第19話:貴族の娘
翌日、4人は町長の部屋に居た。
町長「これが王様への手紙だ。」
聖矢は、町長から、手紙を渡せばと受け取る。
聖矢「ありがとうございます。」
町長「城門の兵士に渡せば話を通してもらえるはずだ。」
聖矢「わかりました。」
町長「後は、君達次第だ。」
聖矢「はい!」
4人はハイタッチする。
町長「旅の無事を祈っているよ。」
4人「はい!」
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4人は外に出ると、メイド達が見送りに来ていた。
メイドA「旅立たれるのですね。」
聖矢「はい。」
メイドB「道中お気を付けて。」
ナターシャ「はい。」
メイドC「これをどうぞ。」
メイドCから、4人は笛を渡される。
シルフィー「笛ですか?」
メイドC「吹いてみてください。」
シルフィーは、笛を吹いてみた。
ピー!!
笛を吹くと、扉が現れ、中から馬が出てきた。
聖矢・ナターシャ・シルフィー「!?」
フィオナ「馬だ!」
メイドC「馬を呼ぶ笛です。」
聖矢「こんな貴重な物、良いんですか?」
メイドA「はい、この笛は沢山出回っているので。」
全員「ありがとうございます!」
メイド達「皆さん、行ってらっしゃいませ。」
全員「行ってきます!」
4人は馬にまたがると、屋敷を出発した。
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バザルの町を出た4人は、丘の上に人集りを見つけた。
シルフィー「何の集まりでしょう…?」
聖矢「見に行ってみようか?」
3人は頷くと、全員馬を降り人集りへ向かう。
ナターシャ「何があったのですか?」
旅人A「穴の中で誰か倒れているんだ…。」
ナターシャは穴を覗き込むと、穴の底に誰かが倒れていた。
旅人B「穴が深くて助けに入れないんだ…。」
聖矢は穴を覗き込み。
聖矢「僕が助けにオリョウ。」
旅人A「あんた、危ないぞ。」
聖矢「縄があるので大丈夫です。」
旅人C「しかしだな…。」
聖矢「3人共、僕が降りたら合図するから、水を流し込んでくれます。」
シルフィー「水ですか?」
聖矢「水を溜めて浮き上がるから。」
ナターシャ「なるほど、解った。」
聖矢は袋からナワを出し。
聖矢「皆さん、この縄を掴んでてください。」
旅人A「ああ…。」
旅人D「掴んどけば良いのか…。」
聖矢「でわ、皆さんおねがいします。」
聖矢は、ゆっくりと穴に入っていく。
ズルズルズル…。
ズルズルズル…。
聖矢「結構深いな…。」
ズルズルズル…。
ズルズルズル…。
聖矢「えいっ!」
スタッ!
聖矢「女の人(貴族…。)?」
聖矢は底に着き、倒れた人を抱えると。
聖矢「火の球、ファイヤーボール!」
火の球を打ち上げる。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
穴の中から火の球が飛び出した。
全員「おおー!」
ナターシャ「じゃあ、いくよ!」
3人「水の球、ウォーターボール!」
3人の手から水の球が何度も飛び出し、地面に当たると、穴に水が入っていく。
ドバドバドバ…。
ドバドバドバ…。
聖矢「おっ、きたきた。」
ドバドバドバ…。
ドバドバドバ…。
穴の中に水が溜まり、聖矢が浮き上がってくる。
オオー!
ワー!
人集りから歓声が上がる。
聖矢「彼女を頼む。」
ナターシャは、彼女を受け取ると、聖矢が穴から上がる。
パンパン!
旅人C「あんた、やるなぁ。」
聖矢「いやいや。」
聖矢は頭を搔く。
ナターシャ「彼女、服びしょびしょだから、着替えさせたいんだけど…。」
聖矢「解ったって、ここで!?」
ナターシャ「このままだと風邪ひくだろうし…。」
聖矢「男ならまだしも、女性だからな…。」
旅人A「馬車で良ければ…。」
旅人Aが指を差す。
聖矢「良いんですか?」
旅人A「ええ、どうぞ。」
聖矢「ありがとうございます。」
ナターシャとシルフィーは、彼女を馬車で着替えさせる。
ガチャ!
