第32話:妖精カロン、そして廃村へ
雪ダルマを作った、場所を出発した4人は、穴の開いた雪山を見つけた。
聖矢「洞窟?」
ナターシャ「中覗いてみる?」
シルフィー「何か居たらどうしよう…。」
聖矢「何かって?」
シルフィー「熊とか?」
聖矢「それは熊った。」
ナターシャ「困ったでしょ!」
ナターシャが槍で叩く。
シルフィー「ははは…。」
聖矢「で、入る?」
ナターシャ「注意しながら捜索しましょ。」
4人は、穴の中に入って行った。
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中に入り、目が暗闇に慣れてくると、奥に続いている事がわかった。
聖矢「洞窟だったね。」
ナターシャ「お宝あるかな。」
シルフィー「盗掘者のセリフみたい…。」
ナターシャ「洞窟やダンジョンって言ったらお宝じゃない!」
聖矢「ま、まあお宝あれば良いね。」
洞窟に入り1時間程が経ち。
ナターシャ「長い洞窟ね…。」
聖矢「ここまで、一本道だし、洞窟なのかな…。」
ナターシャ「え、お宝無いの。」
聖矢「かもしれない…。」
4人は更に奥に進んでいると。
フィオナ「明るくなってる。」
4人の目の前に、開けた空間が現れ、上から光が差し込んでいた。
シルフィー「何かの跡でしょうか?」
聖矢「さあ、光の下で何かをしていたのかもしれないけど…。」
ナターシャ「踊ってみる?」
聖矢「踊るっていっても…。」
ナターシャ「ほら、早く!」
ナターシャは聖矢を引っ張り光の下へ行く。
聖矢「お、おい!?」
聖矢はナターシャに引かれながら踊る。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
トンタッタ、トンタッタ。
徐々に2人のリズムが合ってくる。
トンタッタ、トンタッタ。
すると、下からも光が溢れてくる。
トンタッタ、トンタッタ。
シルフィー「キレイ。」
トンタッタ、トンタッタ。
どんどん光が溢れてくる。
その時だった!
パチパチパチ!
???「いいよ、いいよ!」
4人「!!?」
突然、聖矢とナターシャの前に、妖精が現れた。
???「こんな所で踊り出すなんて思わなかったよ。」
妖精が4人の周りを飛び回る。
シルフィー「よ、妖精さん!?」
???「僕の名前は『カロン』だよ。」
聖矢「カロンさんは、とうして洞窟に?」
カロン「君達にこっそり連いて行ってたからだよ。」
ナターシャ「どうして?」
カロン「バザルの町から見てて、楽しそうだったから?」
聖矢「聞かれても…。」
シルフィー「どうして今まで隠れていたの?」
カロン「僕が妖精だから。」
ナターシャ「なるほどね。」
聖矢「どう言う事?」
ナターシャ「妖精は、珍しいから、高値で取引されるのよ。」
カロン「だから、確かめたかったんだ。」
聖矢「そうなのか、エルフのフィオナのようなものか…。」
カロン「そう、エルフがどうしてここに!?」
聖矢「盗賊団に拐われていたのを、助けたのさ。」
カロン「スノーム王国には、行かない方がいいよ。」
シルフィー「スノーム王国を通らないと、エルネス精国には行けないですよ?」
カロン「スノーム王国は、エルフを奴隷としか見てないからかな。」
聖矢「フィオナをエルネス精国に連れて行きたいんだけど。」
カロン「山を越えるしかないね。」
ナターシャ「エルネス精国の両側の山なんて越えられないよ。」
カロン「じゃあ、船しかないね。」
聖矢「エルネス精国と交易してる国なんてあるんですか?」
カロン「あるよ、ガイアス王国のタコの村が。」
4人「タコの村ー!?」
カロン「ど、どうしたのさ!?」
シルフィー「タコの村は、バザルの町へ戻って来る前に居た村です。」
カロン「あらら…。」
ナターシャ「どうする?」
聖矢「スノーム王国には、フィオナを連れて行くのは危険だしな…。」
シルフィー「でも、王様に皇帝によろしくと言われてますよ?」
聖矢「んー…。」
ナターシャ「考えていても仕方ないわよ。」
聖矢「どうするの?」
ナターシャ「取り敢えず、この洞窟を出ない事には、帝都にも行けないじゃない!」
シルフィー「カロンさん、この先には何があるの?」
カロン「この先?」
カロンは目を閉じる。
カロン「この先には…、外への出口かな。」
ナターシャ「出口、早く出ましょ!」
カロン「出口の先は…、何も無いかも。」
ナターシャ「歩き損だったの…。」
シルフィー「転移で洞窟を出ましょう。」
3人は頷く。
シルフィー「転移、洞窟入口!」
4人と妖精は転移し、入口へ移動した。
