第25話「嘘から生まれた愛」【後編】
【シーン:病院の中庭・夜】
風が、落ち葉をさらう音だけが響く。
街の喧騒から遠く離れたこの場所で、
ヨンジュンとセリナは、静かに向かい合っていた。
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「……最初から、俺は嘘をついてた。」
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ヨンジュンの声は、いつになく弱かった。
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「お前に近づいたのは、復讐のためだった。」
「ハン・ギョンウを壊すために――」
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セリナは、黙って聞いていた。
顔を俯け、何も言わずに。
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「お前のことも……利用するつもりだった。」
「でも、あの日……事故の夜、お前を抱きしめた瞬間――」
「俺はもう、偽りじゃない気持ちでお前を守ってた。」
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ヨンジュンは、
懐から古びた懐中時計を取り出す。
父の形見。
そして、自分の原点。
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「これが、俺の過去だ。」
「復讐に囚われた十数年。」
「でも――」
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彼は時計をセリナに差し出す。
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「……これからは、お前と“今”を生きたい。」
「それが、許されることじゃなくても。」
「それでも、俺はお前に本当の気持ちを伝えたかった。」
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【シーン:セリナの沈黙】
セリナは、
時計をじっと見つめていた。
そして、静かに涙を一筋、こぼした。
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「……どうして、もっと早く言ってくれなかったの?」
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その声は、悲しみと安堵が混ざった、震える声だった。
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「でも――ありがとう。」
「全部話してくれて。」
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彼女はそっと懐中時計に触れ、
微笑んだ。
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「あなたの過去が、どんなに黒くても……」
「私が信じるのは、今のあなた。」
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【シーン:手を重ねる】
ヨンジュンは、
セリナの手に自分の手を重ねた。
その手は、震えていた。
でも、確かに――温かかった。
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「これが、愛なのかな。」
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セリナのその言葉に、
ヨンジュンは頷いた。
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「……きっと、そうだ。」
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【第25話 完】
ついに、ふたりの間の“嘘”がすべて明かされた。
だが、それでも繋がったのは――
“愛”という新たな真実。
次は――
第26話「燃える本邸」。
いよいよ、ハン・ギョンウの牙城へ乗り込む時。
ふたりは、“愛”を武器に、最終戦へと向かう。




