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ショートストーリー  作者: 美月×Aoi
魔女の笑い声
8/12

火で炙るこの梁の十字架より先に逃れれば私の勝ち。


私の自由だ。


そう思った、けれど時は残酷だ。


十字架に括り付けられた私の身体はびくともしない。


縄が手首に絡まりついて、太く頑丈な縄は

簡単になどほどけやしない。


必死に足掻いた。


女に産まれた私は、自分が酷く惨めに思えた。


こんな時代に産まれ

女に産まれただけで


この有り様だ。


渇いた笑いが出てくる。

涙はとうに枯れた。


笑いながら死んでいった私を

焔に焼かれながら笑い声をあげた私を


肉が焦げ臭い、それでも無様に逃れようと必死に抵抗した私を見て


吊し上げた人間どもは、私を魔女と最後まで貶した。



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