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紅蓮の契約  作者: ZEN
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第25話「嘘から生まれた愛」【後編】

【シーン:病院の中庭・夜】


風が、落ち葉をさらう音だけが響く。

街の喧騒から遠く離れたこの場所で、

ヨンジュンとセリナは、静かに向かい合っていた。


**


「……最初から、俺は嘘をついてた。」


**


ヨンジュンの声は、いつになく弱かった。


**


「お前に近づいたのは、復讐のためだった。」


「ハン・ギョンウを壊すために――」


**


セリナは、黙って聞いていた。


顔を俯け、何も言わずに。


**


「お前のことも……利用するつもりだった。」


「でも、あの日……事故の夜、お前を抱きしめた瞬間――」


「俺はもう、偽りじゃない気持ちでお前を守ってた。」


**


ヨンジュンは、

懐から古びた懐中時計を取り出す。


父の形見。

そして、自分の原点。


**


「これが、俺の過去だ。」


「復讐に囚われた十数年。」


「でも――」


**


彼は時計をセリナに差し出す。


**


「……これからは、お前と“今”を生きたい。」


「それが、許されることじゃなくても。」


「それでも、俺はお前に本当の気持ちを伝えたかった。」


**


【シーン:セリナの沈黙】


セリナは、

時計をじっと見つめていた。


そして、静かに涙を一筋、こぼした。


**


「……どうして、もっと早く言ってくれなかったの?」


**


その声は、悲しみと安堵が混ざった、震える声だった。


**


「でも――ありがとう。」


「全部話してくれて。」


**


彼女はそっと懐中時計に触れ、

微笑んだ。


**


「あなたの過去が、どんなに黒くても……」


「私が信じるのは、今のあなた。」


**


**


【シーン:手を重ねる】


ヨンジュンは、

セリナの手に自分の手を重ねた。


その手は、震えていた。


でも、確かに――温かかった。


**


「これが、愛なのかな。」


**


セリナのその言葉に、

ヨンジュンは頷いた。


**


「……きっと、そうだ。」


**



【第25話 完】

ついに、ふたりの間の“嘘”がすべて明かされた。


だが、それでも繋がったのは――

“愛”という新たな真実。


次は――

第26話「燃える本邸」。


いよいよ、ハン・ギョンウの牙城へ乗り込む時。


ふたりは、“愛”を武器に、最終戦へと向かう。

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