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紅蓮の契約  作者: ZEN
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第20話「あの日の手紙」【前編】

【シーン:ヨンジュンの自宅・深夜】


雨上がりの夜。

ソウルの空は、澄んで星が瞬いていた。


ヨンジュンは、セリナとジュンソクと別れ、

ひとり自宅のリビングで静かに座っていた。


手の中にある、ひとつの封筒。


**


【シーン:父からの遺言】


それは――


かつて父が、事故の前日にヨンジュンに宛てて書き残していた手紙。


執事パク・ソンギュが、すべてが片付いた今、

「本当に必要なときに開け」と託していたものだった。


**


ヨンジュンは、

深く息を吸い、

震える指で封を切った。


**


【シーン:父の手紙・冒頭】


中から出てきたのは、

手書きの便箋。


懐かしい、温かい文字。


**


『ヨンジュンへ。』


**


『もしもこの手紙を読んでいるなら、

 私はもうお前の前にはいないのだろう。』


**


『すまなかった。』


『何もかも、守ってやれなくて。』


**


ヨンジュンの手が、微かに震える。


**


【シーン:父の告白】


手紙は続く。


**


『お前には、知っておいてほしい。』


『この世界は、不公平で、冷たくて――』


『それでも、生きる価値があると。』


**


『お前が、憎しみだけで生きるのなら、

 私は父親として失格だ。』


『だから――』


『どうか、誰かを憎むためにではなく、

 誰かを守るために、生きてくれ。』


**


ヨンジュンの胸に、

熱いものが込み上げる。


**


(父さん……。)


**


【シーン:静かな涙】


気づけば、

ヨンジュンの頬を涙が伝っていた。


泣かないと決めていたはずなのに。


すべてを失って、

すべてを憎んで、

それでも今――


初めて、

本当に父と繋がった気がした。


**


(俺は……父さんの願いを、踏みにじって生きてきた。)


(でも――)


(これからは……。)


**


ヨンジュンは、

手紙を胸に抱き締めた。


そして、静かに目を閉じた。


**


【シーン:新たな誓い】


心の奥で、

父に向かって誓った。


**


(俺は――)


(もう、復讐だけで生きない。)


(誰かを守るために、生きていく。)



(続く・中編へ)

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