第73話:監獄(前編)
カロンは、見た事を話しだした。
カロン「まず、村の中にはモンスターは居なかったよ。」
聖矢「潜入は可能って事か。」
シルフィー「ハイドで入りますか。」
聖矢「そうだね、村の中は兵士だらけ?」
カロン「うん、門も監獄も兵士で一杯。」
聖矢「村の入口は何人?」
カロン「2人だったよ、夜は門が閉まるから誰も居ないけど。」
ナターシャ「村の中は、全員で入れそうね。」
聖矢「監獄はどうだった?」
カロン「監獄は、吹き抜け状の建物だったよ。」
ナターシャ「何階建て?」
カロン「地下と地上で、地下に行くほど重罪者みたい。」
聖矢「皇帝は?」
カロン「更に地下の最下層に居たよ。」
聖矢「遠いな。」
カロン「皇帝と首輪の付けたメイドと監視の兵士が1人居たよ。」
聖矢「兵士1人は問題ないが、メイドは…。」
カロン「助けられないの?」
聖矢「メイドは囚人じゃなくて奴隷だな。」
カロン「奴隷だから助けないの?」
ナターシャ「首輪が問題なのよね?」
聖矢「うん、首輪が外せないと、殺されちゃうから。」
カロン「外せないの?」
聖矢「全員外す魔法を知らないから…。」
ゴス王女「私、知ってますよ。」
聖矢「ホント!?」
ゴス王女「はい、パースって魔法です。」
聖矢「それは、宝箱でも使えるの?」
ゴス王女「はい、使えますよ、でも牢屋等の鍵は外せません。」
聖矢「それは、僕達でも使える?」
ゴス王女「これは、スライム系だけの魔法なので、人間には使えません。」
聖矢「そっか…。」
少し残念だったが、監獄潜入の話を続けた。
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ナターシャ「監獄は、誰が行くの?」
聖矢「監獄は、カロンは決まりとして、誰が潜入するかだね。」
シルフィー「私が行っても良いですか?」
聖矢「シルフィーが!?」
シルフィー「ダメですか?」
聖矢「ダメじゃないけど、塔やサハギンよりも危険だけど…。」
シルフィー「わかってます。」
フィオナ「危ないよ。」
フィオナがシルフィーの服を引っ張る。
シルフィー「心配ありがとう、でも転移出来た方が後で逃げやすいかもって。」
シンシア「聖矢さん、シルフィーさんに任せてみませんか?」
ナターシャ「まあ、やる気みたいだし。」
聖矢「任せて良いか?」
シルフィー「はい!」
ナターシャ「危ない時は、絶対逃げるんだよ?」
シルフィー「うん。」
聖矢は、シルフィーに任せる事にした。
ゴス王女「私も行きますわ。」
聖矢「王女様も!?」
ゴス王女「メイドも逃がすのでしたら、ハースを使える私も。」
聖矢「危険だし、スライスは使えないの?」
スーラ「使えないよ。」
聖矢「それなら、王女様お願いします。」
ゴス王女「任されたわ!」
聖矢「後は、シルフィーとカロンと王女様を村まで送って待とう。」
ナターシャ「シルフィーが戻ったら、一気に突入だね。」
聖矢「ああ、そして皇帝を救出だ。」
全員は頷いた。
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夜が明け、全員装備を整える。
聖矢「ハイドを使ってる間は、慌てず騒がずに。」
全員が頷く。
ナターシャ「皇帝救出へ出発!」
全員「しー!」
ナターシャ「あははは…。」
聖矢「ハイド!」
全員の姿が消える。
ナターシャ「姿見えてるけど、消えてるの?」
聖矢「仲間が見えないのは、困るでしょ…。」
ナターシャ「ちゃんと、考えてるんだ。」
聖矢「当然!」
全員は、村へ向かった。
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村の入口に着くと、兵士が商人の荷馬車の検査をしていた。
兵士「いつも、すまんな。」
商人「儲けさせて貰ってるから文句は言いたくねぇけど、検査を素通りしたいぜ。」
兵士「国の命令だから、そうはいかないのさ。」
聖矢達は、お互いに頷くと、静かに荷馬車の脇を通り村へ入った。
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シンシア「上手く入れましたね。」
聖矢「門が手薄だったし。」
ナターシャ「悪知恵は働くんだから。」
聖矢「悪知恵って…。」
シルフィー「村のなかは、賑わってるんですね。」
聖矢「空気はどんよりしてるけど、昔のグラスの町よりも明るいな。」
カロン「監獄はこっちだよ。」
カロンに連れられ監獄にやって来た。
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聖矢「中に入るには、門を開けないとな。」
ナターシャ「待つしかないわね。」
カロン「塀を超えるとか?」
聖矢「多分無理だね。」
カロン「どうして?」
聖矢「塀から降りる時の音で、魔法が解けると思う。」
カロン「そっか…。」
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暫くすると、門の前に魔法陣が現れた。
全員「!?」
魔法陣から現れたのは、囚人を乗せた牢馬車だった。
兵士「軽2、重1だ。」
門兵「報告は受けている。」
兵士「宜しく頼む。」
門兵「わかった。」
門が少しずつ開き始めた。
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聖矢「今だ、シルフィー、任せたよ。」
シルフィー「はい。」
シルフィー、カロン、ゴールドスライム王女は、馬車と共に、監獄へ入って行った。
聖矢「さあ、僕達は森に戻るよ。」
ナターシャ「わかったわ。」
聖矢達は、再び門が開く隙を見て村を出た。
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監獄に入ったシルフィー達は、建物の中に入る。
ガヤガヤガヤ!
