表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
紅蓮の契約  作者: ZEN
58/84

第18話「親愛なる裏切り者へ」【前編】

【シーン:ソウル・夜】


冷たい夜風が吹き抜ける。

ネオンの光が、悲しく滲んで見えた。


ヨンジュンは、

廃工場の前に立っていた。


そこに現れたのは――


ドフン。


かつて、唯一無二だった親友。


そして今は、

裏切り者となった男。


**


【シーン:対峙】


ドフンは、

わずかにうつむきながら、

ヨンジュンを見上げた。


**


「来たか……ヨンジュン。」


**


ヨンジュンは、

無言で彼を見据えた。


胸の奥が、

痛みで軋む。


だが、

怒りではない。


**


(……なぜ、お前は裏切った?)


(……なぜ、俺たちはこうなった?)


**


【シーン:ドフンの告白】


ドフンは、

震える声で語り始めた。


**


「……あの時、俺には……何もなかった。」


「家族も、金も、未来も。」


「ヨンジュン……」


「お前だけが、

 すべてを手に入れようとしてた。」


「俺には……怖かったんだ。」


「お前に置いて行かれるのが……!」


**


ドフンの声は、

途中で嗚咽に変わった。


**


【シーン:ヨンジュンの静かな怒り】


ヨンジュンは、

静かに目を閉じた。


そして、低く呟いた。


**


「……お前が、俺を裏切った理由は。」


「“寂しかったから”か?」


**


ドフンは、

何も言えなかった。


**


【シーン:心の叫び】


ヨンジュンは、

拳を震わせながら、叫んだ。


**


「だったら、なぜ言わなかった!!」


「なぜ、俺を信じなかった!!」


「一緒に、乗り越えようとは――

 思わなかったのか!!」


**


怒りでも、憎しみでもない。


それは、

どうしようもない悲しみの叫びだった。


**


【シーン:ドフンの涙】


ドフンは、

その場に膝をつき、

泣き崩れた。


**


「……ごめん……」


「ヨンジュン……」


「俺は、ただ……怖かったんだ……!」


**


ヨンジュンは、

震える拳を握りしめながら、

じっと彼を見下ろしていた。


**


この男は、

間違った。


だが――

それでも、

かつての”親友”だった。



(続く・中編へ)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