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第四章〜④〜

 友人たちの件については、こちらで手を打てることはやり尽くしたので、もう一つの関心事に思考を切り替える。

 メッセージの送信から二日近くが経過しているにもかかわらず、いまだに小嶋夏海からの応答はなかった。


(なにか、メッセージの返信ができない事情でもあるのだろうか……?)

(いや、送ったメッセージがマズかったのか?なにか気に障る内容があったか……?)


などと、次々にネガティブな考えが頭に浮かぶ。


 スマホを枕元に置き、自室のベッドで悶々としながら、横たわっていると、メッセージの着信を示すランプが光った。

 慌てて、手を伸ばし、ロックを解除してメッセージを表示させる。


==============


返事が遅くなってゴメンね

(ユミコからも連絡が来ました)


私も花火大会に

参加させてもらおうと思います


==============


 簡潔なメッセージだったが、その内容に安堵している自分に気付いた。

 すぐさま、送られてきたメッセージに返答をする。


==============


返信ありがとう!


大嶋から聞いたかも知れないが

プールに行ったメンバーに

声を掛けさせてもらっている


久々に連絡が取れたし、

少し話せないかな?


==============


 一瞬、頭をよぎった「小嶋の声が聞きたい」という文言は、悩んだ末、気味悪がられてはいけない、と考え直して、書き込まないでおいた。


 二日前のメッセージとは異なり、すぐに既読マークがつき、返信があった。


==============


ゴメン。

今日は話すのは遠慮したい


お誘い、ありがとう。

花火、楽しみにしてる。


==============


 やはり、なにか連絡を取りにくい事情でもあるのだろうか?

 しかし、これ以上、考えてもネガティブな思考に陥るだけだし、彼女のプライバシーに立ち入ることになってしまうかも知れない……そう思い直して、《YES!》と書かれたコアラのスタンプを送信し、


==============


わかった。


花火大会の詳細については、

あらためて連絡させてもらう


あと、なにかあったら、

遠慮なく連絡してくれ


==============


と、メッセージを返信しておいた。

 これ以上のメッセージ交換はしないつもりで内容を送信したので、彼女からの返信は期待していなかったのだが、しばらくすると、意外にもスマホの着信ランプが光った。


==============


ありがとう。


色々と話せるようになったら、

話しを聞いてもらおうかな


あと、連絡が取れない時も

ウチの前の公園のネコの

様子を確認してくれると嬉しい


==============


 前半の内容には納得できたが、メッセージの後半の内容には、明らかに不可解な点があった。

 しかし、文章のやり取りで、そのことを指摘するのも難しいと感じ、彼女が自分で話したい、と思った時にたずねれば良いか、と考えて、《OK》と書かれたコアラのスタンプを返信しておくだけにした。

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