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聖矢「結局、この洞窟は、何のためだったんだろうね。」
ナターシャ「皇帝に聞けば、わかるんじゃないかな。」
聖矢「確かに、ところでカロンは連いてくるの?」
カロン「連いて行くよ。」
聖矢「わかった、よろしくな。」
ナターシャ「よろしく。」
シルフィー「よろしくお願いします。」
フィオナ「よろしく。」
カロン「よろしく。」
聖矢達は帝都へ向け歩き出した。
カロン「転移の魔法はシルフィーだけ?」
シルフィー「はい、女神様から頂きました。」
カロン「へー、聖矢もナターシャもフィオナも貰ったの?」
聖矢「僕は召喚かな。」
ナターシャ「私は攻撃かな。」
フィオナ「私は、防御。」
カロン「ナターシャとフィオナは、能力の回復。向上が。」
2人は頷く。
カロン「聖矢、召喚あるなら、山越えられるよ。」
聖矢「どういう事?」
カロン「ツインドラゴンを呼べば行けるよ。」
聖矢「ツインドラゴンさんなら、呼べるよ。」
シルフィー「でも、どうしてツインドラゴンさんなんですか?」
カロン「話せるから?」
ナターシャ「確かに話せたね。」
シルフィー「でも、スノームに寄りたくないからと、呼んでも良いのかしら。」
カロン「きっと大丈夫だよ。」
聖矢「まあ、今度聞いてみるか。」
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歩き出し、暫くすると、フレアクラウドが4体現れた。
‡ バトルスタート ‡
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フレアクラウドA:760/760
フレアクラウドB:760/760
フレアクラウドC:760/760
フレアクラウドD:760/760
∧∨∧∨∧∨∧∨∧∨∧∨∧∨∧
聖矢:600/600
シルフィー:600/600
ナターシャ:980/980
フィオナ:600/600
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カロンは、アイシクルこーとをかける。
全体の火の耐性が弱まった。
聖矢はウォーターボールをかける。
フレアクラウドAに450のダメージ。
ナターシャはウォーターボールをかける。
フレアクラウドBに650のダメージ。
シルフィーはウォーターボールをかける。
フレアクラウドCに500のダメージ。
フィオナはアイシクルストームをかける。
全体に550のダメージ。
フレアクラウドはファイヤーボールをかける。
シルフィーには効かなかった。
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フレアクラウドA:0/760
フレアクラウドB:0/760
フレアクラウドC:0/760
フレアクラウドD:210/760
∧∨∧∨∧∨∧∨∧∨∧∨∧∨∧
聖矢:600/600
シルフィー:600/600
ナターシャ:980/980
フィオナ:600/600
ーーーーーーーーーーーーーーー
聖矢はウォーターボールをかける。
フレアクラウドDに450のダメージ。
‡ バトルエンド ‡
ーーーーーーーーーーーーーーー
フレアクラウドA:0/760
フレアクラウドB:0/760
フレアクラウドC:0/760
フレアクラウドD:0/760
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シルフィー「カロンさん、戦えるのですね。」
カロン「妖精だからね。」
聖矢「攻撃魔法は使えるのですか?」
カロン「妖精は、攻撃魔法は苦手なんだ。」
聖矢「でわ、補助魔法が。」
カロン「そうだね、補助魔法なら。」
ナターシャ「戦いが楽になるね。」
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あれから2日が経ち、帝都の近くまでやって来ていた。
おじいさん「ちょっと、そこの冒険者さんや。」
おじいさんに声をかけられ、振り向く聖矢。
カロンは、とっさに聖矢の後ろに隠れた。
聖矢「はい?」
おじいさん「帝都マナードに行くのか?」
聖矢「はい、そうです。」
おじいさん「行くのは止めた方がええ。」
聖矢「どうしてでおじいさん」
おじいさん「先日、帝都で皇帝が暗殺されたんじゃ。」
4人「えー!」
おじいさん「今は厳戒態勢で、帝都には入れん。」
