第65話:国家機密と領地
次の日、ダルクと馬車で王城に来た。
ダルク「話は通してある、どちらの話からするかは、聖矢さんにお任せするよ。」
聖矢「はい。」
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兵士「ダルク・フォン・サクロン様、光野・聖矢一行様、到着ー!」
謁見の間に入ると、貴族や大臣が勢揃いしていた。
全員「…。」
ダルク「重大な発表があるからな。」
聖矢「はぁ…。」
王様の前で片膝を付く。
王様「そなた達、立ち上がるが良い。」
全員「はい。」
王様「聖矢よ、ガイアスに戻って来た理由は、ダルクやケインから聞いておるが、その話は後じゃ。」
聖矢「はい。」
王様「ダルクよ、聖矢には話してはおらぬな?」
ダルク「はい、重大な話があるとしか話しておりません。」
王様「なら良い。」
王様は、聖矢を見て。
王様「聖矢よ、重大な発表とは。」
聖矢「発表とは。」
全員「発表とは。」
王様「お主達に、グラスの町を任せたいのだ。」
聖矢「はい?」
王様「聖矢を、グラスの町の領主に決定したのだ。」
全員「えー!!」
王様「そんな驚く事でもないだろ。」
聖矢「いやいや、領主って、僕は男爵てすよ!?」
王様「ああ、わかっておる。」
聖矢「いやいや、わかってませんよ!」
王様「太陽の塔を攻略したんじゃろ?」
聖矢「はい。」
王様「だから、話し合ったのじゃ。」
大臣「聖矢様を、子爵に上げ、グラスの町の領主に任命しました。」
王様「もう、各領主には、連絡を済ませておるから、頼んだぞ。」
聖矢「た、旅の最中なのですが…。」
王様「転移で帰って来れるであろう、今回転移で帰って来てる事は、知っておるのだそ。」
聖矢「はい、すみません、謹んでお受けします。」
王様「そう、それで良いのじゃ。」
パチパチパチパチ!
大臣「子爵に上がるにあたり、白金貨2000枚を送る。」
兵士から、大袋を渡される。
王様「それでは、解散。」
貴族達は、謁見の間を出ていった。
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王様「それでは、もう一つの話をしよう。」
聖矢「はい、ケイン先生から聞いてはおられると思いますが、姿を消す魔法の使用許可を頂けませんか?」
王様「あれは、国家機密である事は知っておるな?」
聖矢「はい、容易にスパイ行為ができてしまうと。」
王様「その通りだ。」
聖矢「どうかお願いします。」
王様「今回だけと言う約束が出来るのであれば、許可しよう。」
聖矢「わかりましたお約束いたします。」
王様「わかった、約束を守るのだそ。」
全員が頭を下げる。
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ダルク「王よ、私の娘『マリア』の事を。」
王様「ああ、そうだったな。」
全員「??」
王様「今、ダルクの娘『マリア』には、グラスの町で領主代理をやってもらっている。」
聖矢「えっ!?」
ダルク「マリアが代理を申し出たのだ。」
聖矢「また、どうして。」
ダルク「理由は教えてくれないのだ。」
王様「まあ、護衛には城の兵士を、数人つけておる。」
聖矢「前町長の家に居るのですか?」
王様「そうだ、一応屋根裏等の安全策は講じておる。」
ダルク「私は行った事はないのだか、執事から安全だとは聞いている。」
王様「会ってやると良いぞ。」
聖矢「はい。」
ダルクと聖矢達は、城を出てサクロン邸へ戻った。
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聖矢「ダルクさん、マリアを見に行きませんか?」
ダルク「見に行きたい気持ちはあるのだか、シルビアを残しては行けぬ、聖矢さん達で行ってくれ。」
聖矢「わかりました。」
シルフィー「転移、グラスの町!」
ダルクは、屋敷の中に入って行った。
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グラスの町へ転移して来た聖矢、達は、前町長の家へ急いだ。
兵士「りょ、領主様!」
聖矢「あぁ、畏まらないでください。」
シルフィー「マリアは、中に居ますか?」
兵士「はい、中に居られます。」
聖矢達は、扉をノックした。
コンコン!
マリア「はーい!」
ガチャ!
