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【WEB版】追放魔術師のその後 ~なんか、婚約破棄されて、追い出されたので、つらい貴族生活をやめて遠い異国の開拓村でのんびり生活することにしました~  作者: 砂糖 多労
なんか、弟子がたくさんできました。

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辺境伯が村にやってきた!②

 俺はアリアたちの後について工房に入る。

 工房と言っているが、女子部屋になる予定だった部屋だ。


 魔物に襲われた日、男子部屋で6人で寝ることになったが、新しい家に移ってもアリアたちは男子部屋の方に荷物を移動させた。

 それなら俺が女子部屋に移ろうとしたのだが、まだ魔物が怖いから一緒に寝て欲しいと言われたのだ。

 落ち着くまでは一緒に寝ることにした。


 そのうち女子部屋に移動するだろうと思っていたら、いつの間にか女子部屋には色々な荷物が持ち込まれて気づいたら工房のようなものになっていた。

 結果的にいうと、半月経った今も同じ部屋で寝ている。


 たぶんアリアの差し金なんだろうけど、あからさますぎて引く。


「じゃあ、よろしくね」


 荷物だけを置くとアリアは昼食の手伝いに行ってしまった。

 俺は調理では戦力外通告を受けているので、キーリたちの手伝いだ。


 と言っても、キーリも慣れてきたのでやることはほとんどないのだが。

 料理を台無しにされるよりはいいと思われているらしい。


「じゃあ、やっちゃうわね。『抽出』」


 キーリが呪文を唱えると、魔術が発動して瓶の中に土属性の魔術成分が溜まっていく。

 量も結構多いし、色はきれいな緑色で、濁りもほとんどない。


 今では一回の探索で小瓶一本分くらいの魔術成分が溜まるようになっている。

 この一月でかなり魔力量が増えたのだろう。


「ふう。終わったわ」

「お疲れさま」


 キーリに作業が終わると、スイが容器にかけていた強化魔術を切る。


「ご飯できたわよー」


 ちょうどその時、食堂から声が聞こえてくる。

 どうやら、昼食ができたらしい。


「じゃ、行きましょうか」

「早く、昼ごはんを食べる」


 スイとキーリは手早く後片付けをすると俺の背を押して食堂へ向かった。

 どうやら、相当魔物を倒す方法を聞くのが楽しみらしい。


***


「じゃあ、5人で魔物を倒す方法を話すぞ」


 食事を終えて、昼食の後片付けをすると、全員が席に座る。

 真剣に俺の方を見ていて、俺の話を一言も聞き逃すまいと言う雰囲気がビシビシ感じられる。


「じゃあ、まず一人一人のやるべきことだけど……」

「ごめんくださーい!」


 俺が話を始めようとすると、外から声が聞こえてくる。

 どうやら、この村に誰か来たらしい。今までそんなことなかったから正直驚いていた。


「誰か来たみたいだな」

「変ね、こんな時期に村に人が訪ねてくるはずはないんだけど」


 アリアが立ち上がり外に出る。

 俺たちもその後に続く。


 どうやら、堀の向こうから大声で呼んでいたらしく、跳ね橋のせいで誰が来たかもわからない。


「とりあえず、跳ね橋を下ろすしかないですね」

「そうみたいね」


 俺たちが跳ね橋を下ろすと、軽装備の男性が一人立っていた。


「申し上げます。フローリア辺境伯が視察のため半日後にこの村を訪れます。準備をするように」

「辺境伯様がですか? かしこまりました。すぐに準備いたします」


 どうやら、えらい人がこの街にくるらしい。

 先触れと思しき男性はそう言うべきことだけ言って帰って行った。


「じゃあ、魔術の練習は今日はお休みだな。俺たちはどうしておけば良いんだ?」

「そうね。工房の方にいてもらっても良いかしら。ミーリアは申し訳ないんだけど、給仕をしてくれる?」

「良いですよ」


 まあ、えらい人に会うんだ。俺たちみたいなのは前に出ないほうがいいだろ。


「そういえば、俺のことってまだ連絡してないんだよな? なんかしたほうがいいか?」

「大丈夫よ。防衛のために残ってもらっていたといえば多分なんとかなるわ。それよりこの村の現状の方が問題よ」


 村には俺がくる前はなかった深い堀と高い塀が聳え立っている。

 住んでる家も石造りのかなり大きなものへと変わっていた。


 たしかに、この村の変化は報告する必要があるかもしれない。


「なんだったら壁と堀は元に戻すか? それくらいだったらすぐにできるぞ?」

「ダメですよ。先触れの方がすでに見ていますから、ここから何か変化があれば、後ろ暗いことがあると疑われることになります」


 俺は原状回復を提案したが、ミーリアにダメ出しをされた。

 たしかに、いきなり村の様子が変われば怪しいことこの上ないな。


「まあ、辺境伯様は良い方だから、悪いようにはならないと思うわ。あとのことは私に任せて四人は奥で大人しくしておいてもらっていい?」

「まあ、アリアがそう言うなら信じるよ」


 この後、俺はキーリたちと一緒に工房に篭った。

 お読みいただきありがとうございます。

 何とかジャンル別ランキングで週間ランキング一位になれました!

 ありがとうございます。


 正直、昨日の時点で一位と400pt差があったためあきらめていたのですが、みな様の応援のおかげで何とかとることができました。

 この作品はジャンル別の日間ランキング50位以内に入ればいいかなと思ってたのでとてもうれしいです。


 続きも頑張って書いていくのでお付き合いいただけると嬉しいです。


 今日も二話投稿する予定です。

 皆さんにポイントも入れていただいたので、月末までは何とか二話投稿を続けて見せます!

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― 新着の感想 ―
[一言] 早く攻撃魔法を教えてやって下さい。期待しています。自分たちである程度防御できないとね。
[一言] 祝!ジャンル別ランキングで週間ランキング一位! 作者様おめでとうございました。
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