シルフィー「着替えさせたよ。」
ナターシャ「でも、この娘どうしようか?」
聖矢「んー、気が付くまで待つしかないかな…。」
旅人D「何がお困りですか?」
聖矢「彼女を王都まで連れて行きたいのですが、僕達馬しか持ってなくて…。」
旅人D「王都ですか…、私とは行き先が反対ですね…。」
聖矢「野宿しかないか…。」
ナターシャ「まあ、仕方ないんじゃない…。」
シルフィー「気を失ったまま、運ぶのは危ないから…。」
聖矢「だよな…。」
4人は外に出ると、旅人達を見送り、野宿の準備をする。
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4人は、食事を終え話し合いをする。
聖矢「彼女、鬼族かな…。」
ナターシャ「装飾品を見ても、高価そうだし…。」
シルフィー「でも、どうして1人でこんな所に居たのでしょう…。」
ナターシャ「だよね、貴族なら護衛が居てもいいはずだし。」
聖矢「気が付くまで、様子見か…。」
シルフィー「フィオナも寝てますし。」
フィオナ「すやすや。」
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翌朝…。
娘「んんっ…!」
4人「すやすや。」
娘「んんっ、ここは…。」
娘は起き上がると、辺りを見回す。
娘「ん…、キャッ!」
隣に寝ていた4人に驚く。
聖矢「わっ、しまった…!」
娘「あっ、あの!」
聖矢「あっ、気が付いたんですね。」
ナターシャ「聖矢、どうしたの…?」
聖矢「皆、起きて起きて!」
シルフィー「どうしたんですか…?」
フィオナ「まだ、眠い…。」
聖矢「彼女が、目を覚ましたんだって。」
ナターシャ「ホント!?」
娘「えっと…。」
シルフィー「良かった…。」
娘「私、どうして1人でこんな所に?」
聖矢「あの穴の中で倒れていたんです。」
娘「この服は?」
ナターシャ「穴から助けた時に、服が濡れたので、着替えさせました。」
娘「そうですか、ありがとうございます。」
聖矢「ところで、貴方のお名前は?」
娘「私は、マリア・フォン・サクロンと申します。」
ナターシャ「名前にフォンが付くって事は、貴族様ですか?」
マリア「はい、父は男爵ですので。」
4人は膝を付き。
聖矢「え、えっと、僕は光野・聖矢と申します。」
シルフィー「私は、シルフィー・クレールと申します。」
ナターシャ「私は、ナターシャ・アーデンと申します。」
フィオナ「私は、フィオナ。」
マリア「そ、そんな畏まらないで下さい。」
4人は立ち上がる。
マリア「お願いがあるのですが…。」
聖矢「何でしょうか?」
マリア「私を、王都の屋敷まで、送って頂けないでしょうか?」
聖矢「え、えっと…。」
マリアは、首を傾げる。
ナターシャ「元々、気が付いたら、送るつもりだったんです。」
マリア「そうだったのですね。」
聖矢「はい…、マリア様は、馬に乗れますか?」
マリア「いいえ、馬に乗った事はないです…。」
ナターシャ「でわ、私の後ろにお乗りください。」
マリア「ええ、お願いします。」
3人は、馬を呼び出すと、マリアをナターシャの後ろにお乗り乗せた。
ナターシャ「マリア様、しっかり掴まってくださいね。」
マリア「はい。」
5人は、馬に乗り王都へ走り出した一行。
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2時間程走ると、王都の門が見えてきた。
ナターシャ「マリア様、屋敷は王都のどの辺りですか?」
マリア「屋敷は城の東側です。」
ナターシャ「わかりました。」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
門まで来た5人。
門番「お前達、止まれ。」
5人は馬を停め、聖矢は馬を降りる。
門番「王都に何をしに来た。」
聖矢「城への用事と、マリア様をお屋敷へ送り届けるために通りたいのですが…。」
門番「うむ、城への用事とは何だ?」
聖矢「王様への謁見をお願いしたくて、バザルの町長の手紙を渡して頂きたく。」
門番「うむ、手紙を預かって良いか?」
聖矢「はい、王様へ届けて頂けるのであれば。」
門番「わかった、届けておこう。」
聖矢「ありがとうございます。」
門番「通って良いぞ。」
5人は頭を下げると、王都に入って行った。
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今回の報酬
特になし。
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名前:光野聖矢
Lv:23
(経験値:56745 )
体力:470
攻撃:70
防御:55
魔力:65
速度:60
幸運:45
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体攻防魔速運
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火水風光闇補回
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特殊
調剤・検査
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/\/\/パーティー\/\/\
聖矢:lv.23
シルフィー:lv.23
ナターシャlv.35
フィオナ:lv.22
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読んでいただきありがとうございます。
マリアを助けた4人は王都へ入った。
4人は王様に謁見できるのか。
感想や評価をいると幸いです。