第18話「親愛なる裏切り者へ」【前編】
【シーン:ソウル・夜】
冷たい夜風が吹き抜ける。
ネオンの光が、悲しく滲んで見えた。
ヨンジュンは、
廃工場の前に立っていた。
そこに現れたのは――
ドフン。
かつて、唯一無二だった親友。
そして今は、
裏切り者となった男。
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【シーン:対峙】
ドフンは、
わずかにうつむきながら、
ヨンジュンを見上げた。
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「来たか……ヨンジュン。」
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ヨンジュンは、
無言で彼を見据えた。
胸の奥が、
痛みで軋む。
だが、
怒りではない。
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(……なぜ、お前は裏切った?)
(……なぜ、俺たちはこうなった?)
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【シーン:ドフンの告白】
ドフンは、
震える声で語り始めた。
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「……あの時、俺には……何もなかった。」
「家族も、金も、未来も。」
「ヨンジュン……」
「お前だけが、
すべてを手に入れようとしてた。」
「俺には……怖かったんだ。」
「お前に置いて行かれるのが……!」
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ドフンの声は、
途中で嗚咽に変わった。
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【シーン:ヨンジュンの静かな怒り】
ヨンジュンは、
静かに目を閉じた。
そして、低く呟いた。
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「……お前が、俺を裏切った理由は。」
「“寂しかったから”か?」
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ドフンは、
何も言えなかった。
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【シーン:心の叫び】
ヨンジュンは、
拳を震わせながら、叫んだ。
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「だったら、なぜ言わなかった!!」
「なぜ、俺を信じなかった!!」
「一緒に、乗り越えようとは――
思わなかったのか!!」
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怒りでも、憎しみでもない。
それは、
どうしようもない悲しみの叫びだった。
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【シーン:ドフンの涙】
ドフンは、
その場に膝をつき、
泣き崩れた。
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「……ごめん……」
「ヨンジュン……」
「俺は、ただ……怖かったんだ……!」
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ヨンジュンは、
震える拳を握りしめながら、
じっと彼を見下ろしていた。
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この男は、
間違った。
だが――
それでも、
かつての”親友”だった。
⸻
(続く・中編へ)