聖矢「用事があり、ガイアス王国から来たのですが。」
おじいさん「ガイアスからか、珍しいのぉ。」
聖矢「おじいさんは、帝都から来たのではないのですか?」
おじいさん「帝都が混乱しておるから、避難しているのじゃ。」
シルフィー「おじいさんは、何処へ行かれるのですか?」
おじいさん「わしわ、この先の洞窟から、廃村へ行くのじゃ。」
ナターシャ「あの洞窟の先に村があったの!?」
おじいさん「ああ、ロンダの村がな。」
聖矢「僕達も行って良いですか?」
おじいさん「ああ、一緒に来なされ。」
4人はおじいさんと行く事にした。
シルフィー「カロンさん、見つからないように、こっちへどうぞ。(小声)」
カロン「うん。(小声)」
カロンは、シルフィーのローブのポケットに隠れた。
シルフィー「転移、洞窟入口!」
5人は洞窟の入口に移動した。
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おじいさん「お嬢さんは転移が使えるのか!?」
シルフィー「はい、洞窟には入っていたので。」
おじいさん「これは、助かったわい。」
聖矢「この洞窟は、何のための洞窟なのですか?」
おじいさん「ただの通り抜けのために掘られたトンネルじゃよ。」
聖矢「あれ、トンネル?」
おじいさん「洞窟を貫通させたトンネルじゃ。」
4人「なるほど。」
聖矢「今は廃村と言われましたか。」
おじいさん「ああ、元々はドワーフの隠れ里だったんじゃ。」
聖矢「はあ…。」
おじいさん「30年程前に、帝国軍に発見されてな、国外追放されたんじゃ。」
シルフィー「ひどい。」
おじいさん「ああ、酷いもんじゃったが、マナード帝国は、人間の国ジャからな。」
ナターシャ「元々はドワーフの国だったはずなのに。」
おじいさん「歴史が変えてしまったんじゃ。」
フィオナ「ドワーフはどうなったの?」
おじいさん「他の国へ逃げたり、送られたりされたんじゃ。」
聖矢「そんな過去が。」
おじいさん「話はここまでにして、洞窟を抜けるかの。」
4人「はい。」
5人は、洞窟抜けて行った。
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洞窟を抜けると、森が広がっていた。
おじいさん「この森の中じゃ。」
聖矢「結構深そうな森ですね。」
おじいさん「ああ、ドワーフが、ずっと隠れ住んでた森じゃからな。」
シルフィー「でも、どうして見つかってしまったのですか?」
おじいさん「帝都マナードに住んでいた、冒険者に見つかったのじゃ。」
ナターシャ「でも、こんな所に何をしに来たのかな。」
おじいさん「詳しい事はわからんのぉ。」
聖矢「見つかったために追い出されたと…。」
おじいさん「そう言う事じゃな。」
話しながら森を歩いていると、建物が見えて来た。
おじいさん「ロンダの村に着いたぞ。」
ナターシャ「廃村って言ってたのに、キレイな村じゃない。」
おじいさん「ドワーフの造った村じゃから、丈夫なんじゃよ。」
5人は、ロンダの村の中に入って行った。
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今回の報酬
火の魔石✕4
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名前:光野聖矢
Lv:27
(経験値:206745 )
体力:600
攻撃:100
防御:90
魔力:95
速度:85
幸運:60
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体攻防魔速運
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火水風光闇補回
○○✕○✕✕✕
特殊
調剤・検査・召喚
∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵
/\/\/パーティー\/\/\
聖矢:lv.27
シルフィー:lv.27
ナターシャlv.38
フィオナ:lv.27
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読んでいただきありがとうございます。
ガイアス王国から、連いて来てたのは、妖精カロンだった。
しかも、皇帝暗殺事件により、おじいさんと廃村へ。
帝都に入れるのは!?
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