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④
確か、あの部屋に拷問機具が置いてあったはず...
いや、もう今更だ。
そんなことよりナイフのほうが簡単だ。
首を跳ねれば終わる。
あれこれ考えても仕方あるまい。
そう、私は立ち上がるはずだった...
復活した身体で、復讐に燃えた私の身体に
最後に救ってくれたのはあの人だった。
私を愛してくれた、あの人...。
私の身体は、醜く焦げ落ちたはずだった。
でも復活したことで銃弾が貫いたのだ。
嘘か真か分からない、銀の弾丸は魔しか殺められない。
だがこうして私の身体を貫くことができたということは....
あぁ、私は人間だったのだ。
そして最後にあの人が私を貫いた。
良かった。
これで私はやっと死ねる....
最後の最後で、愛しいあの人に抱かれながら
不思議と私の中から流れる血は温かさを感じた...。
こんな時代に産まれてきて
どうか、こんなことは私で終わりになればいい...。
そして今度産まれ変わることができたら
私は....
END