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①
見渡す限りの緑、所々に小さな花が咲いている。
雲も空の中で自由に泳いでいるようだ。
私の足は地に着いてなく
翼のない生き物をとても可哀想に思っていた。
私は翼を広げ自由に空を飛び回る。
ある場所から人々を見渡すと、ある人物に目が止まる。
その人物は、この素晴らしき大空を見ようともせず
ずっとずっと自分の足下を見ていた。
....何をしているのだ?
足下に何かあるのか?
私は、一人の少年の仕草が気になり
地上スレスレまで降りて、真上から少年の足下を覗き見た。
....なんだ。
何もないじゃないか。
好奇心に駆られた私の思いと裏原に
私は、見た。
しかとこの目で見た。
少年の目を。地面を睨んでいた。