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【WEB版】追放魔術師のその後 ~なんか、婚約破棄されて、追い出されたので、つらい貴族生活をやめて遠い異国の開拓村でのんびり生活することにしました~  作者: 砂糖 多労
なんか、戦争が始まったらしい

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天誅の牙はすべてを灰塵に帰す!①

「将軍! 追加の魔物。あっさりとやられました」

「く! まだだ。まだ終わってない!」


 将軍は焦っていた。

 まさか、教会の奴ら、しかも悪名高い天誅がこんなに早く出てくるとは思っていなかった。

 今回が魔物部隊の初陣だったのだ。

 まだ、ほとんど人のいない砦を一つ落とす程度の成果しか出せていない。

 これでは元帥どころか昇進もままならない。


「なんなんだあのでたらめな強さは!」


 それもこれも、教会の奴らのせいだ。

 あいつらは普段は大して役にも立たないのに金ばかり取っていき、こういうときには邪魔をしてくる。

 だが、教会が回復魔術を独占しているので、追い出すわけにもいかない。


「ほんとに忌々しい。いっそ滅んでしまえばいいのに」

「教会に滅べばいいだなんてなんて、ほんとに罰当たりな奴らだよねー。そう思わない? 兄さん」

「そうだな、弟よ。こういう奴らには天罰を下すべきだ」

「へ?」


 将軍が声のした方を振り向こうとした次の瞬間、あたりを閃光が照らした。

 閃光が晴れると、そこにいた魔物部隊の人間は跡形も残らず消し飛んでいた。


 ただ二人の人間を除いて。


「天誅の牙はすべてを灰塵に帰す」

「あんまりヤンチャしちゃダメだよー。我らが始祖はいつも見てるんだからねー。ハハハ」


 二人は純白のローブを翻し、辺りを確認する。

 背教者はちゃんといなくなったようだ。


「任務完了! だね。兄さん!」

「そうだな。帰るとするか。弟よ」

「その前にさ。兄さんさっきあっちの戦場からおかしな話が聞こえてきたんだけど、確認しに行かない?」

「? おかしな話?」


 弟と呼ばれた白ローブは兄と呼ばれた白ローブの前にたちにっこりと微笑みかける。


「なんでも、僕たちの偽物が出たらしいよ?」


 その笑顔は凶悪に歪んでいた。

 

◇◇◇


ーードン!

「な、なんだ!」

「わかりません!」


 俺たちが魔の森を進んでいると、進行方向から大きな音が聞こえてきた。

 魔力の流れが感じられるので、おそらく強力な魔術が使われたのだろう。

 いや、もしかしたら、魔道具が暴走したのかもしれない。

 この時代にあんな強力な魔術を使える人間は俺以外にいないはずだ。

 アリアたちもあと数年修行をしていればあのレベルに届くかもしれないが、今は無理だ。

 それなら、魔道具が暴走したと考える方が普通だ。もしくはかなり強い魔物が出たか。


「……行ってみるか?」

「危険じゃないですか?」

「うーん」


 リスクは確かにある。

 だが、今の魔力的に俺がいればなんとかできるレベルのリスクだと思う。


(この場所は村からそこまで遠くないんだよなー)


 ここは俺たちの開拓村からそれほど遠くはない。

 強力な魔物が出たなら知っておきたい。

 前の巨大ブラックウルフのように村に攻めて来られるかもしれないからな。


 「見に行ったら何かに巻き込まれるかもしれない」という目に見えるリスクより、「何かがいずれ村に来るかもしれない」という目に見えないリスクの方が大きい気がする。


「もしもの時のために何があったかは確認しといた方がいいと思うな」

「そうですね。それに、魔物を操っていた人たちがちゃんといなくなってるかも確認しないといけませんし」

「そういえば、それもあったな」


 あんな魔力に巻き込まれればタダでは済まないと思うが、もしかしたら彼らと全然違うところで起きた爆発かもしれない。

 ちゃんと潰せていることを確認しておかないといけない。


「じゃあ、い……」


 その時、俺の探知魔術に急速に接近する魔力を感知した。

 数は二つ。

 どちらもかなりの強さだ。


(チッ。気づかれた)


 俺たちに向かって攻撃が飛んでくる。

 急いで魔力を抑え始めたが、どうやら、間に合わなかったらしい。


 俺の魔力を抑え切れたとしても、ミーリアの魔力まで俺が抑えるのは無理だからどっちみち気づかれたかもしれないが。


「どうかしましたか? レイン」

「ミーリア、下がって『風防』」


 二つの魔力は方向を少し変え、一直線に俺たちの方へと向かってくる。

 俺は風の障壁を貼り、魔術を防ぐ。


 風の防壁にぶつかった魔力は爆発し、辺りの木々を薙ぎ倒した。


「レイン!? 今のは一体!?」

「……多分、さっきの爆発の犯人がこっちに向かってきてる」

「えぇ!」


 ミーリアは俺の影に隠れ、俺が睨んでいる方向と同じ方を向く。

 すると、木々の上を飛ぶ白いローブの二人組が見えてきた。


「あはは! 本当にいた〜」

「情報は正しかった様だな。弟よ」


 白ローブの二人組はゆっくりと木々の間から姿を表す。


 その二人は顔の上半分を隠すマスクをしており、大きくはためくローブの背中部分には俺たちのローブと同じ、教会のマークが刺繍されている。


「マジか」


 おそらくこいつらが『天誅』だ。

 こんなダサい名前の集団が本当にいたなんて、正直予想外だ。

当初プロットでは「黒いグレイバイパーが暴れる」→「レインたちがあっさり倒す」→「本物の『天誅』の登場」って予定だったんですが、天誅のキャラが立たなかったので、変更しました。

ということで、黒いグレイバイパーは人知れずお亡くなりになりました。

ごめんね。

黒いグレイバイパー『……』


 ***


 皆様の応援のおかげでコミックス4巻の発売が決まったようです。

 小説版ともども応援をよろしくお願いします。

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