プロローグ2
私は誰?ここはどこ?
今の自分の状況を話すならばそういうことになる。
自分の周りには一面に真っ白な虚無な空間が広がっていて、自分はそこに浮かんでいる。
そもそも周りは何もない空間しかないのだから、ここは何処だとか言い様がない。故に、ここは何処かがわからない。
それともう一つ。
記憶が無い。
正確には、「味噌は大豆から出来る」とかの「知識記憶」は残っているのに、他の一切合切の記憶が無い。勿論、自分の名前が何かなんての記憶なんて勿論無い。
これが所謂、「私は誰?」状態。
何もかもが解らない。
そうやって、自分はもう何日もこうやってぼうっとしていた。
一応ぼうっとしているといっても何もしていなかった訳ではないのだ。
今自分の頼ることが出来るものと言えば、知識記憶しかない。
だから、自分の知識記憶を順繰り探っていって、記憶や知識の整理をしていたのだ。
それで、前世?についてわかったことがいくつかある。
前世はおそらく日本人だったことや、好きな食べ物、好きな本、その他も色々…………。
前世の記憶については、自分の知識を分類ごとに分けていけば、自ずとその性質がわかってくる。
自分の身に付いていた動作がどこの国のものであったのか…とかね。
好きな物とかは、何でもいいからその「モノ」を思い浮かべてみて、自分がその「モノ」にどういう感想を持っているかを感じれば、大体わかる。あとは知識の深さとかね。深ければ深いほど、それについて興味を持っていることになり、前世の自分の人物像を垣間見る手助けになる。
そんなことを一つ一つ吟味して、頭の中で反芻していたんだ。
結果として得た情報は、どうでも良いもののように見えて、自分の行動を決める指針に必ずなる。
人格を作るのは、もとからある性格を土台にした、経験や記憶だからね。
そんなこんなで早数日。いや数ヶ月?
何故か腹も減らないし喉も乾かない上、周りが真っ白で何もないため、もう時間の感覚がない。
それにこんな状況でのんびりしていられるのもおかしい。
常人なら発狂するだろうね。
まあ、そんなこんなでやっと記憶の整理がついた。同時に前世自分がどういう人間だったかも大体わかったよ。
これでやっと、自分というものが出来た気がする。
自分の中の空洞に、記憶と知識でもって構成し、取り戻した人格を嵌め込む感覚。
ピタリとはまる。
違和感は無い。
久しぶりに自分の体に意識を向けた気がする。
動く心臓の音。
体を巡る熱い血潮。
フワフワとしていた自分の体と意識に、現実味が戻ってくる。
「あ~・・・・・あ~・・・・・。」
声帯は問題なし。
「ふんっ!」
パンチもキックも問題なし。
四肢も問題ない。
「はあ・・・・・随分と時間を無駄に過ごしたな・・・・。」
「俺」は都心にいたようで、毎日人並みに揉まれたりしていた様だから、時間に対して割とシビアだ。
唯単に記憶を整理するだけで相当な時間を食ってしまった。
さて、もうやることは決まっている。
失敗したら恥ずかしいが、自分しかいないのだから別に良いだろう。
自分の体を意識したあたりから感じていた、自分の中を流れる「二種類」の力を意識しながら言う。
「ステータス」
目の前に出てきた透明な板のようなモノに書かれたステータスを見る。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
種族:「神」
名前:
性別:男
年齢:0
LV::9999999999999999(表示限界です)
HP:9999999999999999/9999999999999999(表示限界です)
MP:9999999999999999/9999999999999999(表示限界です)
神力:9999999999999999/9999999999999999(表示限界です)
筋力:9999999999999999(表示限界です)
物理耐久:9999999999999999(表示限界です)
魔法耐久:9999999999999999(表示限界です)
敏捷:9999999999999999(表示限界です)
体力:9999999999999999(表示限界です)
魔力出力:9999999999999999(表示限界です)
神力出力:9999999999999999(表示限界です)
スキル
全て(表示限界です 任意で表示可能)
[称号]
「転生者」「創世ノ神」「神へと至りし者」「主神」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「おうふ」
神になってしまった。