内部では、囚人達が食事を取っていた。
監獄兵「さっさと食べて持ち場へ戻れ!」
囚人達は、無言で食べ持ち場へ戻って行く。
囚人「そんなに急かさなくても良いのに。」
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ゴス王女「囚人多いわね、この国治安悪い子かしら。」
シルフィー「どうだろうね…。」
シルフィーは苦笑いを浮かべる。
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エレベーターに来ると、行列が出来ていた。
カロン「持ち場に戻る行列だね。」
シルフィー「少なくなるまで待ちましょう。」
カロン「そうだね。」
シルフィー達は暫く待つ事にした。
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10分程して、最後の2人になった。
シルフィー「静かに乗りましょう。」
エレベーターの扉が開くと、シルフィーは奥に乗り込んだ。
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ガガガガ!
エレベーターが動き出し、各階層を下りていく。
ゴス王女「結構下まで来たわね。」
カロン「後2つだよ。」
ガガガガ!
ガガガガ!
採掘場まで下りてきた。
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エレベーターが到着すると、全員が降りた。
シルフィー「ここなの?」
カロン「この下だよ。」
ゴス王女「穴なんて無いわよ?」
カロン「もうすぐしたら、穴が現れるから。」
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数分後、エレベーターが上がり出した。
カロン「穴が出来たでしょ。」
カロンは、エレベーターの穴を指差す。
シルフィー「なるほど、ここから下りるのですね。」
カロン「そうだよ、深いけど頑張ってね。」
カロンは、先に下に向かう。
シルフィー「支柱を掴めば大丈夫よね。」
シルフィーはゴールドスライム王女を頭に乗せると、エレベーターの支柱を掴み滑り降りて行く。
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ズルズルスル!
シルフィーが、ゆっくり降りていくと大きく開けた階層にやって来た。
カロン「ここだよ。」
シルフィー「皇帝さんは?」
カロン「あの牢屋の中だよ。」
カロンが指差す先に、牢屋に男性とメイドが居た。
ゴス王女「あの子の首輪を外せば良いのよね?」
カロン「そうだよ。」
シルフィー「先に聖矢さんを呼びに行きましょう。」
ゴス王女「そうね、味方は多い方が良いものね。」
シルフィー「転移、ダストの村の森!」
シルフィー達は、監獄を離れた。
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今回の報酬
特になし。
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名前:光野聖矢
Lv:48
(経験値:1126745 )
体力:3220
攻撃:450
防御:400
魔力:420
速度:390
幸運:350
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体攻防魔速運
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火水風光闇補回
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特殊
調剤・検査・召喚・変身
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/\/\/パーティー\/\/\
聖矢:lv.48
シルフィー:lv.48
ナターシャlv.50
フィオナ:lv.48
シンシア:lv.50
カロン:lv.45
スーラ:lv.48
ゴス王女:lv.45
コス王子:lv.43
マリア:lv.40
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読んでいただきありがとうございます。
監獄に潜入したシルフィー達。
そして囚人達に隠れながら最深部へ辿り着いた。
一度村の外へ聖矢達を連れ、皇帝の救出へ。
感想や評価を頂けると幸いです。