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①
アハハハハハハハハハ
アハハハハハハハハハ
業火の焔に焼かれながら笑い声をあげる女が
そこにいた。
いつまでも耳に残るその笑い声は、人々に恐怖という名の感情を植え付けるのに充分だった。
上がる黒煙は何処までも上空へ
オレンジ色の焔が光る源となり
そこが中心となり影が踊る。
人間の焼かれる匂い
たちまちに胃の底から込み上げては、辺り一面にぶちまける。
それを片付ける人々や
くわばらくわばらと手を擦り合わせ
その場を後にする人々。
昔の風習で、磔。
魔女狩りと呼ばれていた風習がある時代
忌々しい魔女を狩るため、火炙りの刑にする。
火炙りにしてもなお生きていれば魔女などと
はたまた川に沈め浮いてきたら魔女だとか
根も葉もない噂だけで、命を刈り取る。
死ぬのは嫌だから抵抗する
そんな至極当然の事をしても、魔女だとか抜かす
そんなこと出来た奴等こそ人間ではない。
そんな時代に生きて死んだ私の物語。