第18話:バザルの町へ(後編)
食事を終え、再び走り出した一行。
漁師長「メイドさん。」
メイドA「はい?」
漁師長「明日の朝には到着したいのですが…。」
メイドA「朝ですか…。」
漁師長「無茶ですよね…、すみません…。」
メイドA「いえ…。」
聖矢「ナターシャ、何が良い魔法とかない?」
ナターシャ「良さげな魔法ねぇ…。」
ナターシャは、補助魔法の書を、読む。
ナターシャ「…。」
漁師長「鳥のように飛べれば…、なんてな…。」
ナターシャ「鳥のように…。」
ページを捲っていた手が止まった。
聖矢「ナターシャ、どうだ?」
ナターシャ「この魔法、馬車に効果あるかな?」
ナターシャは、本を向け指を差した。
聖矢「ウイングチャージ?」
ナターシャ「うん、速度上昇の魔法なんだけど…。」
聖矢「馬には効きそうだけど、馬車に効くのか…。」
ナターシャ「わかんない…。」
聖矢「馬車って袋に入るかな?」
漁師長「馬車は分からんが、小舟なら入れてるぞ。」
ドンッ!
漁師長は、袋を開け、中から小舟を出した。
聖矢「それなら、馬車も…。」
馬車から馬を外し、メイドAは袋の口を馬車に向ける。
ズズズズ!
ピューン!
聖矢「入った…。」
漁師長「馬は6頭居るから、2人ずつ乗れるな。」
聖矢はフィオナと、ナターシャはメイドAと、シルフィーはメイドBと、漁師長はメイドCと、御者の2人はそれぞれ分かれて馬に乗った。
聖矢「フィオナ、しっかり掴まって。」
聖矢・ナターシャ・シルフィーは、2頭ずつにウイングチャージをかける。
聖矢「それじゃあ、出発!」
風を切る様に、馬は街道を駆け抜けて行った。
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皆は、空が暗くなる頃には、バザルの町まで、残り4分の1に来ていた。
メイドA「あの、ナターシャさん。」
ナターシャ「何ですか?」
メイドA「そろそろご飯にしませんか?」
ナターシャ「もう暗くなってる!?」
メイドA「はい…。」
ナターシャ「皆、ストッープ!」
聖矢「ナターシャ、どうした?」
ナターシャ「ご飯にしないかって?」
フィオナ「お腹空いた…。」
聖矢「後、どのくらいですか?」
メイドA「あと4分の1くらいです。」
漁師長「でわ、ここで休みまょう。」
聖矢「良いんですか?」
漁師長「私もお腹減りましたし…。」
メイドA「でわ、用意しますね。」
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ご飯を食べ終わり、再び走り出した一行。
聖矢「皆、大丈夫か?」
ナターシャ「私は大丈夫だよ。」
ナターシャは、Vサインで答える。
シルフィー「わ、私も大丈夫。」
漁師長「ああ、私も大丈夫だ。」
メイド達も頷く。
御者達「私達もなんとか。」
聖矢「フィオナ、大丈夫か?」
フィオナ「眠いかも…。」
聖矢「わかった。」
聖矢は、フィオナを片手で前にし、お姫様抱っこをする。
聖矢「揺れるけど、我慢してくれ。」
フィオナは、頷くと目を閉じた。
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3時間程経った頃、バザルの町が見えてきた。
3人は魔法を解くと、馬のスピードが落ちてくだ。
聖矢「着いた…。」
漁師長「朝までに着いて良かった。」
一行は町長の屋敷に向かった。
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一行は、屋敷に向かった到着すると、メイド達と共に中に入った。
メイドA「ご主人様、只今戻りました。」
町長「よく無事に帰ってきた。」
メイドA「予定は明日でしたが…。」
漁師長「町長、お邪魔しております。」
町長「漁師長どの、よくいらした。」
漁師長「町長、明日、馬をお借りしたいのですが…。」
町長「急ぎの要件ですかな。」
漁師長「はい、急いで王都に…。」
町長「わかった、聖矢どの、護衛ありがとう。」
聖矢「いえ…。」
町長「サハギンの討伐もと聞いている。」
聖矢「いえ、討伐出来たのは、漁師や他の冒険者も居たからで。」
町長「ナターシャどのは、毒の方は…。」
ナターシャ「聖矢のお陰で大丈夫です。」
町長「皆お疲れだろう、今夜はゆっくり休んでくれ。」
4人は、スヤスヤと眠りについた。
???「聖矢…。」
追ってきた影が、外から見ていた。
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翌朝、漁師長は馬に乗って、王都に…。向かって行った。
町長「聖矢どの、王都に…。向かわれるのか?」
聖矢「はい、王都を越え、マナナード帝国へ向かうつもりです。」
町長「マナード帝国か…。」
聖矢「同盟国と聞いていますが、何が…。」
町長「実は、スノーム王国と開戦の兆しがあってな。」
聖矢「戦争ですか…。」
町長「ああ、だから向かうのは控えた方がいいかと。」
聖矢「私達は、マナード帝国とスノーム王国を通ってエルネス精国へ向かいたいのです。」
町長「んー、今は辞めた方がいいかと…。」
聖矢「方法はありませんか?」
町長「国王に相談してみるのも有りかもしれんが…。」
聖矢「国王様って、会えるのですか?」
町長「手紙を渡せばと思うが、会えるかは分からん。」
聖矢「手紙を渡せばと書いて頂けますか?」
町長「分かった、手紙を渡せばと書こう。」
聖矢「ありがとうございます。」
町長「明日まで待っててくれ。」
聖矢達は頷くと、部屋へ戻って行った。
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今回の報酬
特になし。
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名前:光野聖矢
Lv:23
(経験値:56745 )
体力:470
攻撃:70
防御:55
魔力:65
速度:60
幸運:45
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体攻防魔速運
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火水風光闇補回
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特殊
調剤・検査
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/\/\/パーティー\/\/\
聖矢:lv.23
シルフィー:lv.23
ナターシャlv.35
フィオナ:lv.22
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読んでいただきありがとうございます。
バザルの町へ、戻った4人は、町長から開戦の兆しがあると聞かされる。
4人は、国王に会うことができるのか。
感想や評価をいると幸いです。