矢「どうしようか…。」
皇帝「大臣を引きずり出せばな。」
ライム「それは難しいでしょう。」
皇帝「そうじゃな。」
メリラ「ここじゃ良い案も浮かばんじゃろう。」
ライム「そうじゃな、家の中に入ろう。」
皇帝「すまんが入らせてもらうぞ。」
メイド「わ、私も良いのですか?」
聖矢「監獄に居た経緯も聞きたいから、遠慮せずにどうぞ。」
メイド「ありがとうございます。」
全員、家の中に入って行った。
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ライム「これからの対策は後にして、陛下は何故監獄に?」
皇帝「私の部屋に族が入って来て、眠らされたのじゃ。」
ライム「起きたら監獄じゃったと。」
皇帝「その通りじゃ。」
聖矢「メイドさんは、どうして?」
メイド「私は、ザネルの町で暮らしていたのですが、突然皇帝暗殺の疑いで捕まったのです。」
聖矢「陛下との接点は?」
ヘレン「私は、花屋をしていて、城には花の植え替えで来たりはしてますが、一度もお会いした事はありません。」
皇帝「我も監獄で会うのが初めてじゃ。」
ライム「ヘレンさんは、犯人にしたて上げられたんじゃな。」
ヘレン「私、町に帰れるんでしょうか?」
ライム「今は無理じゃろうな。」
皇帝「我の事で巻き込んで済まない。」
皇帝がヘレンに頭を下げる。
ヘレン「こ、皇帝陛下、頭を上げてください!!」
皇帝「いや、我はヘレンどのにキツく怒鳴った事もあった、謝らせてくれ!」
ヘレン「いえ、お互い監獄を出られたのです、気にしないので頭を上げてください!」
皇帝「大臣のヤツめ、民衆にまで迷惑を掛けおって。」
聖矢「ヘレンさん、ご家族は?」
ヘレン「私は、ガイアス王国からの移民なので、家族はガイアスに。」
ナターシャ「家族の元になら、直ぐに送れるじゃない!」
皇帝「どう言う事じゃ?」
聖矢「私達も、ガイアス王国から来たので。」
皇帝「そう言えば、そんな事を言っておったの。」
ナターシャ「しかも、子爵でグラスの町の領主だもの。」
皇帝「そうか、改めて礼を言うぞ。」
皇帝は、聖矢達にも頭を下げる。
聖矢「皇帝陛下、僕達はお告げに従っただけなのです、お礼される程の事はしてません。」
皇帝「お告げとはいえ、助けられたのじゃ。」
聖矢は焦るしかなかった。
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話を中断し、食事を取った皆。
皇帝「外の人達に、我が無事な事を伝えたいのだが。」
ライム「良いと思います。」
メリラ「驚きそうじゃがな。」
シルフィー「聖矢さん、太陽の塔で手に入れた杖持ってますよね?」
聖矢「錫杖だね。」
皇帝「錫杖?」
聖矢「はい、以前太陽の塔に登った時に、マナード皇帝の錫杖を手に入れたんです。」
聖矢は、マナード皇帝の錫杖を皇帝に渡した。
皇帝「うむ、確かにマナードの紋章が刻まれておるから本物だろうが、無くした覚えはないな。」
聖矢「先代に無くされたとか。」
皇帝「あり得ぬ話では無いが、太陽の塔に登った者が居るかは。」
聖矢「錫杖は、陛下にお返しします。」
皇帝「うむ、確かに受け取った。」
ライム「では、陛下と私で周ってくるよ。」
聖矢「はい。」
ライムと皇帝は外に出て行った。
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聖矢「ヘレンさんは、ザネルの町へ戻りますか、故郷に帰りますか?」
ヘレン「ザネルの町を見に行く事はできますか?」
メリラ「長居はできんが、見てきて良いと思うぞ。」
聖矢「どうしますか?」
ヘレン「見に行きたいです!」
メリラ「聖矢さんとシルフィーさんとフィオナさんで行っておいで。」
聖矢「わかりました。」
メリラ「ナターシャさんとシンシアさんは、私と来てくれんかのぉ?」
2人「はい。」
聖矢「じゃあ、行こうか?」
ヘレン「はい!」
4人は外に出て行った。
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外に出ると、ライムと皇帝が帰ってきたところだった。
皇帝「お出掛けが?」
聖矢「はい、ザネルの町へ。」
ライム「帰ってきたら、話の続きをしよう。」
聖矢「はい。」
ライムと皇帝は入って行った。
聖矢「シルフィー、よろしく。」
シルフィーは頷く。
シルフィー「転移、ザネルの町!」
4人は転移した。
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太陽の塔に転移してきた聖矢達。
聖矢「ヘレンの見たい所はどこ?」
ヘレン「店はこの近くですよ。」
ヘレンの後ろを3人は付いて行く。
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ヘレンは、太陽の塔の入口で。
ヘレン「店はあれです。」
ヘレン太陽の塔入口の向かいの建物を指差す。
聖矢「とても近かった…。」
お店は暫く開けていないのか、窓が曇って花が枯れていた。
ヘレン「せっかくキレイに育っていたのに…。」
ヘレンは花を摘み取っていく。
聖矢「中を片付けますか?」
ヘレン「はい、お店を閉じます。」
聖矢が扉の鍵を外すと、ヘレンが中に入って行く。
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店の中は、捕まった当時のままなのか、ホコリが溜まっていた。
ヘレン「奥の袋を取ってきます。」
聖矢は、ガラスのホコリを拭き取っていく。
シルフィー「お店を大事にされていたんですね。」
聖矢「何か出来ると良いんだけど…。」
フィオナ「お花の種が一杯。」
ヘレン「種を買われるお客様も居るので。」
聖矢「ガイアスで花屋はしないの?」
ヘレン「一からになるので、開店がいつになるか…。」
シルフィー「聖矢さんの領地なら何とかなりませんか?」
聖矢「土地はあでても開店までの間がね。」
シルフィー「ヘレンさんの故郷の町は?」
ヘレン「タコの村です。」
シルフィー「出稼ぎでザネルの町へ?」
ヘレン「はい、漁師だけでは大変なので。」
聖矢「開店出来るまで、僕の所で働く?」
ヘレン「聖矢さんの所?」
聖矢「グラスの町なんだけど。」
ヘレン「良いのですか?」
聖矢「領主の補佐の補佐になるけど。」
ヘレン「よろしくお願いします。」
聖矢「取り敢えず、ロンダの村に帰ろう。」
ヘレン「はい。」
店の片付けが終わると、転移でロンダの村へ帰った。
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今回の報酬
特になし。
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名前:光野聖矢
Lv:48
(経験値:1126745 )
体力:3220
攻撃:450
防御:400
魔力:420
速度:390
幸運:350
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体攻防魔速運
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火水風光闇補回
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特殊
調剤・検査・召喚・変身
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/\/\/パーティー\/\/\
聖矢:lv.48
シルフィー:lv.48
ナターシャlv.50
フィオナ:lv.48
シンシア:lv.50
カロン:lv.45
スーラ:lv.48
ゴス王女:lv.45
コス王子:lv.43
マリア:lv.40
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読んでいただきありがとうございます。
ヘレンがヌレギヌをかけられた事を知る。
そしてヘレンの故郷がタコの村と知り、グラスの町て働くことを決めたのだった。
感想や評価を頂けると幸いです。