第20話「あの日の手紙」【前編】
【シーン:ヨンジュンの自宅・深夜】
雨上がりの夜。
ソウルの空は、澄んで星が瞬いていた。
ヨンジュンは、セリナとジュンソクと別れ、
ひとり自宅のリビングで静かに座っていた。
手の中にある、ひとつの封筒。
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【シーン:父からの遺言】
それは――
かつて父が、事故の前日にヨンジュンに宛てて書き残していた手紙。
執事パク・ソンギュが、すべてが片付いた今、
「本当に必要なときに開け」と託していたものだった。
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ヨンジュンは、
深く息を吸い、
震える指で封を切った。
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【シーン:父の手紙・冒頭】
中から出てきたのは、
手書きの便箋。
懐かしい、温かい文字。
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『ヨンジュンへ。』
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『もしもこの手紙を読んでいるなら、
私はもうお前の前にはいないのだろう。』
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『すまなかった。』
『何もかも、守ってやれなくて。』
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ヨンジュンの手が、微かに震える。
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【シーン:父の告白】
手紙は続く。
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『お前には、知っておいてほしい。』
『この世界は、不公平で、冷たくて――』
『それでも、生きる価値があると。』
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『お前が、憎しみだけで生きるのなら、
私は父親として失格だ。』
『だから――』
『どうか、誰かを憎むためにではなく、
誰かを守るために、生きてくれ。』
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ヨンジュンの胸に、
熱いものが込み上げる。
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(父さん……。)
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【シーン:静かな涙】
気づけば、
ヨンジュンの頬を涙が伝っていた。
泣かないと決めていたはずなのに。
すべてを失って、
すべてを憎んで、
それでも今――
初めて、
本当に父と繋がった気がした。
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(俺は……父さんの願いを、踏みにじって生きてきた。)
(でも――)
(これからは……。)
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ヨンジュンは、
手紙を胸に抱き締めた。
そして、静かに目を閉じた。
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【シーン:新たな誓い】
心の奥で、
父に向かって誓った。
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(俺は――)
(もう、復讐だけで生きない。)
(誰かを守るために、生きていく。)
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(続く・中編へ)