聖矢「マリア、久しぶり。」
マリア「せ、聖矢さん!」
シルフィー「マリア、元気そうだね。」
ナターシャ「マリア、領主代理、お疲れ様。」
マリア「シルフィー、ナターシャ!」
フィオナ「マリア!」
マリア「フィオナちゃん!」
5人は、喜び合う。
マリア「見なさん、中へとうぞ。」
聖矢達は、家の中へ入って行った。
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マリア「皆さん、旅を終えられたのですか?」
聖矢は首を振る。
聖矢「ガイアス王立学院に用事で戻って来たら、領主になって子爵になってるし。」
マリア「はい、子爵様になりましたね。」
シンシア「聖矢さん。」
聖矢「マリア、こちらシンシア、旅の仲間です。」
マリア「そうでしたか、私はダルク男爵の娘『マリア・フォン・サクロン』と言います。」
シルフィー「そして、妖精のカロンと、スライムのスーラと、スライムの国の王女と王子です。」
マリア「まあ、可愛いお仲間さんですね。」
聖矢「仲良くしてあげめください。」
マリア「はい、喜んで。」
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ナターシャ「マリア、どうして領主代理をしようと思ったの?」
マリア「私、命を助けていただいたお礼がしたくて。」
シルフィー「ダルクさんもシルビアさんも、こちらに来られないからと、心配していましたよ。」
マリア「手紙が届くので、知ってはいるのですが。」
全員「??」
マリア「前町長の問題が片付かなくて…。」
聖矢「どういう事?」
マリア「前町長が、民から税を厳しく徴収していたみたいで、町の経済が止まっているのです。」
ナターシャ「徴収していた、お金を返せば?」
マリア「それが、私的利用でお金が全く無いのです。」
ナターシャ「無いものは、返せないわね。」
聖矢「それなら、これを使って。」
聖矢は、白金貨の袋を机に置く。
聖矢「ここに、子爵に上がった褒美の白金貨2000枚あるので、民にくばってください。」
マリア「それは配り過ぎですよ!」
ナターシャ「聖矢、白金貨1枚って、銅貨100万枚よ。」
シルフィー「グラスの町の人口は?」
マリア「およそ3000人です。」
聖矢「そうか、確かに配り過ぎだね。」
マリア「金貨10枚くらいが妥当だと思います。」
聖矢「そっか…、でも金貨がそんなに無いなぁ。」
ナターシャ「王様に、白金貨を両替してもらったら?」
聖矢「じゃあ、シルフィー城に転移して。」
シルフィー「はい。」
聖矢「マリア、もう少し待ってて。」
マリア「はい。」
シルフィー「転移、ガイアス城!」
聖矢とシルフィーは王城へ転移した。
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謁見の間。
聖矢「王様、頂いた白金貨のうち、500枚を金貨で頂きたいのですが…。」
王様「それぐらいなら良いが、本来なら町で替えるものだそ。」
聖矢「領民の為に必要で。」
王様「うむ、早速、何かをするつもりなんだな。」
聖矢「はい。」
王様「旅をしながらの領地運営だが、頼んだぞ。」
聖矢「はい。」
聖矢は、兵士から金貨を受け取ると、城を出た。
聖矢「急いで帰ろう。」
シルフィー「はい。」
聖矢とシルフィーは、転移でグラスの町へ戻った。
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家に戻った2人は、金貨をマリアに渡した。
マリア「ありがとうございます。」
ナターシャ「でも、全員にどうやって配るの?」
聖矢「1件1件くばるしかないんじゃ?」
ナターシャ「それって、かなり時間かかるわよ?」
マリア「大丈夫ですよ。」
聖矢「??」
マリア「実は、この町の人達には、手紙が送れるのです。」
ナターシャ「どう言う事?」
マリア「前町長が、徴収漏れを無くすために、住所が当てられているのです。」
聖矢「なるほど、住所宛てに手紙を出すのか。」
マリア「はい。」
シルフィー「住所って何ですか?」
聖矢「住所はね、自分の住んでる所の証かな。」
シルフィー「証?」
聖矢「一人一人に番号が付けられていて、その番号に手紙を出すと、必ず届く方法かな。」
マリア「グラスの町だけしか使われてない方法だから、私も初めは理解に苦しみました。」
ナターシャ「手紙3000枚書くの?」
マリア「はい、大変ですが。」
聖矢「手伝えたら良いんだけど、学院に行かないとな…。」
ナターシャ「聖矢とシルフィーで行ってきたら?」
シンシア「国家機密の魔法ですから、聖矢さんが適任かと。」
ナターシャ「全員が覚えるのは、危険かな。」
フィオナ「私、マリアのお手伝いする。」
聖矢「わかった、でも今は手伝うよ。」
マリアと聖矢達は、兵士にもお願いをして、手紙を用意し始めた。
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今回の報酬
白金貨×1500枚
金貨×50000枚
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名前:光野聖矢
Lv:48
(経験値:1126745 )
体力:1610
攻撃:450
防御:400
魔力:420
速度:390
幸運:350
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体攻防魔速運
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火水風光闇補回
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特殊
調剤・検査・召喚
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/\/\/パーティー\/\/\
聖矢:lv.48
シルフィー:lv.48
ナターシャlv.50
フィオナ:lv.48
シンシア:lv.50
カロン:lv.45
スーラ:lv.48
ゴス王女:lv.45
コス王子:lv.43
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読んでいただきありがとうございます。
重大な事とは、子爵と領地の授与だった。
そしてマリアが、代理領主をしていた事実。
旅を続けながら、領主ができるのか…。
感想や評価を頂けると幸いです。